2024年12月14日朝、大連市西崗区にある地下鉄3号線の大連駅付近で火災が発生しました。公式発表によると、この火災で人的被害は発生しなかったものの、火勢は非常に激しく、黒煙が空高く立ち上り、地下鉄の高架橋部分に濃い煙が立ち込めました。この影響で、大連駅は一時運行を停止し、この突発的な事故は社会的な注目と議論を呼ぶ結果となりました。
複数のSNSプラットフォームに投稿された動画によれば、火災は大連駅南側にある船券サービスセンター付近で発生しました。動画には、現場で濃煙が渦巻き、火の手が大きく上がる様子が鮮明に記録されています。燃焼中の建材からは絶え間なく「パチパチ」という音が聞こえ、周囲の市民が足を止めて現場を見守る姿も映し出されていました。一部の市民はスマートフォンで火災現場を撮影し、その動画をSNSに投稿していました。
目撃者の一人は、「火災が起きた際、空気には焦げたような刺激的な匂いが充満していて、消防車がすぐに駆けつけたものの、火勢があまりに強く、完全にコントロールするのは困難な状況だった」と語りました。
火災発生後、大連市当局は迅速に短い声明を発表し、「この火災で人的被害はなく、地下鉄の運行は午前中に正常に戻った。出火原因は現在調査中」と述べました。しかし、事故の詳細や責任の所在について、関連部門はメディアの取材に対して曖昧かつ回避的な態度を示しました。一部のメディアは、大連市119指揮センターが「火災現場は西崗区の管轄区域内にある」と述べたことを報じましたが、西崗区政府や市の緊急対応部門からは有効な回答が得られていません。また、大連市の便民ホットラインの担当者は「火災に関する情報は現在把握していない」と回答し、大連公共交通建設投資集団のホットライン担当者も火災原因に関する情報を受け取っていないと述べました。
火災が地下鉄のプラットフォームで発生したのか、あるいは車両内で発生したのかについても、大連地下鉄の担当者の説明は依然として不明瞭です。同担当者は、「火災後、地下鉄の運行は午前中に再開したが、軌道交通には一定の間隔時間が必要で、現在は正常に運行している」と述べるにとどまりました。このような曖昧な対応は、疑念を払拭するどころか、さらなる疑問や憶測を招く結果となりました。
ネット上では、多くのユーザーが火災の原因や公共施設に使用された建築資材の品質について疑問を呈しています。あるユーザーは、「動画を見る限り、濃煙の色や火の激しさから、使用されている建材に問題がある可能性が高い」と指摘しました。また、「公共施設には防火・難燃性の建材が使用されるべきだが、今回の火災を見ると、それが本当に基準を満たしているのか疑問だ」という声も上がっています。さらに、「財政難のため、多くのインフラ維持管理が削減されており、こうした隠れたリスクが大災害を引き起こすのは時間の問題だ」と懸念する意見も寄せられました。
火災発生後、一部のネットユーザーは最近の火災事故の多発に対して深い懸念を表明しました。「一昨日は遼源で火災、昨日は瀋陽、今日は大連と、ここ数日間で連続して安全事故が発生している」「短期間にこれだけの事故が続くと、公共の安全に対する不安が募るばかりだ」とのコメントが見受けられました。また、「こうした火災事故は単なる偶然ではなく、社会の管理体制やインフラ品質が長年抱えてきた問題の表れだ」とする意見も少なくありません。
大連地下鉄3号線は、遼寧省および大連市で初めて建設され、運行を開始した都市鉄道交通路線であり、2003年の開業以来、大連市の通勤において重要な役割を果たしています。公開データによれば、2015年の3号線の年間旅客輸送量は3686万4900人で、1日平均16万6000人を輸送しています。しかし、これほど多くの人々が利用する交通路線で今回のような火災事故が発生したことは、安全管理面での重大な問題を浮き彫りにしました。
今回の火災に対する関心は、火災そのものだけでなく、その背後に潜む管理上の問題や制度的な欠陥にも向けられています。火災発生から公式発表、さらには関係部門の対応に至るまで、緊急対応や情報公開、安全管理において依然として多くの課題が存在していることが明らかです。特に、火災後の当局による不十分な情報公開は、社会の不信感をさらに助長する結果となりました。
あるネットユーザーが述べたように、「今回の火災は、社会全体が公共の安全に対して抱える不安を浮き彫りにした。関係部門が問題を直視し、原因を徹底的に究明し、公共施設の安全基準を向上させるための効果的な措置を講じなければ、同様の悲劇が再び繰り返されるだろう」。市民は、今回の火災原因の迅速な解明と、公共施設の安全性を高めるための具体的な対策を強く望んでいます。
こうした事故は、都市の管理体制が直面する課題を浮き彫りにしています。都市化が進む中で、公共安全をいかにして確保するかが、今後の重要な課題となるでしょう。
(翻訳・吉原木子)