中国では現在、集団的抗議デモが激化しています。ネットユーザーの不完全な統計によると、8月12日から25日までの間に50件の抗議事件が発生しており、その対象は教師、労働者、農民など多岐にわたる業種の人々が含まれています。記録によると、中国の今年第2四半期における反体制派の抗議活動は、昨年同期と比較して18%増加しています。

 X(旧ツイッター)のユーザー「昨日」の統計によると、8月12日から25日までのわずか2週間の間に、中国全土では多数の大規模抗議デモが発生し、権益を守るために多くの市民が街頭に繰り出しました。この期間中に少なくとも50件の集団抗議デモが発生しており、その内訳は、住宅所有者13件、労働者13件、農民9件、投資家5件、遺族4件、タクシー運転手・教師・保護者・通行人それぞれ1件ずつとなっています。

 四川省成都市では、数千人の市民が警察や城管(城市管理行政執法局の小役人)を取り囲み、虐げられた露天商のために抗議デモを行いました。

 甘粛省(かんしゅくしょう)天水市(てんすいし)では、数千人の生徒の保護者が学校の入学計画変更に抗議する集会を開きました。

 湖南省長沙市では、ガスボンベ配達員のストライキが依然として続いています。

 浙江省紹興市では、BYDのバッテリー工場の労働者が自分たちの権益を守るための抗議活動中に脅迫を受けました。

 黒竜江省ハルビン市では、数千人の退職教員が数日にわたって集会を行い、現地当局に対し「副高」待遇の実施を求めています。中国の「副高」とは、「副高級職称」の略で、職業資格や役職の階級を表す用語です。特に教育や医療などの専門職で用いられ、中級職と正高級職の間に位置する階級を指します。

 広東省清遠市、高州市、茂名市(もめいし)電白区(でんはくく)および湖南省益陽市、甘粛省白銀市などでは、自分の権益を守るための農民が抗議デモを行ったが、警察によって鎮圧される事件が発生しました。

 また、河南省、四川省、河北省などでも、住宅所有者による自分の権利を守るための抗議デモが多数発生しています。

 8月12日、浙江省杭州市で、警備員が女性配達員に対して土下座して謝罪するよう強制した事件が発生しました。これに対して数百人の配達員たちが激怒し、現場に駆けつけて抗議を行いました。現地当局は治安維持のために大量の警察を出動させ、双方の間で衝突が発生しました。

 8月16日、河南省長葛市(ちょうかつし)では、清掃労働者が未払い給与を請求するために、森源グループのオフィスビルの入り口を清掃車で封鎖しました。

 8月18日、甘粛省広河県(こうがけん)のタクシー運転手たちは再び集団でストライキを行いました。ストライキ参加者によると、タクシー会社が車両に保険をかけず、契約を守らず、タクシー運転手に不当な罰金を課したため、タクシー運転手全員の不満が高まり、不当な扱いに抗議するためにストライキを行ったといいます。8月14日の最初のストライキの後、タクシー運転手たちは8月18日に再びストライキを行いました。

 8月19日には、中国国内の3か所で同時に大規模な抗議デモが発生しました。

 四川省成都市では、城管が露天商を立ち退かせる際に、一人の露天商を殴打し負傷させ、もう一人の露天商に手錠をかけて連行しようとしました。城管と警察の悪質な行為に対して市民が激怒し、最終的には数千人規模の抗議デモが発生しました。市民の強い抗議を受け、警察は最終的に拘束した露天商を釈放しました。

 河北省唐山市では、製鉄会社の労働者たちが集団行動を起こし、唐山市の信訪局(陳情受付・処理機関)に陳情を行いました。同社の労働者数百人は、同社が生産を停止し移転した後、労働者に何の補償金も支払わなかったことに抗議デモを行いました。同社の数百人の労働者はこれまでに二度、唐山市政府の事務所前で抗議集会を開いていました。

 浙江省紹興市では、BYD傘下の電池メーカー、弗迪電池(フィンドリームズ・バッテリー)の一部の労働者がストライキを行い、給与が表向きには増額されても実質的に減少していることに抗議しました。

 8月20日、湖南省益陽市(えきようし)桃江県(とうこうけん)梅嶺村(ばいりょうそん)では、「地元政府が強制的に土地を収用して山を開削するために、抗議する村民を鎮圧しようとして大量の警察が出動し、多数の村民が逮捕されました。一部の村民は次のように苦情を訴えました。「山の開削を阻止するために、地元の鎮政府と数年間闘ってきた。強制的な開削は金儲けのためだ!生態環境を破壊し、すでに何人もの村民が不法に逮捕された。地方政府の役人は畜生であり、良心がない!村民たちは故郷の環境を守っているだけで、何も間違っていない!役人どもは、権力を使って不法に村民を逮捕している」

 8月21日、山西省呂梁市(りょしょうし)離石区(りせきく)王家溝村(おうかこうそん)では、地元政府が低価格で農民の宅地を収用しようとしたが、農民に拒否されました。その後、政府は大量の強制撤去作業員を村に送り込んだのです。ある村民は次のように語りました。「政府が道路を建設するために自分の宅地を占有しようとしている。『1984年に政府から認可された証書』を持っているのに、政府はそれを全く無視している。交渉を進めてきたが、政府が出した補償条件に同意しなかっただけで、今日、彼らがやってきて条件の話もせず、家の窓を暴力的に破壊し、60代の老人を強制的に引きずり出し、二人の88歳の老人を強制的に連れ去った。どこに連れて行ったかもわからない。数十年の歴史がある家が暴力的に撤去された」

 8月22日、甘粛省天水市麦積区(ばくせきく)の教育局庁舎前で抗議していた保護者たちは、大勢の警察官に暴力的に鎮圧され、多くの保護者が逮捕されました。この事件は、地元の中学校が突然入学計画を変更し、1300人超の中学1年生を遠く離れた鎮の学校に編入させたため、保護者の強い不満が噴出したことが原因だと保護者たちが明らかにしました。数千人の保護者が抗議活動を行い、子どもたちを最寄りの学校に入学させるよう要求したが、警察に鎮圧されました。

 ラジオ・フリー・アジアが8月28日、ウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を引用し、米国を拠点とする国際人権団体フリーダムハウスのウェブサイト(https://chinadissent.net/zh/about)に関連するデータによると、中国の第2四半期における反体制派事件は、昨年同期比18%増加したと伝えました。

 大多数の事件は利益問題に関連しており、44%が労働者に関連し、21%が住宅所有者に関係しています。データによると、住宅所有者と建設労働者による抗議デモは、370以上の省・市で記録された全事件の44%を占めています。

 記事は、中国共産党政権が直面している経済的課題を強調しており、それがより広範な社会統治問題に発展する可能性があるとしています。中国における抗議デモ事件の頻度と多様性に関する情報を収集・共有する「異言網」の関係者は、「ここ数十年、中国共産党は一党独裁を維持するために、経済繁栄を交換条件として国民に服従を要求してきたが、経済成長の鈍化が多くの人々に影響を与えるにつれ、このバランスが崩れる可能性がある」と述べました。

(翻訳・藍彧)