中国の8月の消費者物価が半年ぶりの高水準に達しました。物価の上昇は主に天候要因、特に食品価格の上昇が原因であり、生産者物価のデフレが進行する中での国内需要回復ではないと分析されています。
中国国家統計局が9日に発表したデータによると、2024年8月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.6%上昇しました。中でも、食品価格は2.8%、消費財価格は0.7%、サービス価格は0.5%上昇しました。
食品の中では、野菜価格が21.8%上昇し、果物が4.1%、畜肉類が3.8%上昇しました。特に豚肉価格は16.1%上昇しています。
消費者物価指数(CPI)は、時間とともに変動する生活必需品やサービスの価格水準を総合的に反映する指標で、消費者が購入する生活必需品やサービスの価格の変動を示しています。この指数は、都市と農村の住民の生活必需品とサービスを対象に、食品、日用品、交通・通信、教育など8つのカテゴリー、合計268品目の価格をカバーしています。
今年の夏、中国は洪水や猛暑などの極端な天候に見舞われ、農産物価格が上昇し、インフレ圧力が高まりました。中国の公式メディアによると、8月時点で自然災害によって被害を受けた農作物の面積は145.57万ヘクタールに達し、直接的な経済損失は424.8億元に及びます。
国家統計局の首席統計官である董莉娟氏は、「8月は高温多雨の天候などの季節的な要因の影響を受け、全国のCPIは前月比で上昇し、前年同月比でも上昇幅が拡大しました」と述べました。
ロイターが9日に報じたところによると、コファス(Coface)北アジア地域のエコノミストである譚俊誉氏は、中国の公式データを分析し、「経済回復の勢いは予想を下回り、デフレ懸念を緩和する効果は限定的です。改善の大部分は食品価格の上昇に由来しており、これは天候条件や生産能力の変動に左右されやすい」と述べました。
(翻訳・吉原木子)