中国はこのほど、4本の主要な高速鉄道路線の運賃を大幅に引き上げました。これは約20年前に高速鉄道の建設が始まって以来、コストの上昇と巨額の債務に対処するために中国が取った最も広範な措置の一つです。

 中国では、鉄道料金の値上げは敏感な政治問題となっています。高速鉄道は国家のインフラ能力の象徴とみなされています。しかし、これらのインフラ整備には多額の借金が必要で、鉄道網を運営する国有企業、中国国家鉄路集団だけで6.13兆元もの債務を抱えています。

 2008年以降、中国では4.5万キロの高速鉄道が開通し、大都市や数百の小さな町を結んでいます。その規模は、ニューヨークからロサンゼルスまでのアメリカ大陸を10回以上横断できる長さに相当します。債務を負っているのは中国国家鉄路集団だけではなく、中国の多くの高速鉄道路線は省や市の合弁企業によって所有されています。これらの合弁会社は建設費用の支払いを支援しましたが、交通費を補助する能力は次第に低下していきました。

 一部の古い路線は、より多くのメンテナンスを必要とし始めています。これらの路線は、世界金融危機の際に、輸出工場の一時閉鎖で失業した労働者に雇用機会を提供するために急いで建設されたものです。

 新華社が発表した声明の中で、「線路の維持や車両の購入、設備の更新、労働者などの運営コストに大きな変化が生じた」と、今月の値上げの理由を説明しました。

 今回の運賃調整の対象となる路線は、杭州から上海、長沙、寧波、そして武漢から広州へのピーク時の路線です。杭州と長沙間の路線を除いて、ピーク時の一等席と二等席の運賃は約20%上昇し、豪華VIPビジネス席の運賃は39%上昇します。

(翻訳・吉原木子)