中国経済は窮地に追い込まれ、中国当局はあらゆる手段を講じて国民から金を奪おうとしています。最近、中国官僚の間で「砸鍋売鐵(ザーグオマイティエ)」という新しい言葉が登場しました。鍋をたたき壊してくず鉄として売るという意味で、ありったけの財産を投げ出す喩えです。これは中国当局が途方に暮れていることを浮き彫りにしています。
中国住宅・都市農村建設部(省)の董建国副部長(次官)は8月23日、上海を含む22都市で「住宅養老金」制度を試行的に導入すると発表しました。
中国当局が最近導入した「住宅検診」、「住宅養老金」、「住宅保険」の3つの制度は、広範な議論を引き起こしています。住宅養老金とは、住宅の将来の維持や修繕のために設立された資金を指します。政府は、住宅養老金の公共口座は政府が設立し、国民に負担をかけず、また直接的な出費を求めないとしており、これは住宅の安全を保障するための制度であると説明しています。
これらの措置は一見有利なように見えるが、発表されるや否や、「資金の出どころ」に関する疑問が噴出し、世論の反発を招きました。
多くのネットユーザーが、最終的には国民が費用を負担することになるのではないか、また制度設計や監督の詳細が不透明であることから、裏で何か不正が行われるのではないかと懸念しています。
専門家は、これらの措置が実質的には資金を集めることが目的であり、不動産市場をさらに悪化させる可能性があると指摘しています。
上海市はこの新制度の試行都市の1つとして、大勢の市民が集団で街頭に出て「抗議」を行いました。
時事評論家の沈四海(しんしかい)氏は「看中国」の取材で、「現在の中国は『大きな火薬庫』のようで、いつでも爆発が起きる可能性がある」と語りました。
地方政府、「砸鍋売鐵」で債務返済
「砸鍋売鐵」という言葉は、かつて毛沢東時代に登場したが、最近再び使われ、中国官僚の間で流行しています。これは、絶望的な状況に追い込まれた人々が、目先の困難を解決するために最後の財産を売り払うことを指します。現在、中国当局は、この言葉を使って、地方政府が債務危機を解決する方法として使用しています。つまり、地方政府が所有する資産を別の名目で売却し、債務のリスクを軽減しようとしているのです。
香港の『星島日報』によると、最近ネット上に出回った写真には、重慶市璧山区政府が『資産を処分し、地方の債務リスクを軽減する』ために、『砸鍋売鐵』という特別チームを設置したことを伝える文書が写っています。このチームはすでに活動を開始しており、資産処分の計画策定、資産パッケージの決定、価格決定メカニズムの確立などを担当しています。
また、甘粛省、内モンゴル自治区、青海省などの地方政府も、同様のチームを次々と設立していることが分かりました。
一部の評論家は、この現象が中国の経済発展が疲弊の一途をたどり、経済崩壊の直前まで来ていることを示していると指摘しています。
上海市民、集団で「散歩抗議」
地方政府が「砸鍋売鐵」特別チームの設立した事について、沈四海氏は「中国当局の主張は非論理的だ。鍋を砕いて鉄として売ってしまったら、何でご飯を炊くのか?どうやって生活していくのか?」と疑問を投げ、「中国共産党員たちの頭はどうかしている。地方政府がこのようなことをしているのは、彼らが非常に貧しいことを証明している」と述べました。
中国当局は最近、「住宅養老金」制度を導入しようとしており、上海など22都市で試行的に実施しています。この制度では、住宅の所有者が家屋の修繕費の一部を負担することが求められています。この計画が発表されるや否や、ネット上ではすぐに激しい反発が起こり、「人々は退職後、自分たちの生活費もままならないのに、今度は家の『老後(修繕費)』まで負担させられるのか?」という声が多く上がっています。
沈氏は、この「住宅養老金」は実質的に「不動産税」であると指摘し、「政府は住宅市場を刺激したいために、今になってこのような形で税を徴収しようとしている。それでは誰も家を買おうとしなくなる。政府は住宅市場を救おうとしているのか、それとも踏みつぶそうとしているのか?」と疑問を呈しました。
この計画が発表された後、上海市民は期せずして集団で散歩という形で「抗議」を始めたのです。彼らは横断幕を掲げたり、スローガンを叫んだりもしませんでした。しかし、当局はすぐにウィーチャット(WeChat、微信)を遮断し、市民が連絡を取り合うことを防ぎました。
一部の市民はX(旧Twitter)に「上海市が住宅養老金の試行都市に選ばれた後、市民が不満を表明するために、集団で街頭を散歩し、抗議の意思を示したが、その光景は非常に衝撃的だった」と投稿しました。
中国は一夜にして変わる可能性がある?
沈氏は、中国共産党が情報を封鎖することで市民の反抗を抑えられると考えているようだが、実際には一夜にして政権が崩壊する可能性があると指摘しました。
沈氏は、「アジアのバングラデシュ、アフリカのリビアのカダフィ政権を見てみろ。これらの支配者たちが倒れる前に、自分がこのような結末になるとは夢にも思っていなかっただろう」と述べ、「中国は旧ソ連のように、一夜にして変わる可能性が高い」と警告しました。
習近平氏は当時、「なぜ旧ソ連共産党には誰も立ち上がって反抗しなかったのか」と批判しました。これはその時代の限界を理解していなかった視野の狭さだと沈氏が指摘し、「時代の大きな波が押し寄せたとき、あなた(習近平)はその波の勢いを食い止められると思うのか?」と問いかけました。
沈氏はまた、「中国では今『砸鍋売鐵』という現象が広がっており、手口を変えた不動産税を徴収する『住宅養老金』制度が導入されようとしている。当局は税金だとは言っていないが、上海市民は騙されない。上海市民は、当局が自分たちの金を奪おうとしていることに気付き、集団で『散歩抗議』を行った」と述べました。
報道によると、中国のネットユーザーは住宅養老金の資金源に対して広く疑問を抱いているとのことです。中国当局は、住宅養老金の資金源として土地の売却益と地方財政から捻出されていると説明しました。しかし、どちらもすでに深刻な資金不足に陥っているのに、どうして住宅養老金制度を支えることができるのでしょうか。
「中国当局はパニックに陥っており、地方政府が破産の危機に直面している」と国民は見ていると沈氏が指摘しました。当局は不動産市場を刺激することで経済状況を改善できると考えていたが、結果は期待外れとなっています。
中国は随時爆発する「大きな火薬庫」のようだ
沈氏はまた次のように述べました。「何が(住宅)養老金だ?実際には、これは不動産税であり、単に所有者からお金を徴収するだけだ。上海で成功すれば、全国に導入されるだろう。しかし(中国)当局は、上海の人々が街に出て『散歩』することでこの新制度に抗議するとは予想しなかった。上海市民が『散歩抗議』に出た後、当局が上海市民をこれ以上追い詰めれば、反抗が起きるだろう。その時には、上海だけでなく全国で反抗が広がる。
沈氏は、中国全体をいつ爆発してもおかしくない「大きな火薬庫」と表現しました。
数年前には、彭立発氏が北京市の四通橋で中国共産党と習近平に抗議するとは誰も思わなかったし、その後、中国では「白紙革命」が起こり、今年にはまた別の彭立発のような人物が現れました。
「中国本土には彭立発のような人がどれだけいるのか?これらはいつ爆発するか分からない。中国共産党が最も恐れているのは、これらの突発的な出来事であり、予測できず、小さな火花でも広野を一気に焼き尽くす可能性がある」と沈氏が述べました。
(翻訳・藍彧)