ピーマンはトウガラシの仲間で、辛味を抑えて品種改良されたものです。スーパーでよく見る中形で緑色のピーマンのほか、丈が長い品種もあり、香りがよく、抗酸化作用、抗炎症作用、降圧作用など、さまざまな生理作用がある「ケルセチン」を多く含んでいます。
ピーマンは、ビタミンC含有量がレモンの2倍で、消化を助ける植物繊維も豊富なのが特徴です。さらに、ピーマンには独特の香りがあり、手早く炒めたり焼いたりすることで、その香りを最大限に引き出すことができます。
では、ピーマンを料理するには、何かいい方法があるのでしょうか?今回は、そのいくつかの方法をご紹介します。
1.じゃがいもとピーマンの細切り炒め
<美味ポイント>
シャキシャキのジャガイモと風味が豊かなピーマンという簡単な組み合わせですが、実は中国本場でとても定番的な家庭料理なのです。
<材料>
じゃがいも 3個
ピーマン 2個
すりおろしにんにく 大さじ1
サラダ油 大さじ2
粒花椒(中国山椒) 5g(なくてもOK)
鷹の爪(小口切り) 1本またはお好みの量
<調味料>
砂糖 小さじ1
塩 ひとつまみ
白酢 大さじ1
<作り方>
(1)じゃがいもは皮をむいて細切りにし、酸化と黒ずみを防ぐために10分間水にさらし、水洗いして余分なでんぷんを取り除き、水気を切ります。ピーマンは洗って水気を拭き取り、縦半分に切ってへたと種を取り除き、縦に細切りにしておきます。
(2)フライパンを熱し、サラダ油大さじ2杯を入れ、粒花椒と鷹の爪を入れて弱火で炒め、香りが出てきたら粒花椒と鷹の爪だけ取り除いて油をフライパンに残しておきます。※やけどにご注意ください。
(3)油のあるフライパンに、にんにくのみじん切りを入れて弱火で熱し、香りが出てきたらじゃがいもを入れ、透き通るようになるまで中火で炒め、ピーマンと調味料を入れて、軽く炒めたら完成です。
2.ピーマンと豚バラ肉の麻婆風炒め
<美味ポイント>
ピーマンと豚バラ肉をじっくり炒めることで香りがしっかりと出てくるので、シンプルな味付けでも美味しい料理が仕上がります。
ここでの豚バラ肉は、生のものでもよく、一回お湯で熱したものでも構いません。お湯で熱した肉をもう一回鍋に戻して炒める料理法は「回鍋(ホイコー)」と呼び、これが名物料理「回鍋肉(ホイコーロー)」の由来ともいわれます。
<材料>
豚バラ肉の薄切り 150g
ピーマン 5~6個
赤パプリカ 1~2個
ニンニクのみじん切り 大さじ1
<調味料>
豆板醤 大さじ1
醤油 大さじ1/2
塩 少々
砂糖 小さじ1
ごま油 大さじ1
<作り方>
(1)豚バラ肉の薄切りは3~4cmの長さに切っておきます。
(2)赤パプリカとピーマンは洗って水気を切り、縦半分に切ってへたと種を取り除き、豚肉の薄切りの大きさに合わせて切っておきます。
(3)熱したフライパンに豚バラ肉の薄切りを入れ、弱火で焼きます。色がついたら、ニンニクを入れて香りが出るまで炒めます。そして赤パプリカとピーマンをいれ、豆板醤と醤油を加えて全体が絡むまで炒めます。ここで少量の水を加えて、煮立ったら弱火にして、蓋をして1分ほど煮込みます。
(4)蓋を開けて、塩、砂糖を加えてもう少し炒め、ごま油を回しかけてから完成です。
3.ピーマンの卵詰め
<美味ポイント>
思ったより簡単に作れる映え料理なのです。新鮮なピーマンを焼くことで独特の甘い香りを出し、チーズを加えると、さらに風味が増します。
<材料(1個分)>
ピーマン(ベル型) 1個
卵 1個
チーズ 少々
<具の材料(1個分)>
サラダ油 小さじ1
ハム(さいの目切り)大さじ1
ピーマン(さいの目切り)大さじ1
マヨネーズ こさじ1
塩、黒こしょう 少々
<作り方>
(1)まずは、具を作ります。フライパンにサラダ油を熱し、さいの目切りにしたハムを炒め、香りが出てきたら、さいの目切りにしたピーマンと調味料を加えてさらに炒めます。
(2)卵を割りほぐし、サラダ油を敷いたフライパンで炒り卵を作た後、マヨネーズと混ぜ合わせます。
(3)ピーマンは洗って水気を切り、縦半分に切ってへたと種を取り、器にしておきます。
(4)(3)に(2)のピーマンを半量ずつ詰め、上にさいの目切りにしたハムとピーマンの炒め物をのせた後、オーブントースターに入れ、200度で5分ほど焼きます。
(4)チーズを上に乗せ、さらに1分焼、焦げ目が付いたら完成です。
4.お肉とピーマンの細切り炒め(チンジャオロース)
<美味ポイント>
みんな大好きチンジャオロース!チンジャオ(青椒)は中国語の「ピーマン」で、ロース(肉絲)は中国語の「細切りお肉」の意味です。包丁さばきの腕が試される一品ですが、シンプルな材料で作り上げる美味しい料理で、ご飯がどんどん進みます。出来上がったらすぐに熱々な状態で食べると特に美味しいです。
<材料>
牛肉または豚のヒレ肉 200g
ピーマン 5~6個
赤パプリカ 1~2個
すりおろしニンニク 大さじ1
サラダ油 大さじ1
※本場のチンジャオロースにはメンマを入れないのが主流ですが、メンマがお好きな方は入れていただいても構いません。
<お肉の味付け用調味料>
醤油、料理酒、片栗粉各大さじ1
<調味料>
醤油 大さじ1/2
塩 ひとつまみ
砂糖 小さじ1
ごま油 大さじ1
<作り方>
(1)お肉を細切りにし、味付け用の調味料を加えてよく混ぜ、5分ほど置いておきます。
(2)ピーマンと赤パプリカは洗って水気を拭き取り、種とヘタを取って細切りにしておきます。
(3)フライパンに油を熱し、ニンニクを香りが出るまで炒め、細切りにした肉を入れ、焼き色がつくまで炒めたら、フライパンから取り出しておきます。細切りにしたピーマンと赤パプリカを元のフライパンに入れ、少し柔らかくなるまで炒め、炒めたお肉をフライパンに戻して、調味料を加えて全体が絡まれば完成です。
いかがでしょうか?4つのピーマン料理をご紹介しました。今夜さっそく美味しいピーマン料理を作ってみましょうか?
ちなみに、料理に彩りと栄養を加えてくれるピーマンですが、その香りとシャキシャキとした食感を楽しむには、新鮮なうちに調理して食べるのがおすすめです。
スーパーで買ってきたピーマンは、短期間で食べられるなら冷蔵保存、短期間で食べきれない場合は種とヘタを取って、2つ割りもしくは4つ割り切りにして冷凍保存するのもいいでしょう。
(翻訳・玉竹)