中国では、ますます多くの中年層が自分の住宅を売却して、賃貸生活を始めています。中国経済が下降し、国民所得が低下している今、中年層は住宅ローンに押しつぶされ息苦しくなっています。
貝殻研究院がこのほど発表したデータによると、中国の主要40都市の賃貸成約において、2023年には35歳以上の借り手が全体の35%を超え、2021年から4.9%上昇し、25歳以下の借り手の割合をも上回りました。特に一線都市では、この割合の増加傾向がより顕著です。
データは、ますます多くの35歳以上の中年層が、賃貸市場に戻っていることを示しています。
中国ニューメディアプラットフォーム「氷川思想庫」が5日に掲載した記事によると、住宅を売って、部屋を借りる人の多くは35歳前後の中年層で、最も大きな理由は現実の圧力とのことです。
住宅ローンがもたらす圧力は多くの中年層を息苦しくさせています。計算してみると、数十年かけて返済する利息が元金に近いです。住宅を売却すると、現金を得ることができるだけでなく、未来の返済圧力もなくなり、売却で得た現金は今後数年間家族の生活をある程度保障し、心理的な不安を和らげることができます。
鄭州市の不働産仲介業者がメディアに語ったところによると、過去数年に比べて中古住宅の価格が20%から30%下落したため、一部の所有者は住宅ローンを支払うことができず、やむを得ず「無料で住宅を譲る」ことを選択しました。つまり、住宅ローンを引き継ぐ意思があれば、住宅を無料に相手に譲渡します。
また、不動産市場が下降している環境下では、かつて住宅がもたらしていた安心感が、不安感になってしまいます。
住宅の価格が下がると、住宅の価値もそれに伴って減少し、一部の所有者は中古住宅がさらに冷え込むことを懸念しており、手元の住宅の年数がどんどん古くなるよりも、早めに売却して損失を食い止めるほうがよいと考えています。
(翻訳・吉原木子)