近年、中国ではさまざまな異常現象が頻繁に発生しており、最近では、河北省や内モンゴル自治区で相次いで珍しい気候の異常が確認され、大きな注目を集めています。

 中国北部の多くの地域ではすでに冬に入っていますが、河北省衡水市や内モンゴル自治区通遼市では季節外れの現象が次々と発生しています。11月21日、河北省衡水市では広大な田畑で菜の花が冬の寒さの中で咲き誇り、その鮮やかな色彩が冬の寂しい景色と対照的な光景を作り出しました。その前日である11月20日には、内モンゴル自治区通遼市で異常な気候現象が観測されました。本来であれば落葉する季節に、大木が再び芽を吹き、木の下には緑色の草の芽が生え始めたのです。動画を撮影したネットユーザーは、「この木、芽が出たの?どうして緑になってるの?」と驚きを語っています。

 同じ頃、フフホト市の環城水系濱河公園では、冬に桃の花が咲くという季節外れの現象も発生しました。この現象について、フフホト市気象局の担当者である張志杰氏は次のように説明しています。通常、桃の木は秋に徐々に休眠状態に入り、冬の低温を経て花芽が分化し、翌年の春に開花するのが自然のサイクルです。しかし、今年は気温の異常により、一部の桃の木は休眠せず、直接開花しました。その結果、冬に「季節外れの桃の花」が咲くことになったのです。

 さらに、気候の異常現象は黒竜江省ハルビン市でも見られました。動画によると、2024年11月20日の松花江では依然として水が流れており、前年同日の凍結した状態とは対照的な姿を見せていました。撮影者によると、2023年の11月20日にはすでに松花江が完全に凍結していたのに対し、今年は全く氷が張る気配がありません。

 これらの異常現象は、SNS上で多くの議論を呼んでいます。多くのネットユーザーが「今年の気候異常は確かに不安を感じる。花が季節外れに咲くのは縁起が良いとは言えない」とコメントしています。また、『紅楼夢』のエピソードを引用するユーザーもおり、「賈府(賈家、注1)の海棠の花が早く咲き、それから間もなく家が没落した話を思い出した。小説の中の出来事が現実に起きているようで、考えるだけでぞっとする」と述べています。

注1:賈家:紅楼夢の中の上流階級の賈氏一族のことです。

(翻訳・吉原木子)