中国では毎年多くの子どもが失踪しており、ネット上では子供たちが臓器狩りに遭っているのではないかと疑う声が後を絶ちません。最近では臓器狩りのための手段もハイテク化しており、拉致専用の車両が路上に出現し、歩行者は誰にも気づかれないまま車の中に吸い込まれるとのことです。

 中国の元メディア関係者、趙蘭健(ちょう・らんけん)氏は4月28日、中国で臓器狩りを目的とした「拉致用車両」が出現したとする動画とスクリーンショットを公開し、この社会ではすでに「無差別殺人」が可能になったとコメントしました。投稿された映像からは、路上での拉致がすでに「全自動化」になっていることがわかります。
 趙蘭健氏は、「これは、路上で人を捕まえて、生きたまま臓器を強制摘出して売買するつもりなのか?本当にこのような専門的で大規模な設備がすでに登場しているのか?これは世界初なのか?人さらいのために、専用車両まで造ったのか?臓器摘出がもっとやりやすいように?」と疑問を呈しています。

 ネット上には、ネットユーザーらのチャットのスクリーンショットが投稿されました。
 「先ほど、ある投稿を見たけど、この種の自動車はロープのようなものを発射して、人を引っ掛けて車の底から中に引きずり込む。まるで強い吸引力によって吸い込まれるような感じで、隣の人が助けようとすると2人とも吸い込まれる。恐ろしすぎる!」
 「その通りだ。私も見たが、ある男性が奥さんを乗せて電気バイクを運転していたが、奥さんがこの種のロープに引っ掛けられ、引きずられて行った。男性が必死に助けようとした所、二人とも車の中に吸い込まれていった。一昨年には救急車のような車がこのようなことをしていた。怖すぎる」
 「ロープは見えないようになっている」
 「この方法だと、至る所にある監視カメラからも逃れることができ、行方をくらますことができる」
 「すでに最もクレイジーなとこまで来ている」

 動画によると、男女が電動スクーターに乗って走っていましたが、女性が狭い道路の上を猛スピードで引きずられています。男性が女性を捕まえて手を離さないと、2人とも道路脇にとまっていた白い箱型トラックに吸い込まれていきました。
 別の映像では、歩道を歩く2人の女性のうち1人が突然、左足を縄に引っ掛けられ、謎の力によって引きずられていきました。あるネットユーザーは、「行方不明になっている子供たちも、このような方法で連れ去られたのか?」と疑問を呈しています。
 なお、上記の動画コンテンツについては、その詳細や具体的な時間、場所などを確認することはまだできていません。

 これに対して、ネットユーザーからは、様々なコメントが寄せられました。
 「これがまさに地獄だ、恐ろしすぎる」
 「人間のやることではない!」
 「恐ろしい!露骨にやっている!」
 「防ぐにも防ぎようのない乱れた世界だ!」
 「人々の耳目を覆うため、臓器狩り専用車両まで開発した。目的は残忍さを隠蔽するためだ」
 「共産匪賊は罪深い。人に害を与えることしか考えていない。邪悪すぎる」
 「強奪と拉致は世界一だ」
 「人の腎臓を盗って金儲けで売るために、中国共産党は何でもする」

 ネットユーザーの「浅見真言」は、「臓器を奪われて死亡した高校生の胡鑫宇(こ・きんう)さんのような事件は、中国の各地で毎日発生している。この地球上でかつて見たことのない邪悪なことだが、中国共産党は悪事を働いた加害者を追究しないだけでなく、中国中央テレビ(CCTV)、人民日報、インターネット情報弁公室などの国の宣伝機関を使って、偽情報を流して犯罪者を匿(かくま)っている。被害者の親族など、真相を暴露した人はかえって逮捕されるなどの迫害を受けている。本当に邪悪すぎる。善悪には必ず報いがある。中国共産党が潰れなければ、天が許さない」と書き込んでいます。

 ショート動画アプリTikTok(ティックトック)の中国版に、4月29日に投稿された動画には、救急車を改造した車両が映っており、人々は中国で多発している児童失踪事件と関係があるのではないかと疑問視しています。河南省、陝西省西安市、江西省樟樹(しょうじゅ)市などのネットユーザーは、彼らの地元でもこの種の偽救急車が現れたことがあるとコメントしています。多くのネットユーザーは、「他の車はナンバープレートがないと取り締まりを受けるが、救急車はナンバープレートがなくても誰もチェックしないのか?」「天眼システム(街頭監視カメラシステム)は一体何のためにあるのか?」と疑問を呈しています。

 中国の官製メディアが報じたところによると、李強首相は昨年12月、国務院令に署名し、「人体臓器提供および移植条例」が2024年5月1日から施行されると発表しました。当局は2007年にも「人体臓器移植条例」を公布しました。しかし、近年、臓器提供・移植業務はいくつかの「新たな状況、新たな事態」に直面したため、当初の規定が改訂されることになったとしています。

 これに対し、カナダの著名な人権派弁護士デービッド・マタス氏は、ラジオ・フリー・アジアの取材を受けた際、中国の臓器提供管理センターに登録しているドナーは非常に少なく、「当局の発表したドナーのデータはまず検証のしようがなく、ドナー数の増加傾向は、数式に準拠して計算されたように見える」と指摘し、当局のでっちあげであると疑われていると述べました。マタス氏はさらに、「中国では脳死に対する明確な定義がないため、生きている間に臓器を摘出することが可能で、それを理論上で『献体』と呼んでいる」と指摘しました。

 北米の開業医である楊さんも、ラジオ・フリー・アジアに対し、中国の臓器移植手術の半数は軍病院で行われていると語りました。この点が他の国との最大の違いで、「ひとたび軍が関与すると、各省・市の監督や赤十字会などは出る幕がない。では、軍が獲得したドナーはどこから来るのか?それを明らかにすることはありえない」といいます。楊さんは、「中国の臓器移植は庶民のためのものではなく、支配者階級のためのサービスである」と考えています。

 3月29日、ソーシャルメディア「X」に恐ろしい動画が掲載されました。 中国に住むある青年は、自分のQRコード決済サービス「アリペイ」が勝手に臓器提供団体に紐付けされており、臓器提供に同意したことになっていることに気づいたといいます。つまり、知らぬ間に臓器ドナーとして登録されていたのです。男性は、このような登録をした覚えはなく、「4日前に広州で健康診断を受けたことがあるが、その後に臓器ドナーとして登録されてしまったようだ。このことがあってから、この先大丈夫なのか本当にわからない」と述べています。

 2023年、中国共産党の官製メディア「中央電視台」は、「中国の人体臓器配分・共有コンピューターシステムを通じて、患者に最も適合するドナーのリストが数秒以内に自動的に算出される」と報じました。 これを受け、中国では多くの若者が自らを「歩く臓器バンク」と揶揄しています。

 2024年の時点で、アリペイの中国でのアクティブ・ユーザーは10億人を超えています。一部の人々にとっては、この10億人の中国人は「歩く臓器バンク」であり、必要な時は、誘拐用の専用車両を使って路上からさらってきたら、ドナーとして使えるのです。

(翻訳・銀河)