2024年6月25日、アメリカ議会下院は『法輪功(ファールンゴン)保護法案』を全会一致で可決しました。この法案は中国共産党当局に対し、法輪功への迫害を直ちに停止することを要求し、アメリカ政府に対して中国共産党の強制臓器摘出の停止を求めています。また、アメリカ政府が中国国内で生体臓器収奪に関与し、協力した者に制裁を科すことも求めています。制裁内容には財産の凍結、入国禁止、経済制裁、刑事罰などが含まれます。
今後、この法案は上院に送られ、可決後に大統領が署名することで正式な法律となります。
中国官界に激震
では、この法案は中国共産党関係者にどのような影響を与えるのでしょうか?
ある元中国共産党幹部は、「この法案は中国共産党官界に衝撃を与えることは間違いない。 自分が犯した罪を知っている者は緊張と恐怖を感じ、中には混乱して引き下がる者もいるだろうが、捨て鉢になる者が出てくる可能性も否定できない。 一方、中国当局は必ず対抗措置を講じるだろう。 現段階では、米国に対して明示的・暗示的に強要し、法案を法律化させないようにすることに力を注ぐだろう。法律化された後も、中国当局は様々な手段を講じて、米国による法案の実施を阻止するだろう」と述べています。
法案がアメリカ下院で可決された後、『看中国』の記者は中国の山西省、四川省、湖南省などの共産党幹部に電話でインタビューを行いました。彼らの中には、このニュースを知っていて、自分は自分の管轄区内の市民を迫害することはしないと言う者もいれば、自分の名前が国外に伝わったら、将来どうやって生きていくのかと不安を抱いている者もいました。また、非常に後悔しており、二度と悪いことはしないと示した者もいました。 もちろん、どうしたらいいのかわからない者、電話に出るのを避ける者、電話に出たけれども怖くて話す勇気がない者もいました。
法案はまだ正式な法律にはなっていませんが、すでに中国共産党関係者に対して強力な抑止効果を生んでいます。 過去に中国共産党の官僚たちがこのようなことに対して行った対応を振り返ると、彼らが今、心の底でどれほどパニックに陥っているかが想像できるでしょう。
各国に提出された迫害加担者リスト
これまで、海外在住の法輪功学習者たちは、法輪功学習者への迫害に関与した中国共産党関係者のリストを不定期に各国政府に提出してきました。例えば、2023年7月、法輪功学習者たちは一部の迫害加担者リストを44か国の政府に提出しました。これらの国には、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドのファイブ・アイズ諸国、欧州連合の全27か国、そして日本、韓国、インドネシアなどのアジア諸国が含まれています。
当時、法輪功の情報サイト「明慧ネット」は、迫害に関与した117,193人の中国共産党幹部のリストを収集し、彼らの個人情報と迫害行為を詳細に記録しました。
2024年4月、法輪功迫害追跡国際調査組織(追査国際、WTOIFG)は、81,340人の迫害加担者を含むリストをアメリカ連邦捜査局に提出しました。その中には、法輪功学習者の強制臓器摘出に関与したとされる幹部が9,011人、中国のゲシュタポ組織「610弁公室」関係者が9,109人、政法委員会関係者が11,157人、そして迫害を計画・実行した責任者52,063人が含まれています。彼らは中国共産党の各級党委員会、政法委員会、610弁公室、軍、武装警察、公安部、検察院、裁判所、司法部、刑務所、病院などの部門に所属しています。
例えば、強制臓器摘出に関与したとされる関係者22人の中には、元中国衛生部副部長の黄潔夫(こう・けつふ)、杭州樹蘭医院院長の鄭樹森(てい・じゅしん)、天津市第一中心医院臓器移植センター主任の沈中陽(しん・ちゅうよう)、北京武警総医院肝移植研究所移植外科副主任の陳新国(ちん・しんこく)、第二軍医大学東方肝胆外科医院院長の呉孟超(ご・もうちょう)、解放軍第309医院臓器移植センター主任の石炳毅(せき・へいき)などが含まれています。
共産党幹部を怯えさせる二つのリスト
これらのリストが各国政府に提出されたというニュースが報道されると、中国国内の官界に大きな衝撃が走りました。
当時、政法委員会と「610弁公室」に勤務していたある共産党幹部は、地元の法輪功学習者に接触し、「償いをしたいので、自分の名前をリストから削除してほしい」と頼みました。その後、この幹部は自分の管轄区域内で拘束されていた全ての法輪功学習者を釈放しました。追跡国際組織はこの事実を確認した後、彼の名前をリストから削除しました。
もう一人の「610弁公室」関係者は、親戚の親戚を通じてニューヨークに連絡を取り、自分の名前をリストから削除してほしいと要請し、法輪功学習者を秘密裏に保護することを約束しました。追跡国際組織は、彼が確かにいくつかの善行を行ったことを確認した後、彼の名前をリストから削除しました。
現在アメリカに住む山東省青島市出身の法輪功学習者梁桂郁(りょう・けいゆう)さんは、青島市即墨区(そくぼくく)で迫害や強制臓器摘出によって死亡した複数の法輪功学習者の名前を知っており、迫害に関与した政法部門の一部関係者の名前も知っているといいます。梁さんはアメリカに逃れた後、毎日仕事が終わった後、中国の警察や検察、裁判所の幹部に電話をかけ続けています。電話するたびに感じることは、彼らの多くは非常に恐れていて、電話に出ることを避けていたといいます。「迫害に関与した人々は、自分の悪行が暴露されるとパニックに陥り、隠蔽して迫害を正当化するための様々な理由や口実を見つけようとする。実際、彼らは皆、中国共産党が終わりを迎えつつあることを非常によく理解している」と、梁さんは述べています。
日本の議員が政府に追随を呼びかけ
大紀元の7月2日の報道によると、アメリカ下院が『法輪功保護法案』を可決した後、日本でも複数の議員が政府に対して直ちに追随し、中国の人権を保護し、中国共産党による法輪功弾圧を制止するための関連法案を制定するよう呼びかけました。
二十年以上前に法輪功学習者の救出活動に参加した元衆議院議員の中津川 博郷(なかつがわ ひろさと)氏は、法輪功のために声を上げ続けており、この法案の通過を知ったときに非常に感激したといいます。
中津川氏は「アメリカが法案を通過させたとき、感動して涙が出た。もし日本にも海外(中国)での臓器移植に関与する者がいれば、それは犯罪である。日本の政治家、警察、司法機関がその責務を果たさなければ、私は彼らを恥ずかしく思う」と述べました。
大阪府枚方市の田口敬規(たぐち よしのり)議員、大阪府堺市の西川良平議員、神奈川県茅崎市の水島誠司議員、京都府亀岡市の平本英久議員など、複数の議員たちが賛同を示し、「日本政府は速やかにアメリカに追随し、法律を正義の力と連携させ、人権侵害行為を排除し、迫害のない世界を実現するべきだ」と訴えています。
(翻訳・銀河)