最近、中国の招商銀行、天津銀行、威海銀行を含む複数の銀行が年次報告書において、既に支払われたボーナスを社員から返還させるという措置を発表し、業界内で広く議論を呼んでいます。

 招商銀行2023年年次報告書によると、招商銀行は合計4,415名の社員に以前支払ったボーナスの返還を要求し、返還された業績給の総額が4,329万元(約9億円)に達した事が分かりました。過去2年間で、招商銀行が回収した業績給の総額は1億元(約21億円)を超えました。

 2023年末時点で、招商銀行の社員総数は11.65万人でした。これは、約3.78%の社員が業績給の返還措置を受け、平均して一人当たり約9,805元(約21万円)が返還されたことを意味します。

 天津銀行は2023年の年次業績報告において、同行の業績給の延期支払い額が1.66億元(約34.76億円)に達し、返還された金額が174万元(約3643万円)であることを明かしました。

 威海銀行は2023年の業績報告において、高級管理職を含む合計774人が、総額27.28万元(約571万円)の業績給を返還したと述べました。

 銀行で働いているネットユーザーは、「返還されるのは主に業績給です。この措置により、銀行が重大な規則違反が発生した場合に、賠償に回す資金を確保することができます」と暴露しました。

 ある銀行員は、「銀行員の実際の状況は、部外者には理解できません。人々は銀行の年末ボーナスが豊富で、公的資金と福利厚生が優れていると思っていますが、実際には毎月手にする給料は数千元に過ぎません」と述べました。

 また、「自分の年収が税引き前で30万元(約628万円)なのに、手取りは毎月6~7千元(約12.6~14.7万円)に過ぎず、年末ボーナスも7 ~8万元(約147~168万円)しかありません。さらに、近年の経済の下降により、年末ボーナスの額には大きな不確実性があります」と暴露した銀行員もいます。

(翻訳・吉原木子)