2019年8月31日、香港の「反送中」パレード(イメージ:看中国/龐大衛)

 多くの香港メディアが「2月28日の朝、黎智英(ジミー・ライ)氏・楊森氏・李卓人氏の3人が香港警察に連行され取り調べを受けた」と伝えた。

 黎智英は自宅で逮捕され、楊森と李卓人もそれぞれ香港警察に連行され取り調べを受けた。3人は違法集会に参加した容疑で起訴されたが、2月29日正午に保釈されて警察署を出た。しかし、5月5日には法廷で審理される予定だ。

 黎智英氏は香港の「反送中」運動を支持する壱伝媒(ネクスト・デジタル・リミテッド)及び蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者であり、楊森氏はかつて民主党主席を務め、その後も民主主義の強化を支持する汎民陣営の中心的な役割を果たしている。李卓人(Lee Cheuk-yan)氏は1989年から民主活動に参加しており、1989年の中国民主化運動の際には北京に行って学生を支援し、一時は中国共産党政権に逮捕されていた。

 米国務省は2月29日、香港政府が政治的要因によって選択的に法を執行しないことを期待していると表明し、他2人の米上院議員も香港政府と中国政府のこの度の行動を非難した。

 ニューヨークタイムズも「この予想外に大袈裟な逮捕劇は活動家らの自宅で行われ、香港が新型コロナの感染拡大の抑制に努力している最中に、このことが人々の恐怖と当局に対する不信感をさらに悪化させた。昨年、数ヵ月間続いた反送中デモで揺れたこの都市をさらに揺さぶった」と伝えた。

 2月28日、台湾の大陸委員会も書面による報道発表で「香港基本法による“集会やデモなどの自由の保障”を香港政府に実装させるべきであり、防疫を優先するべきである」と呼びかけた。

 蘋果日報創業者である黎智英氏は、メディアのインタビューで、「中国共産党は我々の自由を奪いたい。あなたは自由を失って、更に全てを失うだろう。中国共産党は、我々には肉体があるだけで魂が無く、政治や人権や法律の事を考えないで、ただ金を稼いで腹いっぱい食べていれば良いのだと思っている。我々は人間であって、けして畜生ではない!私は身を挺して香港のために戦うことを望む。これは私の生命の意義です!」と語った。

(翻訳・柳生和樹)