浙江省杭州市の緑城西渓世紀センターで12日、警備員が女性のフードデリバリー配達員に土下座を強要した事件が発生し、多くの配達員が抗議に立ち上がりました。当局は警察を派遣して、鎮圧に乗り出しました。

　ネット上で出回っている写真には、ある女性配達員が路上で土下座している姿が映っていました。情報筋によると、杭州緑城西渓世紀センターの警備員が配達員と口論になり、配達員に土下座を強要したとのことです。

　一部のネットユーザーの説明によりますと、この事件は、女性配達員が配達中に目的地近くの河川敷に道がなかったため、緑地帯にバイクを停めて歩いて向かい、その際に誤ってフェンスを踏んで倒してしまったことに起因しています。これを目撃した警備員は、女性配達員の電動バイクのキーを抜き取り、200元の賠償金を要求しました。さらに、警備員は配達員に土下座を強要し、キーを返す条件としました。最終的に、女性配達員はやむを得ず土下座をし、バイクを取り戻すことができました。

　この写真は、瞬く間に地元の配達員の作業グループ内で広まり、怒りを引き起こしました。数百人の配達員が西渓世紀センターに集まり、警備員に公の場で謝罪を求める抗議を行いました。

　ネット上で出回っている動画には、同日午後、西渓世紀センター周辺に集まった多くの配達員が、警備員に「なぜ彼女に土下座をさせたのか？」と問い詰め、謝罪を求める様子が映っていました。この時、地元当局は多数の警察官を現場に派遣して鎮圧に乗り出しました。別の動画には、西渓世紀センターの周辺に警察車両が並んでいる様子が映し出され、緊迫した雰囲気が漂っていました。

　事件に関わった警備員は姿を現さず、ネット上でさらに侮辱的な発言を行い、現場の緊張が一層高まりました。

　この事件は広く議論を呼び起こしており、一部のネットユーザーは「中国では、学費の心配をしたり、生活のために奔走している時、あなたの尊厳は何の価値もないのでしょうか？彼女は社会に出たばかりの子供かもしれません」と嘆いています。他にも「貧しい者が貧しい者を苦しめるなんて」、「こんなに暑い日、配達員は本当に大変です。みんな、低評価をしないで、余裕がある人は少しチップをあげてほしい」といったコメントが寄せられています。

（翻訳・吉原木子）