中国共産党の生体臓器収奪から九死一生を得た法輪功学習者が、アメリカで自身が経験した生体臓器摘出の恐怖を語りました。これは初めての生体臓器収奪生存者による生々しい証言です。
生体臓器収奪の生存者 恐怖の体験
今年58歳の法輪功学習者、程佩明(てい・はいめい)さんは中国黒竜江省鶏西市出身です。2024年7月3日、程さんはアメリカの首都ワシントンで開かれた記者会見で、法輪功学習者であることを理由に中国共産党に拘束され、拷問を受け、生きたまま臓器を一部収奪された自身の体験を語りました。
程さんは、「私は地獄のような場所から逃れ、アメリカにたどり着きました。私の願いは、私の悲惨な体験を公にし、中国共産党による残酷な迫害と生体臓器収奪の犯罪を暴露することです。善良な人々が中国共産党の邪悪な本質を認識し、私の安全を守り、中国共産党による生体臓器収奪の恐ろしい犯罪を一刻も早く止めてくれることを願っています。アメリカ政府に感謝の意を表わします」と語りました。
記者会見の場で、程さんは上半身に残っている手術の跡を見せました。傷跡は35.5cmもあり、背中の中央から胸まで伸びています。程さんは、1998年3月に法輪功の修煉を始め、1999年7月に中国共産党が法輪功への弾圧を開始した後、5回も不当に拘束され、2001年12月には8年の実刑判決を受け、刑務所では常に拷問を受けていたと述べました。
「2004年11月16日、大慶刑務所は私に対する拷問を強化しました。午後8時、私は意識があり、体に特に異常もなかったのですが、強制的に大慶第四医院に運ばれました。警察は私の家族に、私が生命の危機に瀕していると知らせ、手術によって死亡する確率は80%であると伝えました」
「手術に同意する署名を求められましたが、私は拒否しました。当時、6人の警察官が私を押さえつけ、麻酔液を注射しました。19日に目を覚ますと、右足はベッドに固定されていて、片腕に点滴の針が刺さっており、両足には静脈注射の管、鼻には酸素チューブが刺さっていました」
「(11月)23日に再び大慶刑務所に戻されました。12月2日、刑務所の診療所で傷口の抜糸が行われ、その後、担架で監房に運ばれました。当時、私は毎日咳が止まらず、左肋骨が痛みとしびれを感じ、起き上がることができませんでした。今でも左腕と肋骨に痛みがあり、特に雨の日や疲れた時は耐えがたい痛みを感じます」
「手術の間、趙という看守が、銃を持って警戒にあたっていました。彼は刑務所に戻った後、看護師長が『30年間病院勤務しているが、初めて臓器移植手術に遭遇した』と言っていたと囚人たちに漏らしました。この話は1年以上も囚人たちの間で話題となり、皆私が臓器移植手術をさせられたことを知っていました」
程さんはまた、2006年2月に刑務所での拷問がさらにエスカレートしたため、絶食で抗議したと述べました。
2006年3月2日、刑務所は突然彼を大慶龍南医院に送りました。5階のベッドのフレームに手錠でつながれ、警察官2人が彼を監視していました。医者が彼の腹部を触り、翌日に治療を行うと言いました。その日、程さんの妹が面会に来ました。看守からは、程さんがカミソリを飲み込んだと知らされ、手術の死亡率は80%であると告げられたと言い、泣きながら帰っていきました。
程さんは、自分はカミソリなど飲み込んでいないのにと首をかしげましたが、妹の話を聞くと不吉な予感がしました。
3月3日午前2時、程さんはトイレに行ったあと部屋に戻りました。彼を監視していた警察は眠気に襲われ、彼に手錠をかけずに寝落ちしてしまいました。その隙に程さんは、防火通路を通って病院から脱出しました。彼の脱走に気づいた地元警察は大規模な捜索を開始しました。程さんはその後、他の法輪功学習者たちの助けを借りて、黒竜江省から逃れました。中国公安部はB級指名手配を行い、5万元の懸賞金をかけました。B級指名手配とは、公安部が地方の公安機関の要請により、逃亡犯の逮捕を命じるものです。
2006年から2016年までの間、程さんを逮捕するために、中央政府や地方政府からは、合計10回の指名手配が行われました。
地元から逃れて3年後、程さんは黒竜江省大慶市出身の友人に会いました。その友人は、大慶市公安局に勤める友人の警察官から、「上層部からの密命で、程佩明を見つけたら即座に射殺し、死亡が確認されたら報奨金が支払われます」と聞いたと言いました。
程さんは2006年3月9日に法輪功情報サイト「明慧ネット」で、法輪功学習者が生体臓器収奪の迫害に遭っているというニュースを見て、恐怖を感じました。「病院で経験したあのことを思い出すと、全身が震えました。2か月間も、私は服を脱がずに寝ました。2004年に大慶医院で行われたあの『移植手術』の意味がわかったのです」と、程さんは声を震わせました。
2015年、程さんはタイに逃れました。その後アメリカ政府の救助を受け、2020年に無事アメリカに渡りました。CTスキャンやX線など計9回の画像検査の結果、医師は彼の肝臓と左肺が一部切除されていることを確認しました。
米国政界要人 中国共産党の生体臓器収奪を非難
アメリカの複数の政界要人が同日、声明を発表し、中国共産党の生きた人からの臓器摘出という人道に反する犯罪行為を強く非難しました。
トランプ前政権で国際宗教自由大使を務めたサム・ブラウンバック(Sam Brownback)氏は声明で、「生きたまま臓器を摘出する行為は極めて野蛮であり、即刻停止されるべきです。中国共産党のこの野蛮な行為は罰せられなければなりません。程さんが勇気を持って立ち上がり、声を上げたことを称賛します」と述べました。
前アメリカ国務次官補で法学教授のロバート・デストロ(Robert Destro)氏は声明で、「程氏の経験を知った後、国務省の東アジア・太平洋地域の担当者にこの事件を調査し、程氏の状況を詳しく調べるよう指示しました」と述べました。デストロ氏は、「中国では、国家の支援と奨励の下で(生体臓器摘出が)行われているという大量の証拠があります。全ての善良な人々はこの行為を非難すべきです」と述べました。
ニュージャージー州のボブ・メネンデス(Bob Menendez)上院議員(民主党)は声明で、「中国は不法に拘束されている法輪功学習者を直ちに釈放し、彼らが尊厳を享受し、敬意をもって扱われ、信仰を実践できるようにすべきです」と述べました。
6月25日、アメリカ下院は「法輪功保護法案」を全会一致で可決しました。同法案は、中国共産党による法輪功への迫害を非難し、中国共産党による法輪功学習者の生体臓器収奪の犯罪を非難し、生体臓器収奪に関与した者に制裁を科すものです。同法案はまた、中国共産党による法輪功への迫害を直ちに停止するよう要求しています。
(翻訳・銀河)