アップルの上海にある最大の受託製造工場である、昌碩科技(以下、昌碩)は、上海の工場を閉鎖し、一部の生産ラインを海外に移転することを決定しました。
昌碩は、10万人以上の従業員と、8つの生産ラインを持つ巨大な工場を有していますが、現在、生産能力は急速に低下しています。
一部の分析によると、インドはアップルの新しい生産基地になりつつあります。これに対し、昌碩の注文はもちろん減少することになると言います。
世界のトップ5受託製造工場の一つとして、昌碩は主にアップルのスマートフォンと、ノートパソコンの組み立てを担当しています。2004年の設立以来、20年間で投資規模は120億ドルに達し、毎年上海のGDPの約10%を貢献しています。
昌碩の平均年間生産額は数千億元に達し、利益率は常に上海でトップ3に位置しています。フォックスコンには若干及ばないものの、アップルと連携する受託製造工場の中でも指折りです。
注文が減少し、アップルが資金を引き揚げるにつれて、昌碩もアップルに追随してインドに進出し、そこに生産基地を設立する準備をしています。これにより、中国数万人の労働者が失業の危機に直面することになります。
実際には、アップルだけでなく、デル、サムスン、ナイキ、さらにはアディダスのような大手ブランドも次々と中国本土を離れ、工場を東南アジア地域に移転しています。これは、中国の「世界の工場」としての地位が揺らいでいることを示しています。
(翻訳・吉原木子)