複数のアメリカ国会議員はこのほど、中国共産党が法輪功への迫害を海外に広げていることについて、強く非難する声明を発表しました。議員たちは、中国共産党がアメリカの法律やメディアを悪用して政治的な圧力をかけており、これは重大な人権侵害にあたると指摘しています。

 中国共産党による海外への浸透工作に詳しい、カナダ在住の民主活動家・盛雪氏は『看中国』の取材に応じ、一連の動きについて分析しました。盛雪氏によると、中国共産党は、法輪功が掲げる「真・善・忍」という普遍的な価値観を恐れており、神韻芸術団が持つ世界的な影響力を脅威と感じています。盛雪氏はまた、中国共産党は共産主義イデオロギーが崩壊しつつあることに恐怖を感じていると指摘しました。

イデオロギーの対立

 民主活動家の盛雪氏は『看中国』のインタビューで、中国共産党が法輪功を敵視する理由は、共産主義イデオロギーが崩壊の危機に瀕しているためだと指摘しました。そして、「法輪功の『真・善・忍』という教えは、中国共産党の党文化や共産主義イデオロギーを根底から崩壊させるものだ」と述べました。暴力的な革命で政権を奪い取った中国共産党は、「偽り・悪・暴力」を重んじています。そこで、法輪功の「真・善・忍」という教えを受け入れる人が増えれば、人々は心の底から共産党を遠ざけることになると盛雪氏は言います。「これこそが中国共産党にとって容認できないことなのだ」と指摘しました。

 さらに盛雪氏は、「法輪功の修煉者は、内面の修行を通じて『真・善・忍』を実践し、最大限の善意をもって世界をより良くしようとしている。この信念は、共産主義イデオロギーの根幹を揺るがすものだ」と語りました。

 法輪功は単なる修煉団体でありながら、中国共産党による迫害を四半世紀に渡って耐え抜いてきました。暴力的な統治を基礎とする中国共産党にとって、その暴力に屈しない人々が存在することは大きな脅威なのです。

 盛雪氏は「特に海外において、法輪功はロビー活動やメディア活動で大きな成果を上げており、中国共産党が何十年もかけて行ってきた世界各国への浸透工作と宣伝工作を打ち破った」と述べました。そして、「法輪功のこのような活動は、中国共産党の海外での影響力を弱め、国際世論の中で中国共産党を追い詰めている」と語りました。

神韻芸術団に対する妬み

 神韻芸術団に対し、中国共産党は強い警戒心を抱き、あらゆる手段で誹謗や妨害を行っています。

 神韻芸術団は、2006年にニューヨークで設立されて以来、18年間にわたり中国伝統文化を復興させてきました。現在、神韻は8つの同じ規模の芸術団を持ち、毎年世界各国のおよそ200の都市で公演を行っています。観客動員数は年間200万人に上り、その舞台芸術は主流社会のエリート層から高い評価を受けています。

 盛雪氏は、神韻が設立された当初から世界的な成功を収めるまでの過程を目の当たりにしてきた1人です。「神韻の成功は、智慧と努力、そして芸術への究極の追求によって成し遂げられたものだ」と述べました。

 盛雪氏はまた、神韻は単なる文化公演ではなく、中国の伝統文化を広め、普遍的な価値観を伝える使命を担っていることを高く評価しています。これは、無神論を宣伝する中国共産党にとって大きな脅威となっています。盛雪氏は、「中国共産党は文化活動に巨額の資金を投じ、共産主義的イデオロギーの宣伝を試みてきたが、神韻のように国際的な影響力を得ることはできなかった。神韻の成功を前に、中国共産党の指導者たちは嫉妬と恐怖を感じている」と指摘しました。

 中国共産党の内部事情に詳しい法学者の袁紅冰氏によると、習近平は2022年の党大会前に、法輪功に対する国際的な弾圧を強化することを指示しました。その中には、個人運営のセルフメディアや外国メディアを利用した誹謗中傷に加え、アメリカの法律を悪用して法輪功関連のメディアや文化団体にダメージを加える試みや、法輪功内部への浸透工作を通して、法輪功関連メディアの信用を失墜させる戦略などが含まれているとのことです。

中国共産党の工作活動

 2024年1月にアメリカの非営利組織が発表した報告書によると、中国共産党は神韻芸術団をターゲットにしており、これまで38カ国で130件以上の破壊工作活動を行っています。その代表的な手口としては、現地の議員への圧力、劇場関係者への脅迫、暴力的な破壊行為、さらには殺害予告にまで及びます。今年11月には、アメリカで中国共産党の代理人として活動していた2人に有罪判決が下されました。その罪状は、アメリカの法輪功学習者の個人情報を収集したことに加えて、アメリカ国税庁の職員を買収し、神韻に対する妨害工作を試みたことです。

 今年8月に発表された『武器化するソーシャルメディア』と題する報告書では、中国共産党がこの1年で法輪功と神韻への攻撃を大幅に強化したことが明らかになっています。中国共産党はソーシャルメディアや外国のメディアを利用して、神韻に関する偽情報を拡散する計画があるとのことです。最近では、神韻に対する爆破予告や襲撃予告、さらに神韻の女性アーティストに対する殺害予告などが確認されており、妨害工作が一段とエスカレートしていることが伺えます。

 盛雪氏はこれらの報告書を踏まえて、「ニューヨーク・タイムズが8月以降、法輪功や神韻に対する悪意に満ちた報道を繰り返してきた理由がやっと理解できた」と話しました。盛雪氏は「一部の西側メディアは、間違いなく中国共産党による浸透工作の影響を受けている。中には、中国共産党と同じ立場に立って法輪功を誹謗中傷しているメディアもある」と指摘しました。

 また、中国共産党による国内外でのプロパガンダ工作、すなわち「大外宣」は、法輪功迫害における重要な一環であると述べました。2003年以降、中国共産党は買収や利益供与を通じて世界各国の中国語メディアを掌握し、外国の大手メディアにも影響を及ぼしています。「中国共産党は『大外宣』によって世界全体を赤く染めようとしている。法輪功への誹謗中傷に躍起になるのは、法輪功が正しいことをしている証拠だ」と盛雪氏は語りました。

 中国共産党の『大外宣』の目的は、プロパガンダの発信だけではなく、反体制派や異議を唱える人々の声をかき消すためでもあります。盛雪氏は、「法輪功学習者が設立したメディアは、その独立性と影響力により、中国共産党のプロパガンダとフェイクを見事に暴いている」と述べています。

民主主義への挑戦

 盛雪氏は、中国共産党が法輪功弾圧を海外に輸出していることは、他国の信仰の自由を抑圧することに他ならないと指摘しています。特に、中国共産党がメインターゲットとするアメリカは信仰の自由を建国理念とする国家です。法輪功が掲げる「真・善・忍」という教えは普遍的な価値観と一致しており、世界各国で支持されています。盛雪氏は、中国共産党が民主主義国家の法体系を悪用して法輪功を弾圧しようとしても、その陰謀は決して成功しないだろうと断言しました。

 さらに盛雪氏は、世界各国の政府に対して、中国共産党の本質を見極めるよう呼びかけました。

 「中国共産党は道徳を気にかけない暴虐な政権であり、全世界を堕落させることを目的とする。中国共産党と法輪功の対立は、すなわち共産主義的イデオロギーと普遍的価値観との対立だ。法輪功や神韻を守ることは、一つの修煉団体を守ることだけではなく、私たちの自由と未来を守ることでもある。」

(翻訳・唐木 衛)