今年の夏、中国は異常な暑さに見舞われ、多くの地域で気温が過去最高を記録しました。公式メディアの報道によると、中国の多くの地域で温度が過去の記録を破り、中国中央気象台の報告によると、6月10日には山東省、河北省、天津市、江蘇省などの27の国家気象観測所で、6月上旬の最高気温が更新されました。

 6月11日13時、河北省平山県の気温は41.4℃に達し、新疆ウイグル自治区のトルファン市の温度を上回りました。河北省全域で40℃を超える気温が観測されました。6月12日には、河北省中南部、山東省西部、河南省中北部、山西省西南部、新疆ウイグル自治区トルファン市の一部地域で40〜42.3℃の気温が観測され、山西省汾陽市では日中最高気温が歴史的な記録を更新しました。6月12日までに、北方の三つの都市、すなわち石家荘市、天津市、鄭州市で気温が40℃を超えました。一部のネットユーザーは、高温のため、天津市などの地域では窓ガラスが熱で割れたと報告しました。6月13日、華北平原などの地域では高温状態が続き、河北省中南部、山東省北西部、河南省中北部では40℃の気温が広範囲にわたり観測され、一部の地域では43℃や44℃に達しました。

 中国の気象当局は7月4日、中国がさらに長期間、高温の夏を迎えると警告しました。観測史上最も暑い7月を経験した後も、猛暑は依然として中国東部と南部の地域で猛威を振るっています。8月3日、浙江省の省都である杭州市では史上最高の気温41.9℃を記録しました。人口1800万人を抱える広東省深セン市では、救急サービス部門が8月1日から6日の期間中に、熱中症関連の緊急出動事例が88件に上ったと報告しています。

 このような極端な高温下では、多くの人が避暑地を求めています。スーパーマーケット、銀行、大型ショッピングモールなどの公共施設が避暑の人気スポットとなり、これらの場所ではエアコンが常に稼働しており、冷気が充満しています。しかし、避暑を求める人々が増えるにつれ、一部の店舗の通常の営業が妨げられる事態が発生しています。

 最近、ネットユーザーが投稿した動画によると、中国各地のイケアが避暑の聖地となり、多くの人々が家族連れでイケアに訪れ、携帯電話を使ったり、雑談したり、さらには横になって寝てしまうケースも見られます。このような行為は店舗の正常な営業に影響を与えるだけでなく、実際に商品を購入しようとする顧客にとっても不便を引き起こしています。多くのネットユーザーは、「このような行動が非常識で、彼らは羞恥心がなく、まるで自宅にいるかのように振る舞っている」と批判しました。

 8月6日、大連のイケア店舗での動画がネット上で出回っています。動画には、大連のイケア店内のすべてのソファやベッドが避暑目的の人々で埋め尽くされ、彼らがリラックスしている様子が映し出されています。彼らは携帯電話を使ったり、本を読んだり、雑談をしたりして、まるで自宅にいるかのようにくつろいでいます。中には、家族全員がベッドに横になり、掛け布団をかけて寝ている姿も見られ、靴を脱がずに座っている人もおり、基本的な礼儀や衛生面への配慮が欠けています。

 このような行為は、商品を購入しようとする顧客にとって大きな迷惑となっています。彼らが長時間商品を占有しているため、他の顧客が商品を正常に体験できなくなっています。このような現象に対処するため、イケアは以前からサンプルのベッドやソファでの睡眠を禁止する規則を導入していますが、現在では多くの避暑目的の人々がこの規則を無視しており、従業員も彼らを追い出すことができず、毎日何度も避暑者に立ち去るよう説得していますが、彼らは動こうとしません。

 ある顧客は、「最も皮肉だったのは、私たちがベッドを買おうとした時、ベッドに横になっていた子供連れの母親が、私たちに『ちょっと出て行ってくれませんか、子供が寝ているので』と言ったことです」と述べました。別の顧客は、「先週、夫と一緒にイケアに行って、リクライニングチェアを買おうと思ったのに、どこに行っても人が座っていて、彼らを起こそうとしたが、全く起きる気配がありませんでした」と述べました。

 これに対して、一部のネットユーザーは、「やり過ぎだろう。どうやって商売するつもりなんだ?新品の家具を買いたくても、誰が何人もが座ったり寝たりしたものを買うと思う?」、「イケアはもう野生のホテルみたいだ。靴を脱いでソファに座る人がいて、見るだけで吐き気がする」と批判しました。もう一部のネットユーザーは、「ここはイケアだぞ、あなた達の家じゃないんだぞ」、「イケアのモデルルームのシャワー室に水がなくてよかった。もし水があれば、そこでシャワーを浴びる人がいるに違いない」、「夜勤の仕事を見つけて、昼間はイケアで寝れば、家賃も節約できる」とも揶揄しています。また、「こんなことを堂々とするなんて、これらの人は本当に羞恥心がないのか」と疑問を投げかける人もいます。

 大連以外にも、ネットユーザーによると、深セン、天津、上海、杭州、安徽などの都市でも同様の状況が発生しており、「どこも占拠されていて、普通の買い物さえできない」と報告しています。また、スターバックスなどのカフェも同じ被害に遭っており、冷房を利用するだけで消費しない人々が、店の通常営業や一般の消費者に深刻な影響を与えています。

(翻訳・吉原木子)