中国で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、上海、広州、大連などで新たな感染者が続出しています。今回の感染拡大は、従来よりも感染力が強く、特に若年層において症状が顕著であるとされています。同時に、中国国家衛生健康委員会と疾病予防管理センターが主催する「2024年集団性不明肺炎緊急対応演習」が6月以降、全国各地で静かに行われています。
上海市肺科病院の胡洋医師は、自身のソーシャルメディアで、「新型コロナウイルスが再び変異し、最近では感染者が急増している」と述べ、周囲でも多くの人が感染されたことを明かしました。上海は特に感染が深刻な地域の一つとされており、多くの人々がネット上で感染状況を共有しています。例えば、上海で働くあるネットユーザーは、今回の感染拡大は前回よりも速く、症状も重く感じると述べ、熱が上がったり下がったりし、全身が痛む状況で、抗ウイルス薬も効果がないと感じていると伝えました。また、別のユーザーは、上海の感染状況が非常に深刻で、結婚披露宴に出席しただけでその夜に39度の高熱を発し、喉が痛くて眠れないと報告しています。
北京で食品業に従事する張さんは、10日に検査したところ、陽性であり、2日間続けて体温が38.5℃に達し、全身の痛み、めまい、喉の痛み、下痢などの症状があると述べ、自宅で隔離中であると話しました。
また、北京に住むある母親は、彼女と子供がともに陽性となり、大人は1日発熱し、最高で38.7℃に達し、全身の筋肉と骨が痛むと述べました。子供の方がさらに多くの症状を抱えており、頭痛、発熱、腹痛を訴えています。
北京の多くの住民が、職場の半数以上の人が陽性で、発熱している人も多いと述べています。ある実験室の職員は、同僚の検査結果がほとんど陽性であると報告しました。
一部の北京市民は、「どこが安全でウイルスがいないのかわからない。私はただ10分ほどマスクを外しただけで感染した」と嘆いています。
8月4日、「中国民間中医薬研究開発協会」の会員ブロガーは、新型コロナウイルスが再び変異し、現在中国では2種類の新しい変異株が出現していると発表しました。それは、JN.1の変異株XDVとKP.3です。8日には、中国疾病予防管理センターが報告し、現在中国で流行している主な新型コロナウイルス変異株は、JN.1およびXDVであると確認しました。
今回の感染拡大では、これまで感染したことのない人々の間でも感染が広がっています。海外に住む北京出身のあるネットユーザーは、「これまで感染したことがなく、今月は特に注意していなかったが、最近北京から戻った後、喉に痛みを感じ、咳が出始め、ついに感染した」と述べました。再感染も非常に一般的であり、北京のあるネットユーザーは3回目の感染を経験し、「今回は新しい変異株に感染したと思うが、過去2回と同じくらい苦しいと感じている。新しい変異株が少し弱いという話もあったが、それは嘘だ!新型コロナはますます強くなっている」と語りました。
さらに、一部の北京市民は、病院に行っても新型コロナの検査が受けられず、陽性であっても薬が処方されないと訴えています。一部のネットユーザーからは、「医者はただウイルス感染と言うだけで、新型コロナという言葉は絶対に口にしない。そして、家族に他の風邪の症状があるかどうかを聞かれる。多くの北京の病院で新型コロナという言葉を使わないようになったのは明らかだ」、「私も検査を拒否された。明らかに陽性なのに、インフルエンザやマイコプラズマの検査を行い、全て正常と言われた」、「私も同じで、新型コロナの検査はできないと言われた」といったコメントをしました。
北京の感染拡大はさらに、多くの旅行者が帰宅後に陽性と診断され、場合によっては北京を離れる前に症状が既に現れたケースが報告されています。
ある江蘇省のネットユーザーは、万里の長城を登った後に体調を崩し、検査で陽性となったと述べました。深センから北京に訪れたあるネットユーザーは、「私も長城を登った後、翌日に体調が悪くなり、深センに戻った後すぐに検査を行ったところ、やはり感染していた」と話しました。
山東省のあるネットユーザーは、「北京で2日間過ごした後に感染した」と述べました。山西省のあるネットユーザーは、北京で2日間過ごした後、喉の痛みと嚥下困難、鼻詰まりを感じるようになった」と述べました。
甘粛省のある家族は北京から帰ったばかりで、子供が喉の不快感を訴え、食欲がなく、夜中に微熱が出たと報告しています。
河北省のあるネットユーザーは、「北京に半日行っただけで帰ったら体調が悪くなり、喉が乾燥して痛み、痰が出て、鼻水が出て、呼吸が苦しくなった」と述べました。
今回の感染拡大に対し、中国の一部地方政府の疾病予防管理センターは、市民に防護を呼びかけています。大連市疾病予防管理センターは、最近国内で新型コロナの感染者が増加しているため、個人防護を強化し、マスクを着用するか、社会的距離を保ち、呼吸器疾患の拡大を防ぐように呼びかけました。
江蘇省無錫市が最近発表した感染状況によれば、7月以降、市内の新型コロナ感染者数が急増し、7月22日から7月28日の感染者数は7月15日から7月21日と比べて89.19%増加しました。
広東省当局が公表したデータによると、6月の感染者数は8,246例であり、7月にはさらに1万例以上増加しました。
また、国家衛生健康委員会と疾病予防管理センターが主催する「2024年集団性不明肺炎緊急対応演習」が今年6月以降、全国で行われていることもネット上で話題となり、「また感染拡大がやってくるのではないか」との声が上がっています。
(翻訳・吉原木子)