最近、中国国内では民衆の不満が高まりつつあり、中国共産党の打倒を呼びかける動きまで見られています。一部の人々は『全国の人民に告ぐ』という手書きの告知書を作成し、人々が集まる職業紹介所で共産党政権の打倒を呼びかけています。同様の活動はインターネットを通じて拡散し、複数の主要都市で学生を中心に活動が繰り広げられています。
最初に動き出したのは広州の職業訓練学校の学生たちで、自ら手書きのビラを作成して配布しました。その後、重慶市の高校生たちも独自に手書きのビラを配り始めました。ビラでは「職業訓練校の学生や大学生は労働者とともに立ちあがろう!」と呼びかけています。
共産党を倒して新しい生活を
中国では最近、社会への報復を背景とした悪質な事件が相次いで発生しています。その中でも、11月16日夜に江蘇省無錫市の職業訓練学校で発生した惨劇は人々に大きな衝撃を与えました。この事件では、2024年に卒業する予定の21歳の男子学生が学校内で無差別殺傷事件を起こし、8人が犠牲になりました。中国当局の発表によると、この事件の原因は、犯人が卒業証書やインターンの給料を受け取れなかったことに不満を抱いたためとされています。
中国では、専門学校や大学がインターンの名目で学生をブラック企業に就業させ、賃金の一部をキックバックとして受け取る問題が発生しています。中国のネットユーザーによると、ブラック企業でのインターンを拒んだ学生に対し、学校側が卒業証書を発行しないと脅すケースも確認されているとのことです。
この悲惨な事件を受けて、中国の人々の間では一種の目覚めが見られています。中国南部の職業紹介所では、江蘇省の事件で亡くなった8人の犠牲者を追悼する手書きの文書が拡散され、その中では「犠牲者たちを間接的に死に追いやった現行体制を打倒しよう」と訴えています。さらに、このメッセージに影響を受けた広州の職業訓練学校の学生たちは、手書きのビラを作成して配布しているとのことです。
中国のネットユーザーが11月21日に投稿した内容によると、一部の学生たちはすでに中国社会が抱える問題を認識しているとのことです。「広州の社会革命家」と名乗る一人の学生は、現在の中国社会はまるで巨大な圧力鍋のようであり、「中国共産党の支配下において、誰も逃げることはできない」とのオンライン投稿をSNSで書き込みました。
この学生は「中国共産党政権はかつて共産主義の名目で人民を搾取し、官僚たちは蓄財することができたが、今度は官僚的な資本主義を推進している。今こそ立ち上がるべきだ」と訴えました。また、全国各地でストライキやデモが続いていることや、他の地域の人々がビラを作成して発信しているのを見て、「非常に励まされた」とも述べています。
学生はまた、「私たちは次の犯罪者にはなりたくないし、政府の奴隷にもなりたくない」と述べました。この学生は学校の宿舎で友人らとビラを用意し、配布したとのことです。学生たちはビラの最後で「中国共産党を打倒し、新しい生活を始めよう」と呼びかけました。
重慶の高校生がビラ配布
11月22日、「昨日」というハンドルネームで活動するXユーザーは投稿のなかで、「1116行動隊」と自称する重慶市の高校生らによる投稿を紹介しました。高校生たちは広州の職業訓練学校の学生らによる抗議活動やビラ配布活動に刺激を受け、自らもビラの配布に乗り出したといいます。投稿には、ビラを準備する様子や、宿舎の監視カメラの死角部分でビラを掲示する様子を写した写真が添えられていました。
重慶の高校生たちは、ビラの制作と配布に際して行っている安全対策についても説明しました。まず、手書きのビラであれば、プリンターに送信する際にデータが残らないため安全性が高いとのことです。さらに、左手で字を書くことや、複数人が異なる筆跡で書くことで、筆跡認識による捜査をかわし、追跡されるリスクを減らしているとのことです。
「なぜ白紙運動のような集会を行わないのか」という疑問に対し、重慶の高校生たちは、「学校という封鎖的な環境では、ビラの配布や小さなグループによる啓発活動のほうが効果的だと考えている」と答えました。さらに「私たちの力を過小評価しないでほしい」と訴えています。
重慶の高校生たちはまた、「私たちが孤立した勇士にならないように、もっと多くの人々に立ち上がってほしい」と期待を込めて呼びかけました。「成功を追い求める必要はない。声を上げることが重要だ」と力強く訴えています。そして最後に、「私たちは敵の脅しを恐れない。私たちの声を国内外の民主主義活動家に届けたい」と締めくくりました。
「改革ではなく革命を」
中国国内の画像からは、「奴隷に甘んじず立ち上がれ、改革ではなく革命を!」と題された文章がビラに掲載されていることがわかります。その中では、江蘇省の無差別殺傷事件に触発されたビラ配布の動きは、中国共産党の独裁政治と圧迫に対抗する全国規模の運動だと位置づけられています。そして、現在最も重要なのは大衆による抗議活動であり、全ての惨事の背後にある中国共産党政権とその保護下にある悪徳資本家やブラック企業を成敗して初めて、人々の要望に答えることができると主張しました。
ビラでは「人々の要求に応える最善の方法は、立ち上がって抗争し、革命という手段で訴え続けることだ」と述べています。
文章の中では、頻発する暴力事件や無差別殺傷事件を問題視し、「資本主義化した中国共産党政権こそが直接的な原因であり、体制そのものが惨事を生み出す装置にほかならない」と批判しています。また、2年前の冬に起こった「白紙運動」の精神を再び呼び覚まし、「団結力を再構築することを私たちから始めよう」と訴えかけています。
ビラではまた、「職業訓練学校の学生や中高生、大学生は皆、労働者階級と共に立ち上がって抗争すべきだ!」と呼びかけました。そして「専制独裁政府を倒せ!ヤクザ政府を倒せ!解放万歳!社会革命万歳!」というスローガンで締めくくられています。署名には「1116行動隊」という名称が使われていました。
高まる「共産党打倒」の声
近年、中国国内外では「共産党を倒せ」という声が一段と強まっています。今年9月15日には、北京の天安門広場で黒い服を着た女性が「共産党を倒せ!私の家を返せ!」と右拳を挙げて叫ぶ様子が動画で拡散されました。また、今年1月2日には河南省商丘市寧陵県の高校で14歳の学生が死亡した事件をきっかけに、数十万人が街頭に集まり、「共産党を倒せ!習近平を倒せ!自由万歳!自由は勝つ!」と声を上げました。
海外の中国人コミュニティでも「共産党を倒せ!」の声が高まっています。今年10月1日は中国共産党政権樹立75周年に当たりますが、海外の民主活動団体は「お祝いの日ではなく悲しむ日だ。中国共産党の残虐な統治を終わらせよう!」というスローガンで活動を展開しました。これには多くの海外華人が「共産党を倒せ!共産党は退陣しろ!」と呼応しました。
(翻訳・唐木 衛)