最近、黒竜江省訥河市で新農合農村資金互助社が資金危機に陥り、数百人の預金者が省の巡回視察団の宿泊先を包囲し、預金返還を要求しました。地元当局は即座に警察を派遣し、現場で激しい衝突が発生しました。
「大紀元」の報道によれば、中国における農村資金互助社(資金合作社)は、中国の銀行業監督管理機関の承認を受けて設立されたもので、郷(鎮)や行政村の農民、小規模農村企業が自発的に出資して組織された、地域コミュニティ向けの助け合い型金融機関であり、独立した法人格を有しています。
中国メディア「奔流新聞」によると、訥河市の新農合農村資金互助社は10年以上にわたり営業を続けてきた金融機関です。設立当初は、村落に広報活動を行い、高利率を約束して預金を集めていました。預金者の数は1,000人を超え、預金額は数千元から数百万元に上ります。
近年、利息は若干下がったものの、預金の支払いや引き出しは常に正常に行われていました。しかし、10月30日になって預金者たちは、この互助社が突然営業を停止し、預金が引き出せなくなっていることに気付きました。
情報筋によると、今回の資金危機に関連する金額は数億元に達し、被害者数は約2,000人に上るとされています。被害者の大半は農村部の高齢者で、預金は主に彼らが倹約しながら貯めた老後資金でした。
ネットユーザーが投稿した動画によると、11月1日、数百人の預金者が訥河賓館に集まり、巡回視察団の滞在施設で新農合農村資金互助社に対し預金返還を要求しました。現場には地元政府が警察を派遣し、激しい対立が発生しました。
近年、中国の農村金融機関では汚職や資金持ち逃げ事件が相次いでいます。2022年4月18日には、河南省の4つの村鎮銀行が予告なしにオンラインの出金および振込サービスを同時に停止し、多くの預金者が預金を引き出せなくなりました。この事件は約40万人の銀行利用者に影響を及ぼし、関係金額は400億元に達したとされています。
(翻訳・吉原木子)