山東大学34歳の若手科学者が急死

 中国の著名な若手科学者で、山東大学エネルギー・電力工程学院の教授、博士課程の指導教官であった李海増(リ・ハイゾン)氏が、2024年8月29日に突発的な心筋梗塞により青島市で逝去し、享年34歳でしたと、広東省所属の国有メディア「南方報業伝媒集団」傘下の南方網が報じました。

 公開情報によると、李海増教授は青島科技大学を卒業し、2021年3月に山東大学に入職し、凝縮系物理と工学熱物理を研究していました。また、彼は山東省の第1回海外優秀青年プログラムの受賞者であり、国際的なトップ学術誌から多くの賞を受賞しています。過去5年間、彼が国際学術誌に発表した複数の論文は、専門家の間で広く引用されてきました。さらに、3つの中国特許と1つの米国特許を取得していました。

 しかし、李海増氏の訃報は、ネットユーザーから疑問の声が上がりました。ネットイース(網易)のアカウント「凯旋学長」が9月8日、「李海増は明らかに8月29日に亡くなったのに、なぜこのニュースは9月8日まで公表されなかったのだろう?」と投稿しました。李海増氏のように学術界で影響力のある重鎮教授の訃報は、本来であれば所属する山東大学から即座に発表されるべきものでした。しかし、李海増氏の死去は山東大学からではなく、澎湃新聞の記者が李海増氏の親族から知ったものだと言います。「これは本当に不可解なことだ」との声が上がっており、多くの人々が「なぜ山東大学は李海増教授の死去をすぐに公表しなかったのか? 情報伝達のミスなのか? それとも他に知られていない事情があるのか?」という疑問を抱いています。

中国の中堅・若手研究者が次々と急逝 原因は不明

 中国の複数のメディアによると、最近、中国の中堅・若手研究者たちが相次いで急死しており、いずれも50歳未満のエリート学者で、死因については詳細な説明がなく、「病気のため治療の甲斐なく亡くなった」とだけ伝えられています。

 2024年9月3日には、南京大学教育研究院・学校心理教育研究所所長の費俊峰(フェイ・ジュンフォン)准教授が、病気のため治療の甲斐なく、南京で死去しました。享年50歳でした。

 2024年9月1日には、復旦大学附属小児病院感染・伝染肝病科副主任医師であり、修士課程の指導教官である庫爾班江・阿布都西庫爾(クルバンジャン・アブドゥシクル)氏が自宅で突発的な病気により亡くなりました。享年47歳でした。

 2024年8月21日には、社会学者で北京社会科学院社会学研究所の助理研究員である劉陽(リウ・ヤン)博士が病気のため治療の甲斐なく、北京で亡くなりました。享年44歳でした。

 2024年8月21日には、上海理工大学マルクス主義学院の准教授の王煜焜(ワン・ユーコン)博士が病気のため治療の甲斐なく、上海で亡くなりました。享年42歳でした。

 2024年8月9日には、中山大学国際翻訳学院の韓国語学科准教授であり、韓国史の専門家である黄永遠(ホアン・ヨンユアン)氏が、急病により韓国・ソウルで亡くなりました。享年37歳でした。

 2024年6月29日には、著名な人権法学者で武漢大学の教授・博士課程の指導教官である張万洪(チャン・ワンホン)氏が、病気により亡くなりました。享年49歳でした。

中国の新型コロナウイルス感染再燃 医師の警告

 中国のネットユーザーたちは、ソーシャルメディア上で新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)に感染した後、心筋梗塞や脳梗塞を発症するケースが増えていると投稿しています。突然死の事例が顕著に増えており、その多くは30代の若者です。

 ハルビン市出身の90年代生まれの男性が、「救急治療室はどこ?胸がとても痛い」 と訴えたところ、医師が「ちょうど昼休みに食堂に向かう途中で、患者が突然倒れてもう息をしていない」と話していました。

 このような突然死のケースが、中国のTikTok(ティックトック)上で多く投稿されています。

 「友人が37歳で、数日前に会社のイベントに参加した時に心筋梗塞で亡くなった」

 「叔父も救急室の廊下で倒れ、助からなかった。まだ35歳だった」

 中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している中、騰訊網(テンセント)の8月16日の記事では、「新型コロナウイルスは8月の真夏に大流行し、わずか数日間で広東省から東北部まで入院患者が急増した」と指摘しました。TikTokで突然死に関する動画のコメント欄では、多くの人が「陽性になった」、「感染した」と投稿し、心臓にさまざまな不快な症状が現れ、絶望を感じているとの声も多く見られます。

 ネットユーザーたちから寄せられたコメント。
「陽性になってから、体調が悪く、体力がない。疲れやすいし、時には左胸が痛む」
「心臓が時々突然刺すような痛みがあるが、病院に行っても原因がわからない」
「以前は頻繁に心臓が痛くなり、時には息ができないほど痛んだこともある」
「前日、ベッドに横になっていたら胸が刺すように痛み、呼吸するときも痛くて、動けないほどだった。数分経ってようやく痛みが和らいだが、本当に死がすぐそばにあるように感じた」

 上海市肺科病院の呼吸器科主任医師である胡洋(フ・ヨウ)氏は、最近のTikTokの動画で、最近発熱した人の中には「新型コロナウイルスに感染した可能性がある」と述べています。なぜなら、コロナウイルスが再度変異しており、主流株が以前のJN.1からXDVに変わったためです。このウイルス株の感染力は依然として非常に強く、多くの人が再び感染しているとのことです。

 また、中国の医師たちも、のどの痛み、咳、胸の圧迫感や息切れなどの症状が現れた場合、これは単なる風邪ではなく、再度陽性反応が出ている可能性が高いと警告しています。

 中国の医師は「最近、新型コロナウイルスの変異株KP2が増加しており、すでに1万人以上が感染している。これらの症状は軽い風邪ではなく、再度陽性になった証拠だ」と述べています。

 中国の病院の医師は、「毎日動画を投稿して皆に警告していたが、今回私自身も感染してしまった。検査をしたら(陽性の)2本の線が出て、前回の症状と同じように頭痛や高熱、のどの痛みがあった」と話しています。

中国のメディアと当局によるコロナ対策の隠蔽疑惑

 ユーチューブチャンネル『世界の十字路(世界的十字路口)』の司会である唐浩(タン・ハオ)氏は、最近の動画番組で中国の新型コロナウイルス感染状況について次のように語っています。「中国における新型コロナウイルスの流行は決して消えておらず、中国共産党がそれを必死に隠蔽しているだけだ。中国共産党が外国資本を誘致して経済的に立て直すために、『一見良好な』状況を作り上げようとしている。そのため、感染状況を認めるわけにはいかないのだ。さらに最近、中国の複数の地域で『不明の肺炎』に対する緊急訓練が実施されたが、これは2019年に新型コロナウイルスの流行が始まる直前の状況と非常によく似ている」と指摘しています。

(翻訳・藍彧)