成都市のある農民工(非農業の仕事に従事する,農業戸籍者のこと)が60代の四川の貴婦人の車に触れて、1万元の賠償を要求されました。さらに、貴婦人は「私の息子は市長」と脅かしました。この事件は民衆の怒りを引き起こし、瞬く間に社会の焦点となりました。

 成都市長融街で12日、農民工の張さんは駐車中のジープ車を通り過ぎる際に、何気なく車に触れました。車の持ち主である羅さん(60代の女性)がそれに気づき、すぐに車から降りてきて、「農民工の貧乏人には触れられない」と非難しました。その後、羅さんは車の後方に傷があることに気づき、張さんに1万元の賠償を求めました。張さんは、その傷は自分がつけたものではないと主張しました。

 両者の言い争いがエスカレートすると、羅さんは張さんに平手打ちを食らわせ、「私の夫は役人で、息子は市長だ」と叫び、張さんを脅かしました。羅さんの言動は周りの民衆の怒りを招き、人々は自発的に羅さんとジープ車を取り囲み、張さんに味方しました。

 その後、成都市当局は大量の警察を現場に派遣しました。20人以上の警察が輪になって羅さんのジープ車を保護しました。白いシャツを着た高階級の警察官も現場に駆け付けました。その後、張さんは警察官に連行されました。

 一方、民衆が阻止したため、羅さんは自分の車を運転して現場を離れることができませんでした。

 その後、羅さんは警察の保護の下、パトカーに乗って現場を離れ、ジープ車はその場に残されました。

 しかし、怒り狂った民衆は現場を去らず、警察の車とジープ車を囲み、「張さんを釈放せよ」と要求しました。

 一部のネットユーザーは、この事件の背景には、官員やその家族が公権力を私的な特権に変え、それを用いて民衆を虐げているという事実があり、これが民衆の怒りを引き起こす根本的な原因であるとされています。

(翻訳・吉原木子)