10月1日は中国共産党(以下、中共)が政権を握った日であり、公式には「国慶節」とされています。しかし、多くの海外華人や中国国内の一部の人々は、この日を祝うべき日ではないと考えています。むしろ、彼らはこの日を「国殤日」と見なし、苦しみと圧政の象徴としています。今年の10月1日、中国民主党カナダ委員会の数十名の党員、チベット人団体、そして支持者たちは、トロントの中国領事館前で「国殤日」を記念する抗議集会を行い、各民族や団体が中共の暴政に抵抗するために団結するよう呼びかけました。集会では、参加者が力強い声で「中国は中共のものではない!」と訴えました。

 中国民主党カナダ委員会の主席、余厚強氏は「看中国」のインタビューに対し、次のように述べました。「今日は10月1日、かつては『国慶』と呼ばれていた日ですが、今やこれは国殇日だと私たちは理解しています。75年前、独裁者が立ち上がり、全国民がひざまずいた日です。中国は本当の国家ではなく、一つの派閥が支配する体系に過ぎません。五星紅旗が象徴するのは国民ではなく、党の旗です。」

 さらに余氏は、「独裁政権は必ず崩壊すると歴史が何度も証明しました。多くの中国人が目覚め、国際社会からの外圧が加わる中で、中共の崩壊はただの時間の問題です。中国人が立ち上がるとき、中共の政権は崩れるでしょう。私たちは最初に立ち上がった者であり、より多くの中国人が立ち上がることを望んでいます」と述べました。

 新たに中国民主党に加入した邱蘭氏は、「今日ここに立っているのは、形式的な抗議のためではなく、心の底から訴えたいのです。中国は中共のものではありません!そして、中国人民も世界中の自由を愛し、平和を求める全ての人々と同じように、自由、民主、そして尊厳を渇望しているのです。今日の集会は沈黙や妥協のためではなく、この世界に勇敢に伝えるためです。私たちはこのような支配をこれ以上耐えません!」と力強く語りました。

 中国民主党の党員、曲燕氏は「看中国」に対し、「現在の中国は混乱状態であり、経済は低迷し、人々は生計が成り立たず、希望が見えません。多くの能力のある人々は中国から脱出しており、私もこの自由の国、カナダを選びました。ここでは、国内で声を上げることができない人々のために自由に発言できるのです」と述べました。

 広東省珠海市出身の傅偉舟氏は、ネット上でいわゆる「不適切な発言」をしたことが原因で国安(国家安全部)から嫌がらせと脅迫を受け、最終的には今年8月に子供を連れて中国を離れることを余儀なくされました。彼は「中共政権は民主と自由とは程遠いものであり、10月1日は共産党の祝日であって、一般市民とは無関係であり、むしろ悲しみの日の象徴です。近年、中国経済の崩壊と社会的矛盾の激化に伴い、官民間の衝突がますます深刻化しています。最近報道された複数の『官僚殺害事件』は、経済低迷による市民の不満と矛盾の深まりを反映しています。私は、いつか本当の自由と民主主義が訪れることを願っています」と語りました。

 集会において、チベット人学生組織トロント支部の主席、Nawang Garzey氏も発言しました。彼女は「チベット人が直面している最大の問題は、植民地主義的な寄宿学校です。子供たちは家族を離れ、標準中国語を話すことを強制され、徐々に自分たちの言語やアイデンティティを忘れていくのです。チベット文化は抹消されつつあります。さらに、中共によるチベットの生態系への破壊も非常に深刻で、ダムの建設により何万人ものチベット人が家を失っています」と語りました。

 彼女はさらに「私の最大の願いは、もっと多くの人々が立ち上がることです。今日の抗議には35名のチベット人が参加しており、その中には赤ちゃんを抱いた母親や80歳を超える高齢者もいます。これが私に大きな希望を与えてくれました。私たちが希望を失わず、同じ志を持つ仲間と協力し続ければ、必ず勝利を収めることができると信じています。希望と団結が私たちの最大の力です」と述べました。

 この日の集会は、中共の独裁統治への抗議だけでなく、抑圧の下で自由を奪われた中国人や少数民族のためにも行われました。中国民主党の党員である劉岩氏は次のように発言しました。「私たちはここで自分たちの自由と尊厳を求めているだけでなく、中共の独裁により、自由を奪われ、生活権を剥奪されたすべての人々のためにも訴えています。」

 彼はマーティン・ルーサー・キングの有名な言葉「私には夢がある」を引用し「私には、独裁政権のない世界、共産党の専制支配のない未来があると夢見ています。それは人民に属する国家であり、私たちは思想や言論が検閲されることを心配せず、異議を唱えることで自由を奪われることもありません」と語りました。劉岩氏は、中共の独裁統治が人民の自由を奪い、その支配は彼ら自身の利益のためだけであり、最終的に苦しむのは常に一般市民であると述べ、「私たちは独裁に屈することを拒否します!私たちは最後まで戦い続けます!」と強調しました。

 中共の暴政を非難するだけでなく、集会では民族と文化を超えた団結の重要性も強調されました。中共の支配下で、漢族だけでなく、ウイグル族、チベット族、モンゴル族などの少数民族も深刻な抑圧に直面しています。

 邱蘭氏は、民族や文化の違いを超えて団結し、暴政を終わらせ、中国人民に自由を取り戻すために戦うことを呼びかけました。

 中国民主党の党員である廖燁氏も、団結の重要性を強調し、次のように述べました。「中共は『民族団結』という名目で、実際には少数民族を搾取し、抑圧しています。彼らは民族間の対立を利用して、政権を強化しているのです。私たちは団結して、この暴政に立ち向かわなければなりません。」

 廖燁氏はさらに、国際社会に対して、中共の人権侵害に対する制裁を求め、中共の行為に対して沈黙しないよう訴えました。

 中国民主党の党員である易伯陽氏は、彼がかつて経済活動を行っていた際、中共による経済的な圧迫に直面したことを語り、国際社会に対し、中共が経済と個人の自由に対して行っている侵害を軽視しないよう警告しました。「中共が排除されなければ、世界に平和は訪れません!」と彼は訴えました。

(翻訳・吉原木子)