中国経済はすでに厳冬に突入
中国経済はすでに厳冬に突入し、広州や香港などの一流都市でも稀な現象が現れています。
最近、中国のソーシャルメディアでは、飲食業界のセルフメディアが北京の2つの有名なミシュランレストランが閉店したことを伝えました。一つは「北京イタリア料理の頂点」と称されるOpera BOMBANA、もう一つは有名な「西洋料理の老舗」とされるTIAGOです。実際のところ、過去半年間でさまざまな理由で自らまたは仕方なく閉店した高級レストランはこれだけに留まりません。
中国のSNSアプリ「小紅書(シャオホンシュー)」で検索すると、全国各地の一流の西洋料理レストランが次々と倒産していることがわかります。成都SKPグルメアベニューがオープンした当初、多くのレストランが一人当たりの消費を1000元(約22000円)以上を目安にしていたが、今年はすでに一人当たり300元(約6500円)までに減少し、多くのレストランが200元(約4300)以下のセットメニューを提供しています。
端午の節句(6月10日)前後に公開された動画では、広州市の有名な歩行者天国の上下九歩行街の惨憺たる状況が映し出されています。動画では、通り沿いの多くの店舗がすでに閉店し、シャッターを下ろしている様子が映っています。動画を撮影したブロガーは、自分の目を疑うほどだったと述べています。以前はここの店舗を手に入れるのが難しかったが、今では老舗でさえ閉店し、営業している店舗も閑散とし、客がほとんどいない状況です。
ラジオ・フリー・アジアは13日、香港の惨状を報じ、銅鑼湾(コーズウェイベイ)、尖沙咀(チムサーチョイ)など4つの繁華街でも借り手が見つからず、香港の不動産市場が崩壊し、新たな経済危機が逼迫している可能性があると伝えました。
この報道では、尖沙咀の繁華街の物件が半額で売りに出されても買い手がつかず、銅鑼湾利園山道の「店舗の王」と称される店舗の家賃が最盛期の230万香港ドル(約4700万円)から12.8万香港ドル(約230万円)に急落し、94%の下落を記録したことが明らかにされました。
香港の恒隆集団の子会社である恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ)の名誉会長、陳啓宗氏は、最近ある経済フォーラムに出席した際、「市場全体が地獄にいるようだ」と率直に指摘しました。
香港の「有線財経テレビ」の元社長である顔宝剛氏は、香港市民が相当な投資を不動産に注ぎ込んでおり、不動産価値が下落したことで財産が減少し、それが消費の縮小を引き起こしていると分析しました。そのため、香港の資産市場全体が「崩壊」の兆しを見せています。
経済危機と社会の混乱
中国全土を巻き込んだこの一連の経済危機は、社会の混乱を一層深刻にしています。中国当局の地方幹部や警察による権力の乱用と相まって、国民の怒りは爆発寸前です。
網易(ネットイース)は最近、遼寧省、山東省、河南省、山西省などの農村で、村民が村の役人を殺害する事件が相次いで発生しているとの記事を掲載しました。あるネットユーザーは、これからは河に飛び込んで自殺するのではなく、直接国民を苦しめる地方役人を殺すようになるだろうと、記事のコメント欄に書き込みました。
セルフメディアの章立凡氏は、このような官吏殺しの現象が大きな転換点の到来を示していると述べました。庶民の蜂起が始まり、火の手が広がる勢いになる可能性があると述べました。
続く米中冷戦
中国経済は深刻な不況に陥り、中国当局はこれを救う力がありません。これはまた米中冷戦と重なっています。
米国在住の中国経済学者、程暁農博士は最近、ラジオ・フリー・アジアで掲載した記事で、中国共産党自身が始めた米中冷戦について論じました。
程氏は、米中冷戦は米ソ冷戦の後に起きた2つ目の冷戦であると述べました。
程氏によれば、核兵器を保有する共産主義大国が経済的に自信を建て、経済成長がやや速くなる段階に入ると、対外拡大や敵対するという共産主義体制の本質を発揮する可能性があるとのことです。米中冷戦も米ソ冷戦と同じく、共産主義大国によって火がつけられたものです。
程博士の見解によると、中国共産党が米中冷戦に火をつけたのは2020年1月のことです。当時、中国共産党の艦隊は、米軍が防衛している太平洋の真ん中にあるウェーク島とミッドウェー島の間の海域で演習を行い、台湾を攻撃する前に米軍の援軍を断つために戦うことを辞さないと公言しました。これに対し米国政府は緊急に「ルーズベルト」空母打撃群を派遣し、ウェーク島の基地建設をただちに強化しました。
続いて、中国共産党は2020年3月に南シナ海に複数の人工島を建設し、南シナ海の大部分を中国の戦略原子力潜水艦の「要塞海域」にすると発表しました。このため、中国の戦略原子力潜水艦はここで安全に隠れ、核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルで米国本土のどこでも攻撃可能となりました。
中国経済の崩壊の究極の原因
中国経済の崩壊の究極の原因について、程暁農博士の見解によると、中国経済の崩壊は主に4つの要因によるものです。
第一に、中国当局の政策と経済戦略の誤判断です。中国当局は過去20年以上にわたり、中国が「世界の工場」としての地位を揺るぎないものと誤認し、これにより中国が世界経済を支配できると考えていました。しかし、これは重大な誤判であり、実際には中国経済の脆弱性を覆い隠すものでした。
第二に、中国共産党の対外拡張主義と世界覇権の野心です。中国共産党は本質的に対外拡張と世界覇権を目指しており、この野心が中国経済の持続的な発展を阻害しました。特に2020年に中国共産党が米中冷戦を挑発したことは、中国経済にとって大きな打撃となりました。中国の軍事的な行動と国際的な緊張の高まりは、中国の経済成長を抑制し、国際的な信頼を損ないました。
第三に、経済のグローバル化の変化です。従来の「世界の工場」としての中国を中心とした「経済グローバル化1.0版」が徐々に弱まり、「中国離れ」を特徴とする「経済グローバル化2.0版」が台頭してきます。これは、中国の輸出依存型経済モデルが崩壊しつつあることを示しています。世界の企業が中国以外の生産拠点を模索する動きが加速しており、中国経済の成長エンジンが失速しています。
第四に、内部の社会不安と政治的な不安定性です。中国共産党の草の根層の役人や警察の横暴に対する国民の不満が爆発寸前であり、社会の混乱が経済活動に悪影響を及ぼしています。村民が村幹部や村書記を殺害する事件が相次ぐなど、社会の基盤が揺らいでいます。これらの社会的不安が経済の崩壊を加速させています。
以上の要因が重なり合い、中国経済は深刻な危機に直面しています。程博士は、こうした大きな国際的背景と内部の問題から、中国が現在の経済危機を乗り越える可能性はほぼゼロであり、中国共産党に待ち受けているのは滅亡だけであると結論づけています。
(翻訳・藍彧)