近年、中国各地で橋からの飛び降り自殺が頻発しています。最近、重慶市の長江大橋では、数十メートルごとに「警備員」が配置され、橋下では消防隊員が24時間体制で待機し、自殺を防いでいます。この橋での警備員配置は、ネット上で話題となり、ネットユーザーから疑問と嘲笑を引き起こしました。
中国の元メディア関係者、趙蘭健(ちょう・らんけん)氏は最近公開した一連の動画の中で、北京では橋周辺に警備員が配置されるのは、中国共産党や習近平氏への抗議を防ぐためであり、重慶市では自殺者を防ぐために警備員が配置されていると指摘しました。
趙氏は、中国経済の低迷により、熱狂的な性格の重慶市民が強く抑圧され、自殺者が特に多いと述べました。中国共産党による強制的な洗脳と現実への絶望が重なり、多くの重慶市民はストレスを抱え、怒りをぶつける場所がなく、ストレスを解消できずに、「絶望した魂が次々と(重慶市の)長江大橋にやって来て飛び降り自殺する」と述べました。
動画の字幕説明によると、重慶市では最近、多くの人が複数の橋から川に飛び込んで自殺しており、現在、消防士が多くの橋の下に24時間体制で待機しています。動画では、小舟に乗って待機している消防士の姿が確認でき、10人以上が2組に分かれて岸辺に座り待機している消防士の様子も映っています。橋の上では、数十メートルごとに緑の上着を着た「警備員」が配置されています。動画の字幕には、夜中でもパトロールが行われ、自殺を防いでいる様子が示されています。
趙氏は、「悲惨な現実が重慶市政府に大きな圧力を与えており、重慶市は全国的に有名な自殺の都になりかけている」と述べました。経済の低迷と予算削減の中で、当局はやむを得ず「橋での自殺防止専用警備員」という新たなチームを設立しました。重慶市の各橋では、自殺防止専用警備員の人数が多く、配置区間の密度も高いです。
趙氏はまた、「重慶市当局が真剣に自殺を防ごうとしているにもかかわらず、効果を上げられていない。毎日飛び降り自殺する人が絶えない。長江(揚子江)には多くの遺体が浮かんでおり、消防署では引き上げきれないほどだ。大量の時間が移動に費やされるのを防ぐため、消防士たちは岸辺にキャンプを張り、飛び降りた人々の遺体を待ち構えている。現在、重慶市全体に悲しみと絶望の状態が漂っている」と述べました。
中国の網易(ネットイース)の「看暁天下事(かんしょうてんかじ)」アカウントは5月15日、最近の重慶長江大橋では50メートルごとに警備員が配置され、深夜3時半でも巡警が待機していると投稿しました。長時間の待機に備えて、巡警は椅子を用意し、トランシーバー、懐中電灯、反射ベストなどの装備を持っています。
これに対して、中国のネットユーザーからは批判や嘲笑するなどのコメントが寄せられています。
「問題の根本を解決すべきであり、なぜ彼らが飛び降りるのかに注目すべきだ。多くの人が飛び降りているのを社会は反省する必要がある!」
「これは応急処置であり、警力の無駄遣いだ」
「(政府は)脳みそが働いていないだけだ」
「実際の問題を解決せず、人力と時間を浪費するだけの面子のための行動だ」
「飛び降り自殺を防ぐためではなく、献花をさせないためだ!」
X(旧ツイッター)のユーザーは、「いつか橋を警備する人自身が絶望してしまったら、真っ先に飛び降りてしまうかもね!」とコメントしました。
中国各地で橋から飛び降りて自殺する人が増えているため、各地の橋で警備員が配置されています。
あるXユーザーは動画投稿で、「中国共産党が支配する国はこの世の地獄に堕ちた。5月5日には四川省の宜賓大橋でも警備員が配置された。5月14日には、重慶市の長江大橋に50メートルごとに警備員が配置され、飛び降り自殺を防いでいる」と述べました。
重慶市だけでなく、広西チワン族自治区南寧市の六律邕江(りくりつようこう)特大橋では1カ月で6~7人の飛び降り自殺がありました。ネットユーザーは「中国共産党の政治的圧力、社会的圧力、生存への圧力が国民を追い詰めている」と述べました。
橋からの飛び降り自殺者の多くは若者で、飛び降りを「クール」だと考え、流行に乗ろうと煽られていると主張する投稿者がいます。
明らかに世論を誘導しているこの動画に対して、動画のコメント欄で、「流行に乗っただけなのか、それとも社会のモラルが本当に悪化しているのか」と疑問を呈したネットユーザーがいました。また、「でたらめだ。橋から飛び降りなくても、ビルから飛び降りることもできる。私が住んでいる団地では何人も飛び降りた。どう説明するのか」と問う人もいました。
さらに「なぜ扇動されたに違いないと断言するのか?他の理由である可能性もあるではないか?飛び降りの背景を探らず、ただ煽られたと言うだけでは解決にならない」と批判する声もあれば、「流行に乗ることが問題なら、社会の安定を保つために一人一人に『飛び降りない』という契約書を書かせるべきだ!」と皮肉を交えて述べる人もいました。
中国の伝統的な仏教や道教の文化では、自殺は殺生(せっしょう)と見なされ、絶対に禁止されています。宗教は、死ぬべきでない命を殺すと、それを行った者が殺された者より大きな苦しみを被ることを人々に教えています。したがって、宗教は実際に人間の道徳を維持し、人々に殺人や自殺をしないよう教えています。
しかし、中国共産党の立党の根幹は無神論と進化論です。無神論は、人が一生しかないと説き、輪廻転生を恐れないことを宣伝します。中国共産党のこの特性は、命を軽視し蔑視することを決定しているため、中国共産党に洗脳された者は、殺人をまったく気にせず、自殺も気にしません。
中国の公式メディアは、常にその事柄のみを論じ、残酷な現実の裏に隠された真実を掘り出す勇気がなく、むしろ恐れています。彼ら(中国共産党)は表面的に社会の暗部をも非難するが、大規模な自殺の根深い原因には触れず、中国共産党の支配がもたらす深刻な弊害については一切言及しません。
人々が大規模な自殺の真の原因を掘り下げ、多くの中国人の自殺が中国共産党の支配と密接に関連していることに気づいたとき、初めて中国共産党の邪悪な支配が中国の国民にもたらす恐怖と危害の深刻さが見えてくるのです。
(翻訳・藍彧)