東大阪市議会議員である野田彰子氏(看中国)

 カナダの新世紀スタジオが制作した映画『夢・シルバースクリーン』の上映会が、8月10日に大阪のクレオ大阪東ホールで行われました。上映当日、収容人数380席の劇場はほぼ満席となりました。

 上演時間68分の映画『夢・シルバースクリーン』は、主人公の林美月(リン・メイユエ)が女優の夢を追い求めるところから物語が始まります。彼女は不公平な扱いを受け、自身の女優としての夢が破れ、心身に二重の打撃を受けるという運命に直面します。10年後、かつての仇敵と再会した彼女は、意外なことに相手を許し、自身の娘が演じるはずだった映画の主役を、相手が推薦した女優に譲ることを決意します。

観客たちからの賞賛

 東大阪市議会議員である野田彰子氏は、映画を観賞されてから「生かせれること、生きていること、感謝しないといけないと思いますし、(何事にも)あきらめてはいけないという本当に当たり前なことを(映画を観て)現実に感じる時間でした」と述べました。また、映画の主役が競争相手を許す心の広さに対して、「憎みとか恨みとか、必ずどんな生き方でもあると思うのですが、そこを今日は(この映画を観て)本当に素晴らしい気持ちや心で包まれました。これを自分への戒めとして見させていただきました」と語りました。

 兵庫県議会議員大矢卓志氏は、映画が描いた「恨みとかを乗り越えるのは難しいですが、人にとって、人生の一番大きなテーマです」と述べました。また、最後のシーンで主役がそれを乗り越えたことに感動し、広い心を持つことは大事ですと語りました。

兵庫県議会議員大矢卓志氏(看中国)

 大阪市内から来られた松谷利幸さんは、「映画が始まってから、あっという間に時間が過ぎ、主役のあきらめない人生、たとえ10年、20年経ってもあきらめない精神に感銘し、感動しました。また、主役が自分の競争相手を許すという心の大きさにとても感動した」と述べました。

 東京で一度観賞してから、大阪での鑑賞は2度目になる田村和之さんは、「中国が大きく変わろうとしている時代、世の中に残っている矛盾や問題がいっぱい掘り起こされて、芸能界を中心に描かれ、それらを乗り越えて新しい社会を作ろうというエネルギーを感じた」と述べました。利益ばかり追及することはいいことがないので、それをやめ、正義のある社会を取り戻そうというメッセージを受け取りました。

「夢 シルバースクリーン」の受賞

 2023年2月、映画『夢・シルバースクリーン』は「上海独立国際映画祭(Shanghai Indie International Film Festival)」で最優秀衣装賞と最優秀助演男優賞の2つの賞を受賞しました。

 上海独立国際映画祭は、中国の伝統的な節日である端午の節を記念して2022年に創設されたものです。

 映画『夢・シルバースクリーン』の出演女優で上海戯劇学院を卒業したアリサ・ジェンは、「(中国という)特殊で複雑な環境の中で、『夢・シルバースクリーン』のような素晴らしい映画を誠実・公正に評価してくれる勇気ある人々がまだたくさんいることは、私にとって大きな励ましと温かさを与えてくれました」と感慨深く語りました。

 新世紀スタジオは創立以来、160以上の映画祭で賞を獲得しており、中国本土からの受賞は初めてとなります。

 『夢・シルバースクリーン』はこれまで、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの映画祭を含む海外で31の賞を受賞しました。さらに、主演女優2人がそれぞれ2つの映画祭で主演女優賞に選ばれました。

(文・藍彧、黎宜明/撮影・道明)