台風13号は9月16日午前7時30分頃、強い勢力を保ったまま上海浦東沿岸に上陸し、その後,中国内陸部へと進行しました。これは、過去75年間で上海に上陸した最も強力な台風で、暴風雨をもたらし、航空便の欠航や高速道路の封鎖などの影響が出ました。
中国メディア「新華社」の報道によると、台風13号が上陸した際の中心付近の最大風速は14級(42メートル/秒)、中心気圧は955ヘクトパスカルで、1949年の5号(グロリア)以来、上海を襲った最も強力な台風となりました。上陸時には、江蘇省、浙江省、上海市に強風と大雨が見られました。
上海が強い台風の直撃を受けることは非常に稀です。上海市気象局の統計によると、1949年から2023年の間に上海に上陸した台風はわずか10回で、その多くが強い熱帯暴風の段階でした。
9月15日夜から、上海浦東と虹橋の両空港で数百便の航空便が欠航となりました。16日朝には、一部の地下鉄路線が運休し、高架道路の一部も運行を停止しました。また、上海市のすべての水上交通、黄浦江の渡し船や黄浦江観光なども、15日夜10時から全面的に停止されました。
台風の影響で、上海ディズニーランド、錦江楽園、上海野生動物園などの観光地も一時的に閉鎖されました。近隣の舟山市では、レストランやスーパーマーケット、商店が営業を停止し、公共交通機関も運休しました。16日午前0時までに、上海市全域で41.4万人以上が避難しています。
公式報道によると、16日12時30分時点で、上海市内では4棟の建物が損壊し、1人が負傷、1万本以上の木が倒れるか折れる被害が出ました。全市で153箇所の停電が発生し、800ムー(1ムーは約6.667アール)以上の農地が浸水しました。交通面では、列車577便が運休し、1461便の航空便が欠航、39便の船舶便もキャンセルされました。
中国のSNSに投稿された動画には、高層ビルのエアコンの室外機が風に揺れ、落下しそうな危険な状況が映っています。また、多くの建物の屋根や窓が強風で飛ばされる様子も見られました。
ある上海のネットユーザーは、「私は20階に住んでおり、台風の時に建物全体が揺れて非常に恐怖を感じた」と述べました。
上海閘北区に住む徐さんは、インタビューで、「朝には雨がしっかりと閉めた窓の隙間から家の中に染み込み、窓越しに近隣の住宅の雨よけがすべて風で倒された様子が見えた」と語りました。
彼女の住むマンションでは、数日前からスピーカーで台風警報が繰り返し流され、住民のチャットグループでも「外出しないように」との街道事務所からの通知が続けて送られてきたとのことです。
地形的な理由から、過去数年間、上海に上陸するはずだった台風がしばしば上海の周辺地域に逸れ、上海市内では強い雨が降るだけで済んでいました。しかし、今回の台風13号に対しては、皆が特に緊張感を持っていました。徐さんは「今回の台風は本当に来るんだと実感した」と語りました。
中国中央気象台によれば、台風13号が上海に上陸した後、西北西方向に移動を続け、安徽省中部、江蘇省中部と南部、上海、浙江省北部などの地域に大雨が降り、一部地域では豪雨(100~190ミリ)も予想されています。
台風13号は上陸後、勢力が多少弱まったものの、周辺地域に依然として大きな影響を及ぼしました。強い降雨が続いたため、杭州、南京、蘇州などの長江デルタ地域の多くの住民が家屋の雨漏りに悩まされています。また、あるネットユーザーは、台風の影響で建物の壁が上下にひび割れた動画を投稿しました。
無錫市からの投稿動画では、台風の影響で市内の多くの場所が浸水し、道路が川のようになってしまい、地下駐車場がひどく浸水している様子が映っています。ビルの屋上に設置された太陽熱温水器も風で落ちてしまいました。
現在、台風13号による経済的損失は評価中です。しかし、心配なのは台風13号の影響がまだ完全に消えていない中で、2024年第14号台風がすでに発生していることです。中央気象台によると、現在台風14号は熱帯暴風のレベルにあり、発展速度は遅く、北西に毎時20~25キロの速度で移動しており、今後中国東海および華東沿岸地域に影響を与える可能性があります。
(翻訳・吉原木子)