先日終了した5月大型連休において、中国国内の旅行者数が再び記録を更新し、2億9500万人に達しました。2019年同期と比べて28%増加しています。中国経済は水準が大幅に低下しているため、多くの人々が費用を節約するためにマイカーでの旅行を選びました。しかし、インフラや製造技術の未熟さから、多くの電気自動車のオーナーがトラブルに見舞われ、中には命の危険にさらされることもありました。

 中国メディアの報道によると、高速道路のサービスエリアにある充電スタンドの数が限られているため、多くの人々が充電スタンドを巡るトラブルに巻き込まれています。ネット上に投稿された動画によると、少しでも早く充電できるように多くの人が充電スタンドの周りに並び、他の人々の不満を引き起こしています。並んでいる他の電気自動車のオーナーたちは「順番を守らずに充電しようとするのは困ったものです。充電をするにも場所を奪わなければならず、口喧嘩ができないと充電すらできません」と無念そうに語っています。

 別の動画では、ある電気自動車のオーナーが充電スタンドを確保するために、地面に寝そべって場所を占有している姿が映っています。一部の人は、「前に並んでいる人が多すぎて、ずっと先まで見えない。場所を奪おうにも、その資格すらない」と話しています。

 それに加えて、旅行者数が非常に多いため、多くの場所で高速道路の大渋滞が発生しています。電気自動車のオーナーたちは「普段、ニュースでは電気自動車がいかに素晴らしいかと報じられているが、渋滞のとき、ガソリン車のドライバーは車内でエアコンを楽しんでいる。しかし我々電気自動車は、いつまで渋滞するかわからないため、エンジンを始動させることもできない。もし途中で電気が切れたらどうすればいいのかわからない」と嘆きました。

 充電スタンドの不足や航続距離の問題に加え、電気自動車のオーナーの中には命の危険に直面した人もいます。電気自動車の安全性は以前から疑問視されていました。今年の大型連休中、路上で突然電気自動車が自然発火する動画がネット上で多く出回っています。

 中国メディアの報道によると、ある電気自動車が運送中に突然発火し、火は短時間で広がり、トラック上の他の電気自動車にも波及しました。これは路上の車両や歩行者に大きな脅威を与えました。

 電気自動車は環境保護とエネルギー節約の面で明らかに利点がありますが、バッテリーパックや高電圧回路などの特殊な構造のため、故障や事故が発生すると、発火事故を引き起こすリスクが高くなります。航続距離やインフラの問題もあり、電気自動車が発展するにはまだ長い道のりがあります。

(翻訳・吉原木子)