中国の株式市場は急騰を経験した後、突然大暴落し、多くの新しい投資家が損失を被り、資産を失いました。彼らはネット上で苦しみを訴え、長年の蓄えが数日で消えてしまい、泣くに泣けないと嘆いています。
中国の10月の大型連休明け、8日に株式市場は一時的にストップ高を記録しましたが、その後すぐに大暴落が始まりました。その後も9日、11日と下落傾向は続きました。11日、上海総合指数は2.55%下落し、3300ポイントを割り込みました。深セン成分指数は約4%下落しました。
その前の9月24日、中国当局は株式市場と不動産市場に向けた予想外の刺激策を打ち出し、さらに政治局会議でも支持を得たことで、株式市場は急騰しました。この時、中国のSNSには、多くのインフルエンサーが中国にこれまでにない強気相場が訪れると煽り、みんなに急いで株式市場に参入するよう呼びかけました。中国メディアの報道によれば、推定300万人の新規投資家が口座を開設し、市場に参入しました。しかし、この急落によって、多くの個人投資家や新規投資家が大損し、彼らはSNSで悲惨な状況を訴え、他の人々に騙されないように警告しました。
この一連の人為的な強気相場に対して、多くの投資家が怒りを示し、政府が庶民のわずかな蓄えさえも騙し取ろうとしていると批判しています。
また、一部の専門家は、この株式市場の上昇の背後にある真の理由を解説しています。「本当の理由は、膨大な債務、特に不動産関連の債務です。しかし、住民は銀行に300万億元の預金を持っており、これをどうやって債務返済に使うか?その方法は、株式市場を急騰させ、銀行の資金を株式市場に追いやり、金融企業や一部の企業が高値で現金化して債務を返済し、最終的に個人投資家に負担させることです」
経済分野のクリエイターである「玉辞心」氏は、今回の株式市場の動きを分析し、この相場の最大の失策は、10月8日のストップ高近くでの開場であったと指摘しています。彼は「その日は3.4兆元の買い注文があり、ほぼすべてが高値で買われました。彼らのコストは非常に高く、これが塩漬けになると、皆が先を争って損切りや市場からの撤退を図るでしょう。この規模は想像を絶します」と述べています。
従来、中国の株式市場で利益を得ていたのは主に大企業、銀行、国有企業でしたが、損失を被るのは常に庶民でした。しかし、今回は状況が少し違います。多くの00後(2000年以降に生まれた若者)が市場に参入し、彼らの多くは大学を卒業したばかりで、ほとんど貯金がありません。そして、高失業率の背景下、仕事を見つけることができず、やむを得ず「躺平」生活を選んでいる若者が多いのです。
そんな時、中国株式市場に人為的な強気相場が現れ、多くの人々がこの機会を利用して一攫千金を狙い、株式投資を通じて生活のプレッシャーを軽減しようとしました。特に、人生のどん底にいる若者たちは、一か八かで株式市場に未来を賭けることにしました。資金を調達するために、多くの若者が銀行から借金をしています。これらの00後は、資産も担保も持っておらず、株式市場に入る前から、もし今回儲けることができたら元本を返済し、利益は自分のものにしようと考えています。もし損をしたら、自分には返済能力がないので返済しないつもりです。
これらの動画は、現在の00後の一般的な心境を反映しています。彼らは、うまく生活できるに越したことはないが、うまくいかなくても問題ないと考えています。どうせ希望が見えない人生のどん底にいるので、もう恐れるものは何もないのです。もし大規模な債務不履行が発生した場合、今回の株式市場の暴落で、中国の個人投資家が巨額の損失を被るだけでなく、中国の銀行も大量の不良債権に直面することになり、すでに崩壊寸前の中国経済がさらに混乱することになるでしょう。
(翻訳・吉原木子)