最近、中国のネット上で「2024年悲惨ランキング」が広く拡散されています。不動産市場の破綻により、多くの家庭が多額の負債を抱え、一家の大黒柱である若者たちは失業によって深淵の底へ突き落とされつつあり、彼らは深刻な不安を感じています。この悲惨ランキングが人々の共感を呼んでいることは、多くの一般市民が現在の中国経済の苦境を憂慮し、不安を抱いていることを示しています。

中国の「2024年悲惨ランキング」
 最近、中国の微博(ウェイボー)で星の数で悲惨さを表す「2024年悲惨ランキング」が話題になっています。日本では一般的に星の数が多ければ多いほど良いと認識されているが、この悲惨ランキングでは星が多いほど悲惨であるとされています。

1つ星:失業
2つ星:失業+貯金なし
3つ星:失業+貯金なし+住宅ローン
4つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子育て
5つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子育て+借金
6つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子育て+借金+返済催促
7つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子育て+借金+ローン返済の催促+病気
8つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子育て+借金+ローン返済の催促+病気+親の病気
9つ星:失業+貯金なし+住宅ローン+子供育て+借金+ローン返済の催促+病気+親の病気+家の差し押さえ

 このランキングはネットユーザーの共感を呼び、一部のユーザーはさらに補足を加えました。
 星10個は9つ星+住宅価格が半値に下落。
 星11個は星10個+家が未完成物件。

 あるユーザーは、以前は仕事が見つからないことが最も苦痛だと思っていたが、2024年の悲惨ランキングを見て、失業がなんと最も一般的な問題であることが分かったのです。

 ソーシャルメディア上で多くの人が「今年は今後10年間で最良の年だ」と投稿しました。多くのユーザーがこれに同意し、「これからどうすればいいのか?」と心配するコメントが多く寄せられました。

借金まみれの大卒者
 安徽省合肥市に住むある男性は、個人メディアをやっており、ほぼ毎日動画を更新し、自分と家族の厳しい生活を語っています。彼は自分が1997年生まれで、2020年に大学を卒業したと紹介しました。専攻は金融だったが、卒業後の仕事は金融とはほとんど関係ないものばかりでした。卒業してからほぼ4年経ったが、貯金はなく、それどころか多額のローンを抱えています。

 彼は5月10日に投稿した動画で、「現在失業中で、もう1年以上安定した収入がない。毎日アルバイトで生活を維持している。日々のプレッシャーは非常に大きく、大額の住宅ローンや車のローンを負担しており、子供の養育もしなければならない。さらにネットローンも借りている。どうすれば良いか全くわからない。まさに奈落の底に落ち込んでいるようだ。今手元には100元(約2000円)しかなく、それもネットローンで借りたものだ。本当にどうすれば良いかわからない」と述べました。

 「もし家を買わなければ、子供を育てるだけでこんなに大きなプレッシャーを感じることはなかっただろう。住宅ローンのプレッシャーがあまりにも大きく、家を買ったことを非常に後悔している」

 彼は4月8日に投稿した動画で、住宅ローンが滞納してしまったため、銀行から催促メールを受け取ったと述べました。

一級建築士の年収20万元(約430万円)、昨年失業
 若者の失業率の高さは若者だけの危機ではなく、長年職場で働いてきた一部の高級専門職の人々にも影響を及ぼしています。

 上海に住むある女性は、同じく個人メディアをやっており、動画の中で2012年から夫とともに上海で働き始めたことを紹介しました。彼らは2013年に結婚し、子供を持ちました。彼女の年収は20万元(約430万円)であり、10年以内に上海で家を購入する計画を立てていました。7年の努力の末、ようやく頭金を貯め、上海で家を購入することができました。

 彼女は動画の中で、自身の修士号の卒業証書や「一級建築士」などの証書を見せ、「2023年に失業するとは思っていなかった。最初はすぐに仕事が見つかると思っていたが、後になってそれが容易ではないことに気づいた。そして失業期間が長引くにつれて、夫婦の間に葛藤が徐々に現れてきた」と述べました。

プログラマーは失業して4ヶ月、まずは生き延びる
 広東省に住む劉さん(男性)はプログラマーをしていました。彼は5月6日に投稿した動画で、「今日までに(5月6日)失業してから4ヶ月と2日がたった。旧正月後、多くの会社に履歴書を送ったが、いくつかの会社から面接の機会を得たものの、多くの場合、一次面接で落とされた」と述べました。

 5月11日の動画で、「4ヶ月以上の失業が続いているため、まず短期の仕事を探す必要があると考えている。配達会社の仕事は考えていない。なぜなら、配達会社は1ヶ月以上働かないと給料が支払われないからだ。たとえ数日以内に面接を通過しても仕事が1ヶ月に満たない場合、配達会社は給料を支払わないこともある。他の人たちは底辺の人々が生計を立てるために懸命に働く苦労を理解してくれない」と語りました。

 劉さんは自分の計画について、「4ヶ月以上失業して仕事を見つけられないのは、プログラマーという職業の市場状況が本当に悪いことを示しているかもしれない。来月も仕事が見つからなければ、故郷に戻って仕事を探すつもりだ。まず自分が生き延びられるようにし、できるだけ出費を減らし、不要な消費は一切しないで、お金をためる」と述べました。

中国当局のデータ修正でも隠せない真実
 ここ数年、中国の若者の失業率は高水準の状態が続いており、昨年の上半期には月ごとに上昇しました。昨年1月から6月までの若者失業率はそれぞれ17.3%、18.1%、19.6%、20.4%、20.8%、21.3%でした。

 昨年4月から、失業率は過去最高を繰り返しています。昨年8月、中国国家統計局は16歳から24歳までの失業率の発表を停止しました。

  今年1月17日、中国当局は再び若者の雇用データを発表したが、新しい統計データは都市に居住する若者層のみを対象としています。中国当局のデータによると、年間の全国都市部の調査失業率の平均は5.2%で、そのうち、16~24歳、25~29歳、30~59歳の労働力人口(学生を除く)の調査失業率はそれぞれ14.9%、6.1%、3.9%です。

 3月18日、中国公式が発表した2月の全国都市部調査失業率は5.3%で、1月より0.1ポイント上昇しました。

 3月20日、中国当局は統計方法を修正した後の2月の全国都市部若者失業率を発表しました。学生を除く16歳から24歳の失業率は15.3%で、初めて発表されたデータより0.4%上昇しました。これは、全国都市部の失業率5.3%をはるかに上回っており、若者の失業問題の深刻さを一層際立たせています。

 明らかに、統計方法を調整しても、中国当局が発表した公式データは依然として中国経済の回復が弱いことを示しています。

(翻訳・藍彧)