中国経済が困難に直面する中、多くの人々が社会保障年金から大規模に脱退しており、これが中国共産党の政権の安定に影響を与える可能性があると見られています。この問題に対処するために、当局は最近いくつかの措置を講じています。報道によると、深センでは、携帯電話番号を封鎖することで市民に社会保障年金を支払わせるようにしているとのことです。

 深セン市のあるネットユーザーはこのほど、14年間使用していた携帯番号が突然無断で封鎖されたと投稿しました。深セン移動(移動体通信事業者)の顧客サービスによると、自分で営業店に行ってロックを解除する必要があり、身分証、居住証明書、SIMカードのほかに最新の社会保障年金支払い証明書を提供しなければ解除できないと言われました。

 この情報が広く注目を集めた後、深セン移動はメディアに対して、携帯番号の解除には6ヶ月連続で社会保障年金を支払う必要があることを確認しました。深セン移動は、これが携帯電話の利用者が現地で働いていることを証明するためだと説明しています。

 これに対して、ネットユーザーは、「不思議な国だ」、「仕事がなくて社会保障年金を払えない人は携帯電話を使う資格がないのか?」とコメントしています。

 セルフメディア「財経冷眼」は、今回の事件は中国の社会保障年金がどれほど困窮しているかを示しており、このような手段で市民を強制する必要があると指摘しています。「社会保障年金を支払わなければ、携帯電話を使う権利すらないのです。最近話題となっている定年年齢の引き上げも、実は社会保障年金の深刻な赤字を解消するためのものです。携帯電話番号の封鎖は、現在は深センでのみ実施されていますが、将来的には全国に拡大される可能性が高いです。なぜなら、保険料を払っている人は減り、働いている人は減り、年金をもらっている人は増えているからです」

 2022年だけでも2500万人が社会保障年金を脱退しています。台湾国防安全研究院国家安全研究所の王占璽副研究員は、社会保障年金システムが崩壊すれば、社会に大きな動揺をもたらすだろうと述べました。

(翻訳・吉原木子)