最近、中国では感染症の状況が深刻化しており、新型コロナウイルス(COVID-19)、ノロウイルス、デング熱など複数のウイルスが同時に拡大しています。一部地域では学校が封鎖される事態にまで発展しました。また、各地の病院は患者で溢れ、患者の年齢層は広く複雑な症状を訴えており、社会的な注目を集めています。その一方で、多くの市民が突然死のケースが増加していると指摘しており、当局はこれらの多くが他の病気として分類され、新型コロナウイルスに関する明確な言及がないことから、不安や疑念が広がっています。

 中国疾病予防管理センターが11月11日に発表した報告によると、10月の中国本土における新規感染者数は4,545人に達しており、主にオミクロン株のXDV系列やJN.1系列が確認されています。しかし、公式発表のデータに対しては過少報告ではないかという疑問が多く寄せられています。同時に、ノロウイルスやデング熱も全国で拡大しており、湖北省のネットユーザーは「家族6人中5人がノロウイルスに感染し、下痢や嘔吐で苦しんでいます」と述べています。広東省仏山市ではデング熱患者が増加し、病院の病床が満床になる事態が発生しています。

 最近、北京市の首都小児研究所附属児童病院の混雑状況を映した動画が公開され、病院内は夜間でも点滴治療を受ける子どもたちで溢れかえっています。同様の状況は天津市、甘粛省、浙江省、雲南省など他の地域でも見られ、小児科外来の患者数が倍増しているため、診察を受けるには長時間の待ち時間が必要とされています。

 SNS上では多くの親が子どもの病状を投稿しており、繰り返す発熱や咳が短期間で肺炎に進行し、治療や薬の効果が見られないと訴えています。特に北京市内の病院では、病室が治療を受ける患者で満杯となり、多くの学校で病気を理由に休む生徒が増加しています。ある北京市民は「子どもがわずか2日間で普通の風邪から肺炎に進行し、幼稚園を退園せざるを得なかった」と述べています。

 北京以外の地域でも、河北省、河南省、陝西省、江蘇省、浙江省など各地の病院が患者で溢れかえり、重症例や肺が白くなる症状(白肺)が頻発しているとの報告があります。感染拡大のピーク時には、山西省の一部学校で封鎖措置が取られる事態も発生しました。地元のネットユーザーは「学校が2日間封鎖されました。感染症はまだ終わらないのでしょうか?」と述べています。

 一方で、多くの医師は、子どもたちの症状の主な原因としてマイコプラズマ肺炎を挙げていますが、市民の間では新型コロナウイルスの再流行ではないかという疑念が広がっています。また、小児科だけでなく成人患者も急増しており、深刻な合併症や突然死のケースが増えています。複数の地域で、市民が「周囲で繰り返し感染するケースが多い」とメディアに対して明かしています。

 河北省保定市の住民は「最近、多くの人が発熱、鼻水、咳の症状を示している」と述べ、自身も数日間鼻詰まりに苦しんでいると話しています。また、北京市民の間では「咳の症状が異常に長引き、薬を服用しても1カ月以上続く」といった声が広がっています。さらに、市民の一人は、友人が心筋梗塞で突然亡くなったと語り、その友人は健康だったにもかかわらず60代で命を落としたと述べました。

 江蘇省塩城市の村民は「10月以降、地域で10人以上が亡くなり、年末までに死亡者数が過去最高になる可能性がある」と述べています。陝西省西安市の住民も「入院患者が急増し、心筋梗塞や脳梗塞などの症状を訴えるケースが多い」と話しています。

 特に懸念されるのは、突然死の原因が過労、飲酒、急激な気温低下といった外部要因に関連していることです。一度血管が詰まったり破裂したりすると、救命が間に合わないケースが多く、一部のネットユーザーは「今年に入ってから毎月若者が心筋梗塞や脳梗塞で亡くなっている」と投稿しています。また、ウイルスが直接膵臓を攻撃しているとの報告もありますが、関連情報が封鎖されており、真実を知るのは困難です。このような不確実な状況に置かれた社会では、多くの人々が強い不安を感じています。

 現在の複雑な感染状況の中で、病気の実際の広がりと当局の発表する情報との間に乖離があることが大きな懸念となっています。小児科病院の過剰な負担や突然死の急増は、感染対策が直面する課題の深刻さを浮き彫りにしています。

(翻訳・吉原木子)