中国ではこのほど、ある小学生の寮が数百のベッドでぎっしり詰められていたり、高校の女子寮に48人が収容されていたりすることが暴露されました。このような劣悪な宿泊環境が世間の広範な注目と疑問を引き起こしています。

 最近、学生寮の宿泊環境に関する動画がネット上で大きな話題になりました。動画によると、各ベッドが上段、中段、下段の3段ベッドになっており、6つのベッドが緊密に配置されて1つの列を形成し、列の間には、一人が通れる程度の狭い通路しかありません。男子生徒がほとんどですが、女子生徒が一人か二人います。1つの部屋に少なくとも数百のベッドがあるように見えます。

 この動画は広範な議論を巻き起こしました。「まるで収容所かと思った」、「この環境は記憶力を鍛えるね、自分のベッドを見つけるのにどれだけ頑張らなければならないんだろう」と皮肉を言ったネットユーザーがいれば、「火災が発生した場合、これだけ密集したベッドで、どうやって子供たちを素早く避難させるのか」と懸念するネットユーザーもいます。

 しかし、このような状況は珍しいことではありません。中国メディア「極目新聞」の報道によると、広東省潮州市の金山実験中学の寮に160人の学生が住んでおり、ほとんど横になれる場所がないとのことです。

 さらに、河南省のある高校の女子寮では48人が住んでいる状況も報告されています。澎湃新聞によると、河南省信阳市のある保護者が最近、娘が通う学校の寮を見たところ、寮には24台のベッドがぎっしりと並んでおり、部屋の中には机や衣装棚がなく、各ベッドは二段ベッドの形になっていることが判明しました。このことにより、保護者は娘が住んでいる寮の安全性に対して不安を感じました。

 小学生や中学生だけではなく、大学生の宿泊環境も厳しいです。中国の大学生の宿泊施設の快適さに関する調査では、全国の大学生のうち、母校の寮の環境に満足しているのはわずか50.9%に過ぎません。これらの大学の学生寮は、4人部屋が主流ですが、6人部屋、8人部屋や10人部屋も珍しくありません。また、独立したトイレ、温水、エアコン、シャワーといった基本的な生活施設が完備されている寮はごくわずかです。

(翻訳・吉原木子)