土佐文旦(Ivar Leidus, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 「文旦(ぶんたん、ぼんたん)」、または「ザボン」とは、グレープフルーツにも似た爽やかな香りとすっきりとした口当たりを楽しめる柑橘系の果物です。甘味と酸味のバランスが良く、大きなサイズが特徴です。中国では通常、中秋節(9月~10月ごろ)の前に収穫され、ジューシーで甘くて美味しい文旦は秋の果物として広く好まれています。

 日本では、収穫時期は概ね12月から1月頃ですが、スーパーで並べられた文旦を見たら、どれを選ぼうかと悩むかもしれません。今回は、皮が薄く、果肉が厚く、ジューシーで甘い文旦の選び方のポイントを5つお伝えしたいと思います。

1.大きめのものを選ぶ

 食べやすさや大き過ぎて食べきれないのではと考えて、小ぶりの文旦を選ぶ人も多いかもしれません。しかし、甘くてジューシーな文旦を選ぶなら、小さいものよりも大きいものを選ぶと良いのです。より大きい文旦は、たくさんの太陽の光の恵みを受け、水分を多く含み、より成熟していることを示しているからです。このような文旦は、果肉がふっくらと充実していてとても美味しいです。もし、食べきれずに残ってしまった場合は、皮を剥かずにラップに包んで冷蔵庫で保存すれば、数日間は鮮度を保つことができます。

2.雌(メス)の文旦を選ぶ

 文旦に雄(オス)と雌(メス)の区別があることはあまり知られていないかもしれません。文旦のお尻の部分とへたの周辺部分を見れば、違いが見分けられます。お尻の部分にふくらみがあってなめらかで、へたの周辺が凹んでいれば「メス」の文旦で、一般的に成熟度が高く糖度が高いといえます。反対に、へたの周辺が出っ張っているのが「オス」の文旦で、「メス」と比べると糖度が低くなる傾向があります。ですから、文旦を選ぶときは、へたの周辺が凹んだ「メス」の文旦を選ぶとよいでしょう。

3.丸みのあるものを選ぶ

 文旦を選ぶ際、真ん丸い文旦もあれば、てっぺんがやや出っ張っているものがあることにお気づきになるかもしれません。どちらを選べばよいでしょうか? 正解は「丸みがあるもの」です。

 しかし、丸い文旦は見栄えはいいですが、皮が厚く、果肉が少ない場合があります。一方、てっぺんが尖っている文旦はその部分が全部皮になっていて、果肉がない場合があります。実は、おしりの部分がふっくらとして、だるまや水滴の形状に似ているものは、十分な水分と甘みがあるので、このような文旦を選ぶことをお勧めします。

4.重みのあるものを選ぶ

 文旦によっては、見た目は大きくても、切ってみると果肉がパサパサしていて、がっかりすることがあります。実は、文旦の水分が十分であるかどうかは「重さ」を量ってみれば確認できます。文旦を手に取って、ずっしりとした重みが感じられれば、水分が十分にあるといえます。逆に、大きくても重く感じないものは、水分が少なめである可能性があります。

5.皮が硬めのものを選ぶ

 文旦の皮の表面を指で軽く押して、もし柔らかく感じられ指の跡が残るようであれば、皮が厚く果肉が少ないことを意味しています。反対に、硬く感じれば、皮が薄く果実がしっかりと充実しているので、このような文旦を選ぶとよいでしょう。

 以上、文旦を選ぶ5つのポイントをご紹介しました。ご参考にしていただければ、きっとみずみずしくて美味しい文旦を選ぶことができるでしょう。来たる文旦の季節に、ぜひお試しください!

(翻訳・夜香木)