中国の破産の波がエンターテイメント業界に広がっています。かつての市場価値が490億元(約1.04兆円)に達したエンターテイメント大手の「印紀伝媒」が破産を宣言し、同社の銀行口座残高はわずか371.07元(約7900円)になりました。「印紀伝媒」の実質的な支配人であり、四川一の富豪であった肖文革氏は2018年から公の場から姿を消し、現在も行方不明です。
中国メディア「券商中国」4月14日の報道によると、北京市第一中級人民法院は4月3日に「印紀伝媒」の破産宣告を行ったと発表しました。
印紀伝媒は、かつて「LOOPER/ルーパー」、「アイアンマン3」などのハリウッド映画の製作に参与していました。2015年前後に資本市場で人気を集め、印紀伝媒の株価は一時44.6元(約950円)に達し、市場価値は約500億元に近づいていました。
同年、肖文革氏は21億ドル(約3241億円)の資産でフォーブスの世界長者番付に上がりました。北京出身の肖文革氏はメディアから「四川一の富豪」と呼ばれています。
しかし、2018年から印紀伝媒の状況は急激に悪化しました。2018年にわずかに3.62億元(約77億円)の売上を記録して、前年同期比で83.44%暴落しました。2019年10月、印紀伝媒の株式は20営業日連続で毎日の終値が額面価格(1元)を下回った後、深圳証券取引所から上場廃止されました。
実際には、業績が急落する前の2018年に、肖文革氏は持っていた印紀伝媒の株式を売却し、複数回にわたって現金化しました。肖文革氏はまた、株式担保融資を通じて資金調達も行っています。不完全な統計によると、肖文革は上場企業から累計で約44.5億元(約949億円)を現金化したとされています。
(翻訳・吉原木子)