台風11号の影響で、広西チワン族自治区では連日の豪雨が続き、複数の河川で水位が警戒線を超えました。10日午前8時現在、左江とその支流である明江、鬱江、右江の支流である渌水江(りょくすいこう) にある17の水文観測所で、水位が警戒線を0.03メートルから4.77メートルまで超えています。

 豪雨による急激な水位上昇により、崇左市の都市部や多くの町が洪水に囲まれ、交通が遮断されました。ネットユーザーが投稿した動画では、寧明県の水位が警戒線を4.20メートル上回り、一部の道路や店舗が浸水している様子が映っています。洪水によって電力供給も影響を受けており、現在復旧作業が進められていますが、供電はまだ完全に回復していません。

 中国新聞網によりますと、9日午前8時現在、台風の影響で崇左市寧明県では、約15万人が被災し、1190人が緊急避難、農作物の被害面積は27.5万ムー(1ムーは約6.667アール)に達し、直接的な経済損失は約9600万元に上るとされています。

 崇左市龍州県では、左江の河川水位が大幅に上昇し、10年に一度の洪水に見舞われ、10日午前8時の水文データによると、左江の龍州県区間の水位は121.97メートルに達し、警戒線を4.77メートル超えました。

 龍州鎮では内水氾濫が発生し、水深は約2.5メートルに及び、住民が自宅に閉じ込められました。10日午後現在、崇左市の一部地域では、道路が依然として浸水しており、水位は自動車の車輪を超える高さに達し、沿道の住民も水に浸かった状態が続いています。

 現時点では、公式な人的被害の報告はありません。また、中国気象網によると、9月10日から12日、台風11号の影響によって、広西チワン族自治区、雲南省などの地域が強い降水に見舞われる見込みです。

(翻訳・吉原木子)