西アフリカに位置するトーゴ共和国の民主運動家ファリダ・ナブレマ氏は、2019年に非営利メディア組織TEDで「あなたの国が独裁政権になるリスクはありますか?」という内容の講演を行い、いくつかの特徴を挙げました。この講演のビデオが最近、中国で拡散され、民間で議論を呼んでいます。

 現在、中国でとても人気のあるプラットフォーム「ビリビリ」でこの講演を見ることができます。ナブレマ氏はトーゴが同じ家族に51年間も支配されていたことを明らかにし、彼女が13歳の時に父親が独裁政権によって逮捕され、拷問を受けたと述べました。そのため、彼女は民主運動に身を投じましたが、彼女とその家族も迫害を受け、長年にわたり帰国できない状態が続いています。

 ナブレマ氏は独裁政権にはいくつかの特徴があると述べ、最初の特徴は「中央集権」で、国家の権力が少数の人々やエリートの手に集中し、「救世主」と見なされる鉄腕の指導者が存在します。

 第二の特徴は「政治宣伝」です。独裁者は宣伝を利用して自分を「救世主」として描き、彼らがいなければ国家は分裂すると宣言します。さらに、独裁者は外国と対立していると常に主張し、国内の人々が外国勢力と接触することを禁止し、それは国民を外国の影響から守るためだと説明します。

 第三の特徴として「軍事化」です。独裁者は恐怖を煽り、軍隊を利用して異議を唱える人々の声を抑え込みます。
第四の特徴は「人権侵害」です。独裁政権は異議を唱える人々に対して残酷な方法で迫害を行い、その方法は人間の想像を超えています。ナブレマ氏は例として、トーゴの市民が指導者に異議を唱えると、国外に逃れない限り行方不明になると説明しました。

 この講演は中国本土で熱い議論を巻き起こし、多くのネットユーザーがコメントを残しています。「これは公開してもいいのか?」「この投稿はすぐに削除されるだろう」と驚きを示す人もいれば、勇敢にナブレマ氏を理解し支持する意見を表明する人もおり、中にはこれらの特徴が中国にも当てはまると指摘する人もいます。

(翻訳・吉原木子)