中国の新エネルギー自動車が供給過多の状況下で、今年2月に新たな価格競争が再燃しました。中国の「澎湃新聞」は最近の報道で、今回の価格競争を「激しい戦い」と表現しました。
比亞迪は先駆けて、自社の車で約10万元(約210万円)のモデルの価格を2万元(約42万円)下げました。これにより、すべての競合他社も価格を下げざるを得なくなりました。中国北東部の黑龍江省哈爾濱市では、吉利、五菱、長安などの自動車メーカーの店頭価格が1万元から3万元(約21~63万円)まで下がりました。
一部の分析家は、中国の新エネルギー自動車産業はもともと100社以上の企業が存在していたが、市場の淘汰を経て、現在は20社以下に減少し、今年はさらに厳しい試練に直面するだろうと分析しています。
報道によると、新エネルギー車の平均価格は30%下がり、このような大幅な値下げは一連の連鎖反応を引き起こしました。新エネルギー車の値下げは、一部の新エネルギー車メーカーが淘汰されるだけでなく、ガソリン車メーカーにも値下げを迫り、中古車市場への影響は特に深刻です。
中国新聞網13日の報道によると、東風汽車は湖北省政府と協力して、3月から東風ブランドの複数のガソリン車を購入する顧客に対し、企業と政府の二重補助金を支給しています。例えば、原価が21万元(約420万円)の東風シトロエンC6は、二重補助金を受けて実際の販売価格は12万元(約252万円)程度です。
地元メディアの報道によると、補助金の影響を受けて、湖北省の一部の自動車販売店では車の品切れが発生しているといいます。ある販売店の責任者は、「現在、一部の車種は注文さえ受け付けていない。展示車すら売り切れた」と述べました。
東風汽車の値下げの影響を受けて、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、キャデラック、ボルボなど多くの自動車ブランドの価格も引き下げられました。
新車価格の大幅な引き下げは、中古車市場に大きな衝撃を与えています。北京のある中古車業者は中国新聞網に、新車価格が大幅に下がったことで深刻な赤字に直面していると話しました。彼のところで中古車を購入しようとしていた顧客が、新車価格の値下げを受けて同じ金額で新車を購入することになりました。
彼は自分の立場が厳しいにもかかわらず、市場ではさらに悪い状況があります。東風ブランドの中古車を買収した業者は悲しすぎて涙も出ないところです。値下げ前の中古車は14万元程度でしたが、今では新車価格は12万元に下がっていて、中古車よりも安くなっています。
(翻訳・吉原木子)