中国共産党の厳しい統制下で、民間の怒りが高まり、社会的不安が深刻化しており、集団抗議が頻発しています。統計によると、今年10月だけで中国では少なくとも237件の集団抗議が発生し、1日平均8件に上ります。抗議者は労働者、農民、住民、学生など多岐にわたり、一部の抗議活動は中国当局によって弾圧され、外部に伝わる情報はごくわずかに過ぎません。

 Xユーザー「昨天」は11月14日、2024年10月に中国で多数の集団抗議が発生したと報告しました。百人以上が参加した住民の抗議は125件、患者や学生、労働者の死亡に伴う遺族の抗議活動は40件、教育機関や幼稚園、フィットネスジム、美容センター、リフォーム会社などによる資金持ち逃げ事件に関連する抗議が19件、金融商品の破綻による投資家の抗議が16件、百人以上の製造業労働者によるストライキが13件に上ります。

 さらに、警察の弾圧を受けた農民による抗議は7件、清掃作業員のストライキも7件、百人以上の建設作業員による賃金請求が4件、保護者の集団抗議が4件、学生の抗議が1件、露天商と都市管理当局の衝突が1件発生しています。

 注目すべき点として、これらの抗議事件のうち26件が警察の弾圧を受け、抗議者が政府を包囲したり、警察車両を拘束したりして、逮捕された仲間を救出する場面も見られました。湖南省長沙市の住民は、釈放された抗議者に盛大な歓迎会を開きました。

 10月に発生した7件の清掃作業員によるストライキのうち、河南省許昌市の清掃作業員は、未払い賃金を理由に10月23日に抗議活動を行い、ゴミ収集車や人垣で交通を遮断しました。彼らの月給はわずか900元(約1.9万円)で、17か月間も未払いの状態が続いているとされます。同様に、広東省肇慶市、河南省開封市、広西省玉林市などでも未払いによるストライキが発生しています。

 また、10月に警察の鎮圧を受けた事件の中には、TCL中環グループの天津市と江蘇省の子会社で大規模な労働者のストライキが発生し、間接的な解雇への抗議を行った労働者が逮捕されました。さらに、湖北省漢川市のボラント服装有限公司では、数百人の労働者が連日賃金を求めて抗議デモを行い、警察により弾圧されました。上海や浙江省杭州市でのハロウィーンイベントも当局に厳重に取り締まられ、多くの参加者が拘束されました。

 中国の抗議活動には若年層の参加も見られます。10月18日、山東省鄒城(すうじょう)市の鄒城一中で、千人を超える学生が学校側に対して抗議デモを行い、週末の休暇を削減する決定に反対しました。学生によると、運動会が日曜日に開催されることで、もともと1.5日あった休暇がわずか6時間に短縮されたため、集団で学校側の決定に抗議したということです。

 最近、中国の人々は権利を守るための抗議活動を次々と行い、集団的な抗議がさらに増加しています。ネット上では、11月12日に広西省欽州市の住民が政府による強制的な土地開発に抗議し、警察と激しく衝突したと報じられました。動画によると、現場では双方が入り乱れ、棒が鳴り響く様子が映し出されています。8月5日にも欽州市の住民が同様に土地開発に反対し、暴力的な弾圧により複数の村民が負傷し、病院に搬送されたことがありました。

 11月9日、四川省大竹県の大竹中学では、生徒への厳格な管理が不満を引き起こし、昼食時間がわずか40分で、午後の校外への外出を禁止する規則に反対して、生徒たちが抗議を行いました。生徒たちは紙に「戦いに立ち上がろう、大竹の学生たち、専制統治に反対せよ!」と書き、抗議の意思を示しました。

 11月7日、四川省南充市嘉陵区では、数千人のタクシー運転手が高額な手数料のために、利益が出ないことを理由にストライキを行い、集団で運行を停止しました。ある運転手は、「毎月会社に6225元(約13.5万円)を支払わなければならないが、現在タクシーの仕事はなく、日々の稼ぎが300元(約6500円)しかない」と訴え、手数料の引き下げと完全保険の加入を求めました。

 米国の人権擁護団体「フリーダムハウス」(Freedom House)が発表した報告書によると、今年第2四半期には中国での抗議活動が18%増加し、805件に達しました。その大半は経済問題に関連し、労働問題が44%、住宅所有者の抗議が21%を占めています。

 時事評論家の何良懋氏は、「中国での抗議活動の大部分は経済的利益に関するもので、労働問題が44%、住宅問題が21%を占め、全体の65%に達している。これらの抗議は人々の切実な生活ニーズを反映している」と述べました。

 中国中央党校の元教授である蔡霞氏は今年1月、ラジオ・フリー・アジアで「中国において非暴力的な抗議活動は民衆が権威主義に対抗するための最も基本的な手段となりつつあり、その社会的影響力はますます大きくなっている」と述べています。蔡氏は、非暴力的な抗議活動が現在の体制に対する主要な反抗手段であり、中国の平和的な政治改革と民主化の実現にとって非常に重要な役割を果たすと考えています。

(翻訳・吉原木子)