中国経済が持続的に低迷する中、今多くの高級レストランが経営困難に陥っている一方で、低価格の食べ放題が中国全土で急速に人気を集めています。昨年、「淄博バーベキュー」に殺到した多くの人々は、最小限の費用で最大限の料理を楽しむことを目指しています。現在、中国の多くの大都市では、海鮮や焼肉の食べ放題が驚くほどの安い価格で提供されています。

 1人あたり100元(約2000円)余りで、海鮮と焼肉の食べ放題を心ゆくまで楽しめます。

 手頃な価格で200種類以上の海鮮や牛肉、羊肉を含む食べ放題を提供する格安海鮮食べ放題。1人あたり数十元(数百円)で楽しめます。これらの食べ放題は本当に値段以上の価値があるのでしょうか?

 日本料理で10年の調理経験を持つこの男性が、安い海鮮食べ放題の裏側を説明します。
男性:(海鮮が)空っぽになりました、もう少し足してください。 
(店の調理スタッフが厨房からサーモンを追加した) 
男性:これは新鮮なエビですか? 
店員:はい、新鮮なものです。
男性:このジュースは搾りたてですか?
店員:はい、搾りたてです。 
男性:イチゴジュース、マンゴージュースですね。
男性:このチキンスープは今日煮込んだものですか?
店員:はい、そうです。
男性:取りました。では、1つずつ味見してみましょう。ここで選んだこれらの魚は、種類の中でも特に悪質なものを良質に見せかけることが多いです。これを見てください、これはニジマスです。サーモンは大きくて、脂がのっていて肉厚で、筋が粗いです。一方、ニジマスの肉筋が乱れがちで、脂肪が少なめです。

 あなたがレストランで食べているラム肉は本当にラム肉だと思いますか?市場で売られている新鮮なラム肉は500グラムあたり50元(約1000円)もするが、火鍋レストランでのラム肉は500グラムあたり30元(約600円)程度です。多くの火鍋レストランで提供されているラム肉ロールには実際にはラム肉が含まれていません。それらは大量にパッケージされたもので、仕入れ価格は500グラムあたり5元(約100円)です。これらのラム肉ロールは、さまざまな肉の端切れに香料、保水剤、防腐剤を加え、合成後に冷凍して切り出されます。一部の店では、数年間冷凍された鴨肉を使用しているが、悪徳業者はリンパの切れ端を使用します。これらの肉は、さまざまな添加物を加えた後、本物のラム肉よりも美味しくなります。

 最近、「ヘキステック」という言葉が中国のネット上で非常に流行しています。この言葉はもともとゲームで使用される科学技術を指すものでしたが、現在では様々な食品添加物を加えて作られた美味しい料理を指す一般的な用語として使用されています。

 濃厚な鶏ガラスープの「ヘキステック」製法をご紹介します。

 沸騰したお湯に、成長ホルモンを使用して育てられた三黄鶏(サンファンツィー)を入れ、少し煮込みます。この時点では、鍋の中は透明なスープで、まだおいしい鶏ガラスープのようには見えないが、心配不要です。この「黄金スープペースト」を加えることで、親鶏で煮込んだ鶏ガラスープよりも美味しい味わいにかわり、クリアな水が瞬時に香り高い黄金色の濃厚なスープに変身します。さらに、鶏油の風味料を少量加え、ナツメとクコの実を投入することで、一層の高級感が演出されます。製造コスト5元のものが68元(約1500円)で売られます。この鶏ガラスープの見た目はいかがでしょうか?味も見た目も申し分ありません。

 ミルクティーにミルクや紅茶は必要ありません。ぶどう糖シロップ1スプーン、塩化物1スプーン、タロイモの香りの精油1滴を混ぜ合わせると、濃厚なタロイモミルクティーが完成します。

 ミルクティー業界では、新鮮な牛乳の代わりにクリーミングパウダーを使うことは公然の秘密です。専門家によると、クリーミングパウダーの製造過程では1滴の牛乳も使用されていないとのことです。クリーミングパウダーに含まれるトランス脂肪酸は健康に非常に悪影響を及ぼし、冠状動脈性心臓病を引き起こすリスクが高いです。

 牛肉も実際には必ずしも牛肉を含む必要はありません。肉の端切れ、鶏肉、大豆からつくられた繊維状植物性タンパク質、牛肉風味の粉末、キャラメル色素をよく混ぜ合わせてオーブンで焼くと、見た目が大きな牛肉の塊になります。

 デンプンソーセージは、デンプン、バーベキュー風味の油、赤い色素などを組み合わせて作られます。

 高価な燕の巣も「ブラックテクノロジー」から逃れられません。ゼラチンシートとクリーミングパウダーを使って作ったものです。

 ハチミツは麦芽糖と白砂糖で煮て作ることができ、お好みのフレーバーの香料を添加すれば完成です。

 価格競争の中で利益を確保するため、中国のレストランでは大量の偽造食品の使用が一般的になっています。中国では毎年偽造品の取り締まりを呼びかけ、3月15日は消費者権利デーとして設定されているが、偽造品の問題が依然として増えています。あるネットユーザーは、この消費者権利デーは外国人向けのショーであり、同時に中国の民衆を惑わせるためのものだと述べました。

 中国での偽造品問題は政府によって放置されており、経済成長を最優先とする社会的状況の中で、多くの中国人がこれを当たり前のこととして受け入れています。中国共産党の幹部は、政府が経済成長を達成できるよう税金を納めさえすれば、偽造品の生産や倫理的な問題について考慮する必要がないという認識を持たせようとしています。このような状況は、社会全体の倫理観や道徳的基盤を弱めることに繋がっていると考えられます。

 北京で創業された漢方の会社で350年の歴史を持つ老舗『同仁堂』には、「修合無人見、存心有天知」とう古い対句があります。これは、「誰も見ていない、あるいは監督がない状況でも、心に反することをせず、行動しよう」という意味です。薬の製造プロセスは誰も見てないが、自分の良心と神様は自分がやったことをすべてわかるということを示しています。「修合」という言葉は中国王朝北宋時代から使われる単語で、漢方薬の採集、加工、調合などに関することを指す専門用語です。

 中国人の現在の心理状態や、解決が難しいとされる偽物問題について、ある分析では、その根源は中国共産党の支配にあるとされています。中国共産党は、数十年にわたる党文化の教育の下で、社会全体のモラルを腐敗させ、多くの中国人がいわゆる「天の理」の存在を信じなくなりました。一部の中国人は「良心はいくらの価値があるのか?」と考えるようになり、伝統的な価値観が欠如しているため、多くの人々が利益を最優先に考えて行動しています。また、中国当局による偽物への取り締まりは、実質的に問題を解決することができていません。したがって、中国共産党を捨て、伝統的なモラルを復活させ、正直な人々が公正に扱われるような社会にすることが、食品安全を含む多くの問題を根本的に解決する唯一の方法だとされています。

(翻訳・藍彧)