中国共産党は台湾を攻撃することを一貫して宣伝しているが、ある退職した中国老人は、孫が政府のために戦場で命を捧げることには賛成できないと述べました。なぜなら、政府が国民に与える困難があまりにも多すぎるからです。

中国共産党のために孫の命を捧げることを拒否

 中華民国(台湾)の賴清德(ライ・チンダ)新総統が5月に就任した後、中国共産党は台湾周辺で軍事演習を行い、台湾を威嚇し、「武力統一」を繰り返し主張したと新唐人テレビが報じました。中国の新国防相である董軍(トウ・グン)氏は6月2日、シンガポールで開催されたアジア安全保障サミット(シャングリラ・ダイアローグ)で、「誰かが台湾を中国から分裂させようとするなら、粉々にしてやる」という戦狼的な発言をしました。

 現在の台湾海峡両岸の緊張状態について、ある動画ブロガーが中国の街角でランダムにインタビューを行い、その動画がSNSで話題となっています。

 ある都市の路上で、この動画ブロガーは1人の老人に、「おじいさん、もしわれわれの国が危険にさらされ、あなたの孫が戦場に行きたいと言ったら、あなたは賛成しますか?」と尋ねました。

 この老人は「私はあまり賛成しない」と答えました。彼は、「現在の社会(中国当局)は、教育、住宅、医療などあらゆる面でわれわれ国民に多くの困難を与えている。一般の庶民は本当に厳しい状況だ」と答えました。

 老人はまた、中国共産党の幹部が国民の子供たちを弾よけにしていることを暗示しました。「なぜ多くの幹部は子供たちを外国に送り出しているのか?中国が悪いのか?」とも述べ、「私はただ実情を語っているだけだ」とも付け加えました。

 この老人の言葉は中国のネットユーザーの共感を呼び、称賛の声が寄せられました。
「このおじいさんは冷静で賢い」
「おじいさんは無数の庶民の心の声を代弁してくれた」
「本当に真実を語ってくれた」
「俺は毎月100元(約2100円)しかもらっていない。戦争が起きたら、絶対に行かない」
「非常に正しくて、率直なことを言ってくれた。毎回学校で行われる国粋主義の教育イベントの後に、子供が帰宅すると、必ず彼らに信じるなと伝えている」

中国の若者「故郷の防衛戦なら行く」

 中国の老人だけでなく、一部の若者も中国共産党のいわゆる「愛国」洗脳プロパガンダを認めなくなっています。

 同じブロガーは黒龍江省ハルビン市の若い男性にもインタビューを行い、その男性は「もし故郷を守るための防衛戦なら行ってもいいが、外で戦争なら行かない」と述べました。

 この若者が「外で戦争」とは、中国共産党による台湾への侵略戦争を指していると考えられます。つまり、この若者は中国共産党の台湾侵略戦争には参加しないと明確に述べました。

 動画のコメント欄では、多くの中国ネットユーザーがこの若者の発言を支持しました。
「本当に冷静だ」
「その通り、一部の若者の考えを代表している。家族のためには犠牲になれるけれど、他のことは・・・」
「(鉄のご飯茶碗は決して割れないことから)食いはぐれのない職業の人たち(中国共産党役人)を先に行かせろ」
中東カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」は今年3月、多くの中国の若者が台湾との戦争に参加することを望まず、「台湾攻撃で死ぬことを拒否している」と報じました。彼らは、統一よりも中国国内の経済問題を解決することの方が重要だと主張しました。

反戦投稿が話題に

 近年、中国共産党は台湾の武力統一を繰り返し宣伝しているが、国民がそれを支持していないことがみて取れます。

 今年5月には、ある反戦投稿が中国のネット上で広まり、多くのユーザーがシェアやいいねをしました。

 この投稿には次のように書かれていました。
「もし戦争が起きたら、私は行かないし、自分の子供も行かせない。私は社会の底辺にいる人間だ。平和な時には誰も私たちを覚えていないが、困難な時には私たちを思い出す。国が困難に直面している時には、全ての人に責任があると言うが、恩恵を受ける時や国家レベルの待遇を享受する時には、同等の待遇を受けていない。行きたい人が行けばいい。私は行かないし、自分の子供も行かせない」
ユーザーからは同じようなコメントが寄せられました。
「私も行かない。底辺の国民には資本のために命を捧げる義務はない」
「私は行かない。まずは指導者の子供たちが行くべきだ」
「高官の子供や妻は皆アメリカに行っている。なぜ私たちのような雑草が命を投げ出さなければならないのか」

 中国のネットユーザーは、戦争が起きたら党員が先、腐敗官僚が先、城管(庶民を苦しめる無慈悲な役人)、警察官が先に行くべきだと提案しています。

 中国政法大学の国際法修士である頼建平(ライ・ジェンピン)氏は、新唐人とのインタビューで、この反戦投稿は多くの中国人が目覚めつつあり、中国共産党政権のために弾除けになることを拒否していることを反映していると述べました。

 頼氏は、「(中国共産党が)戦争をしようとしているのは、一党一人のためのことであり、国民とは何の関係もない」、「国民は強大な外部勢力がわれわれを解放してくれることを望んでいる。われわれがどうして中国共産党のために命を捧げ、盾になろうとするのだろうか」と述べました。

 今年の2月に中国メディアが「もし祖国が必要とするなら、あなたは前線に行くか」という記事を掲載したところ、コメント欄が荒れました。

 中国のネットユーザーたちは「まず指導者に行かせろ」と次々とコメントしました。「強制徴兵されるなら、銃を手に反乱を起こす」と言うユーザーもいました。

 興味深いことに、かつて中国共産党の台湾侵攻を積極的に支持していたインフルエンサー、李毅(リー・イー)氏が最近、衝撃的な発言をしました。李毅氏はかつて「台湾の武力統一のために中国が1億4千万人を犠牲にしても、これは人類史において取るに足りないことだ」と述べました。

 人々が李毅氏の言う1億4千万人が中国の最底辺の人々を指しているだろうと推測していたところ、李毅は最近その答えを示しました。彼はある動画で「中国には9千万の党員と7千万の共産主義青年団(共青団)がいる。この決定を下した場合、まず現役の副省軍級以上の幹部の各家庭から一人の壮丁(そうてい)を出すべきだ。息子がいれば息子を、いなければ娘婿を、それもいなければ甥を出すべきだ」と述べました。

 あるネットユーザーは「李毅氏の数学はあまり良くない。9千万の党員と7千万の共青団員を合わせると1.6億人で、1.4億人ではない」と揶揄しました。また「李毅氏はあまりにも寛大だ。中国共産党に2千万人を残している」と言うユーザーもいました。

(翻訳・藍彧)