中国国内では最近、ある動画がネット上で話題となっています。動画の中で、あるブランド戦略コンサルティング会社の創業者(女性)は、多くの病気を治療できる処方箋が利益グループによって金庫に保管されており、彼らは「飲めばよくなり、飲まなければ悪くなる」薬を製造することしか考えていないことを明らかにしました。そのため、彼女は一般大衆に、伝統医学や伝統文化を学ぶよう提案し、少しでも知識を得れば、少なくとも医学にまったく無知になることはないだろうと述べました。
彼女は動画の中で、ある大手医療グループから年度のブランド・プランニングを依頼されたことがあると述べました。彼女はその会社を訪れた際、そこにある大きな金庫の中には、全国各地の大学院や医療機関などから買い集められたさまざまな有効な処方箋が収められているのを目にしました。
彼女は、これほど多くの有効な処方箋があるのに、なぜ多くの慢性疾患が治らず、長期にわたる薬を服用しなければならないのか、と疑問を呈しました。
製薬会社の従業員は彼女に、「良い薬は必ずしも良い商品ではない」と回答しました。彼女はそれを聞いて驚き、怒りを抑えながら、「どんな薬が良い商品なのか?」と尋ねたら、相手は「飲めばよくなり、飲まなければ悪くなる薬こそが良い商品だ」と答えました。
彼女は、「それなら(大麻から生成される薬物)マリファナを売れば?私のブランド・プランニングは必要ないだろう」と怒って言い返しました。
台湾の経営学者で文化学者の曾仕強教授は30年も前に、「もし医師や製薬業界に携わる人たちが皆、金儲けを目的としているなら、疾患者はとても悲惨な状況になるだろう。一部の病院がすでに企業の経営方法を採用し始めている。それによって、医師の倫理が徐々に劣るようになる。彼ら(医師)はあなたの病気には関心がなく、あなたからいくら請求できるかにしか関心がないのだ」と指摘しました。
中国の電子雑誌「中国報道週刊」は以前の記事で、1990年代初めから、中国では「医療の産業化」改革が進んでいると報じました。その頃から、病院の医療費は毎年20%以上の速度で上昇し続け、同時期の住民収入の増加速度よりも4倍以上高くなっています。それ以来、病気による貧困や医療費の支払いができない事例は日常茶飯事となっています。
新疆ウイグル自治区ウルムチ市に住む3歳の劉光祥さんが熱湯でやけどを負ったが、お金が足りなかったため、4つの病院から治療を拒否され、両親に抱かれながら4時間以上も病院を探し回っている間に、最終的に死亡したと、同記事が「人民日報」の報道を引用して報じました。このような例は、中国の病院で数え切れないほどあります。
記事によると、中国では、工場の出荷価格がわずか17元(約360円)の一般的な注射剤(小箱入り)が、病院では112.7元(約2400円)で売られています。しかしながら、一部の格安薬局では、病院の価格より平均45%も安いことがあります。医療費は長い間、個別料金までに細分化され、医療費の明細書をプリントアウトすることさえも有料化されています。
中国消費者協会2003年の統計報告書によると、中国では約50%の人々が病気になっても病院に行きません。その主な理由は薬が高すぎるからです。「小さな病気は我慢し、大きな病気は耐えて、重病になったら病院に行く」という流行り言葉は、国民が医療費を支払えず、病気治療のために貧困に追い込まれる苦しさと無力さを表しています。
20年以上が経っても、状況は変わっていません。
中国人は医療保険に入っていないのか?と疑問に思う人がいるかもしれません。しかし、中国のネットユーザーは、中国の医療保険は詐欺であると明らかにしました。
中国東北部に住むあるネットユーザーは最近、「病院で1本110元(約2400円)以上するインスリンの注射剤を3本買った。インスリンをずっと使うため、わざわざ慢性疾患医療保険を申請したところ、1回目は6元(約130円)が払い戻され、2回目には66元(約1400円)が払い戻されたが、ドラックストアでは1本45元(約960円)で販売されている。医療保険を使った価格と直接薬局で購入した価格がほぼ同じだ。それなら、医療保険には何の意味があるのか?」と投稿しました。これは医療保険が国民の医療負担を軽減できないことを示しています。
最近、ネット上で、13歳の子供が自分のガン治療を放棄するよう両親を説得する動画が話題となっています。この子供は、化学療法を3年以上受け、すでに80万元(約1700万円)以上かかったと述べました。母親は彼の治療を続けるために、泣きながらあちこちに電話をかけてお金を借りなければならず、苦労している両親を見て、心が痛むと彼が語りました。
2年前に発表された「若者の病気への恐怖に関する調査報告」が話題となり、「9割の若者が自分に病気があると心配している」という調査結果が今再び注目されています。「病気になるのを恐れ、病気になる余裕がない」、「健康不安と仕事のプレッシャーが背中合わせ」という状況が、今の中国の若者の現実を反映しています。
米国在住の中国評論家、邵鐸氏は、4月11日に希望之声とのインタビューで、中国の医療は一般庶民にとっては罠であり、彼自身も病院に騙されたことがあると語りました。彼が中国国内にいた時、妻が脳出血で入院したことがあり、検査した結果、卵ほどの大きさの「脳動静脈奇形(血管のかたまり)」が見つかり、開頭手術が必要だと医師に言われました。友人の紹介で別の病院で再度診てもらったところ、まったく違う診断が出ました。
「別の病院の医師は、妻の脳動静脈奇形はわずか0.7ミリだと言った。卵と比べるとその差は大きすぎる。つまり、病院によっては患者を騙しているのだ。最初に行った病院には他にも何人かの患者がいて、彼らはすでに末期がんで、がん細胞が全身に拡散していたので、すでに手術をすべきではなかった。しかし、その病院の医師は手術が必要で、頭からがん細胞を除去すれば寿命を延ばせると言った。手術に同意した患者は、手術後1週間で患者は亡くなった。多くの病院は患者に対して無責任で、患者はただ金儲けの道具にすぎない」
邵鐸氏はまた、中国共産党の高官たちは入院することで金儲けができると述べました。「私の親友の父は広東省の高官だった。当時、彼の父親は肝臓がん末期で入院した。担当医師は彼の父親に、『これらの薬を買ってから私に売って、それから私が他の患者に売る』と言った。その薬を他の患者に売った後、2人は収益を分け合った。1錠の薬を2万元(約42万円)で売ったこともあった。月に1回この薬を処方すれば、彼の父親は1万元(約21万円)を稼ぐことになる。彼の父親は半年間入院し、その間にこの薬を処方することで数万元(約数十万円)を稼いだ」
(翻訳・藍彧)