中国・上海では毎年この時期にハロウィンのコスプレイベントが開催されますが、今年は当局の厳しい取り締まりを受け、弾圧されました。ハロウィンが近づくにつれ、上海の街は不穏な空気が漂っています。現在、巨鹿路沿いには多くの警察が警備に当たり、コスプレイヤーの外出を禁じています。情報筋によると、コスプレイヤーを発見次第、警察が無理やり衣装を脱がせるとのことです。10月26日、上海の中山公園で行われたハロウィンイベントでは、誰かが「自由だ!」と叫び、これが共鳴を呼びました。その後、多くのコスプレイヤーが警察に連行されました。
10月25日以降、上海当局はハロウィン関連の活動に対する取締りを一段と強化し、昨年の集まり場所だった巨鹿路では厳戒態勢が敷かれ、コスプレイヤーを逮捕し、通行人の荷物もチェックされました。当局の強硬な対応にもかかわらず、この行動は逆に若者たちの反発を招き、彼らは表現の自由を守るために行動を続けました。10月26日には、上海の若者たちは中山公園や大悦城に移動して、ハロウィンを祝いました。
Xに投稿された複数の動画によると、10月26日の上海中山公園のハロウィンイベントで、人々の中から「自由だ!」という叫び声が上がり、その後、その人物は警察に連行されました。動画には、人々で溢れる現場の様子が映っており、一人の女性が「自由だ!」と叫んで、多くの人々の共感を呼びました。その後、警察は通報を受けて、2人の女性をパトカーに連行しました。その中で、黒いドレスを着た女性がパトカーに乗る直前、群衆に手を振る様子も記録されていました。
動画のコメント欄には、多くのネットユーザーが「自由」という言葉を追記し、「自由って素晴らしい」、「自由の女神」、「自由は罪じゃない」、「若者よ、頑張れ」といったコメントが寄せられました。現在、上海の若者たちは当局の警告を無視し、規模を拡大してハロウィン活動に参加しています。あるネットユーザーは「独裁政府が最も恐れるのは、人々が集まることだ」と指摘しています。
また、今年の上海のハロウィンに対し、当局は強い危機感を抱いており、警察は市民を逮捕し、追い払うだけでなく、音響機器なども押収しているとの情報があります。これに対応するため、中山公園は27日の午後2時に予定より早く閉園されました。あるコスプレイヤーは「警察にメイクを落とされ、脅されたが、なんとか逃げ切れた」と話しています。
ネット上に出回っている動画によると、中山路では多くの警察や警備員が警戒しており、見物客を追い払っていました。一人の若者が警察に対し、「なんで僕を掴むんですか?」と問いただすシーンもありました。多くのコスプレイヤーが連行されましたが、群衆を前にして警察は明らかに手を焼いている様子が伺えました。
上海市黄浦区の住民である馬さんは10月18日、自由アジア放送に対し、「多くの若者がコスプレを楽しんでいるが、上海当局は既に蝙蝠や骸骨など、見た目が恐ろしいキャラクターの扮装を禁止する通知を出している。最初は警告するが、それでも従わない場合は強制的に対処する」と話しました。彼女はさらに、「現在、イデオロギーに関する管理がますます厳しくなっているが、若者は反抗的な性格を持っているため、抑え込もうとすればするほど、挑戦したくなるのだ」と述べました。
ハロウィン期間中の大量のコスプレイヤーの逮捕に対し、あるネットユーザーは「中共当局に問いたい。子供が行方不明になっても探さず、臓器摘出の犯人を捕まえず、汚職官僚を取り締まることもできない。なのにただ市民をいじめるばかりだ。恥ずかしくないのか?ああ、そうだ、お前ら自体が悪事を働いているからな!」と激怒しています。
さらに別のネットユーザーは「自由!若者たちがついに声を上げた。素晴らしい!」、「中国人は本当に不幸だ。貧しさに苦しみ、空腹で、言論の自由も思想の自由もない。イデオロギーの強制洗脳が本当に心痛い」、「自由、それは社会主義の核心的価値観の一つではないか?なぜ政府はそれを街に掲げることができて、私たちは叫ぶことすら許されないのか?」、「『自由』を叫んだだけで警察に連行される、こんな国が他にあるだろうか?」といったコメントを残しています。
当局がハロウィンをこれほどまでに恐れる理由について、ある分析によれば、昨年のハロウィンでは、上海の若者がロックダウン中に防護服姿で医療従事者やボランティアを模した「大白」や、韭菜を持つ株式市場の「個人投資家」、ダンスを踊る「プーさん」などのキャラクターに扮して、中国の現状を風刺したといいます。また、「白紙革命」で「打倒、習近平政権!」や「打倒、中国共産党」を叫んだ抗議者を記念して、体に白紙を貼った人々もいました。彼らはこうした手段で中国共産党の独裁政権に対する不満を表現していたのです。
現在の中国政府は内外で多くの困難に直面しています。外交面では、複数の国々から圧力と抵抗を受け、国内では経済が低迷し、失業率も依然として高いままです。このような状況下で、政府が人々の集まりを恐れるのは当然であり、何か突発的な事件が起これば迅速に対処することが困難だからです。しかし、たった一つの祝日をこれほど恐れる政府の姿は、その脆弱さを露呈しています。上海のハロウィンにおける抗議活動は、中国社会が徐々に覚醒しつつあることを示しており、ますます多くの若者が中共に対抗する動きに加わっていることは無視できません。
(翻訳・吉原木子)