チャールズ・リーバー(Charles Lieber)(イメージ:Wikimedia Commons/Kris Snibbe CC BY-SA 4.0

 米国ハーバード大学化学・化学生物学部の学部長で、半導体ナノワイヤーエレクトロニクスの世界的権威として知られるチャールズ・リーバー(Charles Lieber)は火曜日(1月28日)に逮捕された。米国司法省は、リーバー氏が中国共産党の「千人計画」に参加したが、米国国防総省と国立衛生研究所(NIH)に虚偽の陳述をしたと発表した。

 米公共ラジオ局(NPR)によると、2012年から2017年の5年間、中国共産党の「千人計画」がリーバー氏に5万米ドルの月給と「生活や個人の費用」として年間15万米ドルを提供した。更に、リーバー氏が武漢で自分の実験室を設立し研究を進められるよう、中国政府と武漢理工大学はリーバー氏に150万米ドルを提供した。

 今年60歳になるリーバー氏は半導体ナノワイヤーエレクトロニクスの世界的権威であり、米国FBIに逮捕された科学者の中でも特に有名な人物の1人だ。中国共産党の「千人計画」は中国の先端技術領域に貢献できる世界中の一流の科学者を集めている。中国の中央政府ではなく、中国共産党中央委員会組織部が直接に「千人計画」を管理している。

 リーバー氏は2018年と2019年、米国国防総省の調査員に対し、「千人計画」というものを聞いたことはあるが、この計画に参加していないと言った。しかし、リーバー氏の電子メールの記録からは、彼が2012年に武漢理工大学と三年間の雇用契約を結んだことが発覚した。

 この契約期間中に、リーバー氏は主要な研究者として六つの米国国防総省のプロジェクト(研究費総計800万米ドル)と複数の米国国立衛生研究所(NIH)のプロジェクト(研究費総計1千万米ドル)に参加していた。

(翻訳編集・黎宜明)