「ママ、私たちはこれからどこに住むの?」 「ママ、私たちはこれからどこに住むの?」

 この動画は、2023年7月に西安のネットユーザーが投稿したものです。彼は自分の住宅ローンを支払い続けることができず、銀行に自分の家を差し押さえられるしかありませんでした。まだ学校に通っている娘は、何が起こっているのか全くわからず、家が銀行に取られた後、自分たちがどこで生活するのかもわかりませんでした。それで、何度も何度も母親に「私たちはこれからどこに住むの?」と尋ねていました。

 中国の経済状況は低迷が続き、外国企業の撤退や中国国内企業の大量倒産により、失業率は高止まりしています。このような社会背景の中で、多くの住宅ローンを抱えた中国人は、最終的に支払いを中止せざるを得ませんでした。かつて住んでいた温かい家も裁判所によって、競売にかけられるしかありませんでした。

 中国指数研究院が発表した「2023年全国裁判所による競売監測報告」によると、2023年には全国で競売にかけられた住宅が79.6万戸に達し、歴史的な最高値を記録しました。総合データによれば、2021年には競売にかけられた住宅が15.9万戸だったのに対し、2023年には突然79.6万戸に急増しました。

 わずか2年で、競売にかけられた住宅の総量は400%も急増し、これは驚愕すべきことです。競売にかけられた住宅の急増の背後には、無数の家庭と企業が破産への苦しい道を歩んでいる現実があります。

 返済能力が全くなくなる限り、個人の家庭であれ企業であれ、誰もが自分の不動産を競売にかけることを選ぶはずがありません。特に個人の家庭にとってはなおさらです。なぜなら、個人の家庭の不動産が競売にかけられることは、個人の信用に影響を及ぼし、間接的に子供にも影響を与えるからです。

 あるネットユーザーは、自分の家が競売にかけられた出来事を共有しました。「私はパンデミック前にレストランを経営していましたが、パンデミックの影響で倒産しました。家の唯一の住まいがローンを返済できずに銀行に差し押さえられ、競売にかけられました。しかし今、不動産価格が大きく下がっており、競売で2回も値引きされ、20%引きでも売れませんでした。弁護士の費用、訴訟、仲裁、違約金などの費用も加わり、私の債務は16万元から22万元に増えました」

 単純に推測すると、2023年の競売にかけられた住宅の総量の2/3は個人の家庭に関係しているはずです。これは何を意味するのでしょうか?つまり、2023年には50万以上の家庭が破産し、住宅が競売にかけられたということです。

 これほど多くの家庭が破産し、住宅が競売にかけられることは非常に憂慮すべきことです。しかし、さらに憂慮すべきは、大幅に値引きされた競売住宅が、全く買い手がつかないことです。2023年には79.6万戸の競売住宅があったのに対し、2023年の成約件数はわずか14.9万戸で、成約率は20%にも満たないのです。

 さらに恐ろしいのは、競売住宅の低成約率は、競売住宅の価格がさらに下落することを意味します。競売住宅の価格が下がり続ければ、住宅所有者の経済的負担がさらに重くなり、彼らの債務額はさらに増加し、生活はますます困難になるでしょう。

 一部の人は、中国で市価をはるかに下回る競売住宅が大量に出回っている今が、絶好のチャンスだと考えるかもしれません。少なくとも非常に安い価格で自分の住まいを購入することができると。しかし、競売住宅を購入するリスクは想像する以上に高いのです。以下の動画をご覧ください。

 これは競売にかけられた住宅が元の所有者によって破壊された動画です。絶望に追い詰められた人々は、しばしば常識では考えられない行動をとります。かつて多大な労力を注ぎ込み、何世代にもわたる家族の財産を費やした家が、今や裁判所によって競売にかけられ、たとえ家が売れても巨額の債務を背負うことになることに耐えられないのです。

 一部の人々はこの結果を受け入れられず、家を壊しても購入した人に安く手に入れさせないという共倒れの考えを抱いて、自分の家を競売にかけられる前に自ら壊してしまいます。

 このような事件は決して例外ではありません。中国メディアの報道によれば、湖南省長沙市の周さんは、豪華にリフォーム された競売住宅を購入しましたが、現地に行ってみると驚愕の光景が現れました。家の中は荒れ果て、ドア、階段、床、天井、キャビネットがすべて壊されていました。この破壊行為を行ったのは元の所有者である呉さんです。彼は住宅ローンを返済できず、裁判所による強制執行に対して怨みを抱き、住宅を破壊したのです。

 これについて、一部の理性的なネットユーザーは、「実際、こうする必要は全くありません。裁判所が住宅を競売にかけるときは、住宅の全体的な状態に基づいて価格を決定します。このような破壊行為によって、元々100万元で売れるはずの住宅が、最終的には80万元でしか売れなくなり、結局損をするのは自分自身です。」とコメントしました。

 一方、「一部の人々は他人が自分よりも良い生活を送ることを望んでいないのかもしれません。しかし、実際には多くの人々が生活や将来に絶望しているのです。自分がかつて努力して得たすべてがなくなってしまいました。彼らが壊しているのは自分の未来と希望です。将来に絶望した人にとって、100万元の債務と80万元の債務の間には大きな違いはありません。」、「本当に競売住宅を購入することはお勧めできません。これらの住宅の背後には、法律的には正当かもしれませんが、倫理的には投機的で略奪的な感じがします。ちょっと迷信的な観点から見ると、これらの住宅には強い怨念がこもっており、敏感な人は住むのに不快に感じるかもしれません」とコメントしたネットユーザーもいます。

(翻訳・吉原木子)