武漢大学社会学科の賀雪峰教授は5日、現在の中国の農村が直面しているいくつかの問題を調査する報告を発表しました。この報告書によると、農村の主な問題は消費、精神、価値観などに及んでいます。

 現在の農村が直面している大きな問題の一つは、不合理な消費です。湖北省秭归地域を例に取ると、貧しい山間部の農民が収入の4分の1を義理人情に使い、年間数万元以上かかった家庭もあります。また、農村ではギャンブルが一般的で、農村で長期にわたり流行しており、消費の不合理性をさらに悪化させています。

 精神面では、人や財産の流出と伝統的な村の解体に伴い、農村はさまざまな問題に直面しています。報告書は、基層組織の機能の低下が顕在化しており、特に高齢者の自殺が非常に深刻な問題になっていると指摘しました。一部の農村地域では、多くの高齢者は子供たちに負担をかけたくないという理由から自ら命を絶つ選択をしています。

 伝統的な中国の農村では、農民にとって、子孫繁栄が最も大事なことです。しかし、現在の農村の急速な変化は、農民が子孫繁栄への追求を完全に失っており、結果として短期間に成果を求める行動が農村で一般的になっています。農民は自分たちがなぜ生きているのか、生きる意味が何か、どのような生き方が正しいのか分からなくなっています。

 同報告によると、現在の農民たちが苦しんでいるのは物質的な不足ではなく、生活の中で価値観を失っていることであるといいます。

(翻訳・吉原木子)