最近、中国各地の小中学校で水痘(みずぼうそう)の集団感染が発生し、一部の学校では大規模な感染により休校措置が取られています。学校全体が休校に追い込まれる事態も発生しました。同時に、大人の感染率も上昇しており、子どもに比べて症状が重いことが明らかになり、社会的な関心が高まっています。中国疾病予防管理センターは、中国が現在、集団感染の多発期にあることを認めています。
中国のメディアによると、12月初旬、上海の複数の地域で水痘が急速に広がり、一部のクラスが隔離措置を受けました。上海宝山区にある私立中学校では、11月以降、多くのクラスが水痘の拡大により隔離されました。静安区の公立中学校では、1年生のクラスで感染者が確認されたため、クラス全員が隔離教室に移され、他のクラスとは時間をずらして登下校する対応が取られました。虹口区のある中学生は12月8日に「今回の水痘は本当に深刻で、うちの学年ではクラスごとに家に帰って隔離されたところもある」と語りました。また、一部の学生はワクチンを2回接種しているにもかかわらず感染したと報告されています。
多くの学生がSNSを通じて学校の感染状況を共有しています。ある上海の中学生は12月1日に「医師から水痘と診断され、クラスの秋の遠足が中止になった」と投稿しました。虹口区の別の中学3年生は、「自分がクラスで最初の感染者で、学校の運動会は自分の感染が原因で延期された」と話しています。
杭州でも水痘の状況は深刻で、学年単位で休校措置が取られた学校もあります。11月15日、地元の教師がSNSで「杭州市育才中学では水痘が広がり、期末試験も延期せざるを得ない」と明かしました。
江蘇省蘇州市では、保護者からも不安の声が上がっています。ある保護者は「今年、地元の小中学校では水痘ワクチン接種が強く推奨されていた。おそらく感染の流行を予測していたのだろう。現在、高校生の間でも水痘が広がっている」と語りました。
陝西省では、11月20日に一部の学校が緊急休校通知を出しました。その通知には「最近、感染症が流行しており、水痘患者が複数発生したため、感染拡大を防ぐ目的で学校全体を一時的に休校とする」と書かれていました。さらに、保護者に対して感染状況を隠さず、担任教師に報告するよう指示がありました。
湖北省の学校通知では、2つのクラスが水痘感染で2週間の休校措置を取られたほか、ノロウイルスも流行していることが報告されました。広東省でも同様の感染が広がっており、ある中学生は「クラスで少なくとも4人が水痘に感染している」と明かしました。雲南省では、11月27日にある保護者が「娘の寮で感染者が出て、10日後に娘も感染した。学校は寝具や洗面用具をすべて持ち帰るよう指示したが、翌日にはさらに2人の感染者が確認された」と報告しています。
河北省邢台市の保護者は「今学期、小学校で水痘が断続的に流行し、多くの児童が欠席している」と述べ、福建省の保護者も「最近、水痘の感染が周囲で拡大している」と不安を語っています。
さらに注目すべきは、今年の水痘が学生だけでなく、大人にも急速に広がっていることです。特に25歳から40歳の成人において感染率が上昇し、症状が子どもよりも重くなっています。江蘇省無錫市のある保護者は12月14日に「家族全員が水痘に感染し、大人には薬も効かず、頭痛や吐き気、全身の痛みに耐えられなかった」と語りました。
遼寧省のある女性は産後15日目に水痘に感染し、「娘にも感染し、日に日に症状が悪化している。市内の病院に行かざるを得ないが、高齢の母親への感染も心配だ」と話しています。浙江省では「同僚の間でも水痘が広がり、自分も熱が出ている」との報告があり、北京市のビリヤード場では「職場の複数の同僚が感染し、出勤できない状態」との投稿もありました。陝西省のある女性は、子ども2人が水痘に感染し、全身の痛みと意識混濁が続いて泣き続けている様子を訴え、「まさかここまで重症になるとは思わなかった」と嘆いています。
専門家は、水痘の感染が成人層にも拡大する傾向があり、中学生の感染が増加し、成人患者も急速に増えていると指摘しています。成人の症状は子どもよりも重く、回復までの期間も長くなる傾向があります。
現在の深刻な感染状況を受け、疾病管理機関は学校と家庭に対して、感染者の早期発見と隔離の徹底を呼びかけています。さらに、専門家は適齢者に対してできるだけ早くワクチンを接種し、感染時の症状を軽減するよう勧めています。
(翻訳・吉原木子)