近年、中国では銀行預金が消失する事件が複数発生しています。山東省淄博市に住む女性は、長年にわたり齊商銀行に40万元以上を預けていましたが、最近になって引き出そうとした際、預金が全て消えていることに気づいたといいます。取引明細を確認したところ、いくつかの異常が見つかりました。

 中国メディア「極目新聞」によると、この女性、斉さんは長年にわたり齊商銀行に40万元以上の貯金を預けていたものの、引き出そうとした際、口座残高がゼロであることに衝撃を受けたとのことです。過去4年間の取引明細を確認したところ、彼女が銀行の窓口で預けたすべての金額が、彼女の知らない間に誰かに引き出されていたことが判明しました。

 斉さんは長期間にわたり齊商銀行を信頼して多額の貯蓄を預けてきましたが、このような事態に直面し、非常にショックを受けました。何度も銀行に問い合わせを行いましたが、解決しなかったため、自身の体験をインターネット上で公開し、助けを求めることにしました。

 10月22日の午後、記者が預金者の立場で齊商銀行淄博支店に電話をかけ、この件について問い合わせました。銀行の職員は、斉さんが他人にキャッシュカードや暗証番号などの情報を漏らした可能性があり、その結果、預金が引き出されたと説明しましたが、詳細については本店に確認する必要があると述べました。

 多くの人々は、銀行預金は最も安全で信頼性の高い資産運用の手段の一つであるべきだと考えていますが、この事件は銀行への信頼を大きく損ねることになりました。一部の人々は、近年同様の預金消失事件が多発していることを指摘し、金融機関としての銀行は預金者の資産の安全を守る責任を果たすべきだと主張しています。そうでなければ、銀行の信用とイメージが著しく損なわれることになるでしょう。

 極目新聞の評論家である呉双建氏は、ATMで実物のカードを使用せずに現金を引き出せるシステムは、預金者にとって利便性がある一方で、リスクも増大すると指摘しました。同氏はまた、銀行は利便性と安全性のバランスを取る必要があり、慎重な選択が求められます。最終的に、信頼は銀行運営の基盤であり、預金者の利益を守ることは、銀行自身の信用を守ることにも繋がると強調しました。

(翻訳・吉原木子)