現在、中国の不動産業界で問題が続出しており、ますます多くのおから工事が明るみに出ています。
穴の開いた配線孔
中国の都市において特定の小中学校（一般に優良校のことを指します）の生徒募集範囲以内のマンションとアパートのことを「学区房」と呼びます。都市部の小中学校入学は、居住地域ごとに指定された近くの学校に入ることに定められています。従って、特定の優良校に入るのに、指定された地域内の物件を買って、子供の戸籍を移さなければいけないことになります。
湖南省株洲市に住む陳さんは、学区房を購入したが、おから工事でした。
澎湃新聞の報道によると、湖南省株洲市の住民である陳さんが6月30日、やっとのことで引き渡された分譲マンションの物件は、プラスチック製や木製の棒で簡単に床に2つの穴を開けることができると指摘しました。陳さんは非常に無念で、これは数十万元（約数千万円）をかけて購入した学区内のマンション物件（学区房）であり、子供が優れた学校に入学できるために入居するしかないと言います。デベロッパーは、これを「小さな欠陥の品質であり、施工の便宜のために設けた配線孔で、外観に影響を与えるだけで、安全性には問題ない」と説明しました。
これに対し、ネットユーザーは「配線孔でもこんなにもろいはずがないだろう」と疑問を呈しています。
配線孔は一般的に、建設工事中にマーキングや測量のために使用される小さな穴であり、電線やパイプなどの基礎設備を通すためにも使われます。
この配線孔が簡単に突き破られることについて、専門家は「確かに配線孔だが、手抜き工事が行われている」と指摘し、「配線孔は細石コンクリートで塞ぐのが普通だ。セメントモルタルで塞ぐ人はいるのだろうか？」と述べました。
中空の耐力柱
中国の「海峡都市報」が今年4月に報じたところによると、福建省平潭県（へいたんけん）のある住宅地で大量の中空柱が発見され、住民が手でロビーの耐力柱の石を取り除くと、中に曲がった鉄筋が見えるという状態で、実際には中空の柱です。この建物の一部では床板がひび割れ、主梁が断裂し、壁にも多くのひびが入っていました。
中国系アメリカ人の建築構造エンジニアのYu（ユー）氏（男性）は、「コンクリート柱は中空であることはなく、コンクリートを注ぐ際にはしっかりと充填（じゅうてん）される必要がある」と述べ、「コンクリートには一定の強度、つまり水セメント比が必要であり、十分な強度を得るためにはセメントの割合を高くする必要がある」と説明しました。また、「セメントは高価なので、建設者はコスト削減のためにセメントと砂の量を減らし、安価な石の量を増やした結果、そのような柱は設計された強度に達することができず、剥がれ落ちてしまうのだ。そうなると、その柱は廃棄材と同じ、壊してやり直すしかない」と彼が指摘しました。
沈下する建物の基礎
甘粛省蘭州市のネットユーザーが5月8日、恒大グループの山水城の一期工事で、店舗の地下が崩壊し、建物の基礎が宙に浮いている状態だと告発しました。
実はネットユーザーが4月18日に公開した動画で、甘粛省蘭州市榆中県の恒大山水城団地の基礎が深刻に沈下していることを示しました。動画では、団地入口の道路に連続的な崩壊が見られ、同団地の路面の亀裂が深く、亀裂範囲も大きいです。住民の包（バオ）さんは、最も深い地盤沈下は1メートル以上に達すると話しました。
包さんはまた、団地では以前から沈下の問題がありましたが、住民がかろうじて許容していたものの、今年初めから沈下の速度が加速し、無視できない状態になっていると述べました。
基礎が沈下したため、団地の1階の店舗では入り口にレンガや階段を敷いて人が出入りできるようにしていると、明かすネットユーザーもいました。
住民の崔さんは、団地の路面の沈下が住民の出入りや移動にも多くの不便をもたらし、車両が沈下部分で擦れたり、停めてあった車が沈下した穴に落ちたりすることが多いと説明しました。「一度に3台の車が同じ穴に落ちたこともある。その落差は2〜3メートルだったかもしれない」と崔さんは述べました。
中国湖北省の政府系メディア「極目新聞」の7月5日の報道によると、完成して11年しか経っていない杭州東駅が、ホームが沈下しているとネットユーザーに指摘されました。ここ2年間で多くのネットユーザーがこの問題を指摘しており、乗客の乗り降りが不便であり、さらには安全性にも懸念があると記者が述べました。
2023年5月には、あるブロガーが投稿と写真を公開し、杭州東駅のホームの沈下が明らかで、ホームと列車の間に約30センチメートルの高低差があり、降車時に特に注意が必要であると述べました。
また、別のネットユーザーが公開した動画では、ホームに亀裂が生じ、表面に傾斜が形成されていることが映っています。
地元のネットユーザーは、杭州東駅のホームの場所はもともと農地と湿地であり、地質が柔らかく、時間が経つと必ず沈下すると述べました。
6月24日、仏山市禅城区（せんじょうく）にある万科金融センターA棟のビルが揺れ、「船に乗っているように揺れている」と言う市民がいました。住民は家具や水差し、さらにはエレベーターのドアまでもが揺れていると述べ、「これは建物全体が揺れているのだ」との声もありました。
Yu氏は、基礎の設計も建設も非常に難しいと述べ、「建物の荷重を支えるには、建築や構造の知識だけでなく、土壌力学の知識も必要です。基礎の土質がシルト（陳泥）なのか、砂なのか、岩なのかを調査することが重要であり、この調査は手抜きしてはならない」と説明しました。「手抜きをすれば、地盤の問題はすぐには見えないが、時間が経つと必ず沈下や傾斜が生じ、上部構造にもひび割れや変形を引き起こす可能性がある」とYu氏は述べ、「シルトの場合、一般的な設計ではコンクリート杭を非常に深くまで打ち込み、シルトの下の岩盤まで到達させることで支えるようにする。しかし、杭が十分に打たれなかった場合、弱い杭と強い杭が混在していると、不均等に沈下し、建物が傾いてしまう」と説明しました。
中国共産党の腐敗、経済の低迷と手抜き工事
オランダに亡命している反体制派の範士貴氏は、中国共産党の腐敗体制下で、工事が次から次へと下請けに出され、多くの資金が腐敗した官僚によって持っていかれ、建設業者にはわずかな建設資金しか残らず、手抜き工事をせざるを得ないため、大規模なおから工事が発生するのは必然だと指摘しています。
彼は中国の建築現状を次のように述べました。「現在の主な原因は経済の低迷である。消費者が住宅を購入する余裕がなく、不動産の資金回収が追いつかず、投資建設を続けることができなくなり、多くの未完成建築が発生している。地方政府も経済の低迷により財政が逼迫しており、土地の売却費用を減免することができない。どれだけ未完成建築があっても、財政の徴収は減ることはない。政府が土地の売却収入を返上しない限り、どれだけ監督しても、デベロッパーは投資する資金がなく、建物を完成させることができず、そのため、建物の引き渡しも保証できない」
（翻訳・藍彧）