中国河北省唐山市、福建省厦門市、遼寧省盤錦市、江蘇省塩城市、天津市など、多くの地域で最近、海水の逆流現象が相次いで発生しています。『中国気象報』によると、21日、福建省、遼寧省、河北省、江蘇省、天津市など、複数の沿岸地域で大規模な海水逆流が確認されました。

 中国メディア『新京報』の報道によれば、河北省唐山市の埠頭では、21日未明に数十年に一度の大潮が発生し、埠頭全体が水没、住民の家にも水が押し寄せました。

 ネット上で拡散された動画には、海水が近隣の住民の家に流れ込む様子が映し出されています。地元の住民によると、海水は午前2〜3時頃に満潮となり、埠頭全体が水に浸かり、停めてあった車両も水没してしまったとのことです。複数の地元の住民は、過去30年間でこれほどの大潮は見たことがないと語っています。

 唐山市政府の広報によれば、この大潮は数十年ぶりの規模であり、現在、経済的損失の調査が進められています。

 河北省秦皇島市も同様の脅威に直面しています。『河北新聞網』の報道では、秦皇島市は豪雨と強風の影響で海面が上昇し、海水が沿岸部の町に逆流、漁業や農業に深刻な被害をもたらし、多くの農地が水没しました。

 遼寧省の沿岸部も深刻な被害を受けています。21日、遼寧省盤錦市では海水逆流が発生し、一部の道路が浸水、低地にある住宅も浸水被害を受けました。盤錦市海事局の職員によると、この海水逆流は非常に突然で、多くの人が対応に追われたといいます。

 ネットで拡散された動画には、道路が川のようになり、車が水の中を走行する様子が映っていました。動画を撮影した女性は、「早く起きて!海水が逆流した!二界溝が洪水になっている!部屋中が水浸しで、あっという間に水が押し寄せてきた!」と緊迫した声で話していました。

 天津市もまた被害を免れることができませんでした。地元メディアによると、激しい降雨によって天津の沿岸地域では海水が逆流し、市内の一部地域が水没、特に浜海新区では水位が急速に上昇し、道路の通行が不能になり、住宅地では停電が発生しました。市政府は大型の排水設備を配備し、水位の低下を試みました。

 江蘇省塩城や南通でも同様の災害が発生しました。『江蘇日報』によると、地元の河川の水位が急上昇し、海水が一部の村に逆流、家屋が浸水しました。また、中国の公式メディアによると、福建省厦門市でも海水逆流が確認されています。

 多くの地域で同時に海水逆流が発生したことにより、広範な関心と議論が巻き起こっています。中国の公式メディアは、専門家の意見として「今回の現象は、風暴潮(暴風による高潮)と天文潮が重なり、潮位が異常に上昇した結果、海水逆流が発生した」と伝えています。

 しかし、多くのネットユーザーはこの説明に疑問を持っています。一部のネットユーザーはSNSで、「今年の怪奇現象はやけに多い」、「多くの地域で同時に海水逆流が発生するなんて、偶然とは思えない。これは天災なのか、人災なのか?」、「福建から東北沿岸まで、同時に海水逆流が発生するなんて、前代未聞の出来事だ。大災害が迫っているような気がする」とコメントしています。

(翻訳・吉原木子)